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トルコ 建国一〇〇年の自画像 (岩波新書 新赤版 1986)

感想・レビュー
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転天堂
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エルドアン政権以降の動きについて、よく分かる一冊。日本では親日国というイメージや、欧州メディアの論調引き写しのような報道が多いが、それだけではつかめない、地域大国の現状とその背景が理解できた。それにしても、ケマル・パシャ以来の世俗主義とEUを規範とした社会構造の変革を行ってもトルコに色眼鏡をかけて接する欧米の態度は、なんとなく外国出身力士に対する日本人の態度と似ているものを感じるのは、気のせいだろうか。
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takao
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ふむ
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三好良太
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ネタバレなぜトルコリラが下がっているのかがよくわかった。金利を下げる政策をしていて、国民も金利を下げてもらわないと生活ができない。感想はトルコの政治のことなのであまり述べないほうがいいような気がする。
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にゃーご松崎
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とても勉強になりました。なぜエルドアン大統領が長きに渡り大統領の座を占めているのか。その背景が米欧の受け売りでなく、日本人の学者とはいえトルコ共和国内部の声として響く。そんな語りが我が国にちゃんと存在する事に安心感を覚える。ユーラシアの東西の端に存在する日本とトルコはお互いを鏡面にして見つめる事が可能で有効ではなかろうか。尤も圧倒的に日本の方が学ぶことは多い。地震被害の迅速な対応、カルト教団による国家転覆対策、貧困者救済と商売のセンス、女性の社会進出、外交と国益。著者の宗教観反映を差し引いても優れた国だ
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大福
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『ケマル・アタテュルク』(中公新書2774)→『トルコ現代史』(中公新書2415)に続いて読了。本書は主に90年代以降が詳述されている。クルド問題やロシアのウクライナ侵攻に対するトルコの対応など、何となくわかったような気がしてくる。トルコの投票率が80%以上もあるというのが、必死に生きてるって感じで、大変なんだろうけど、うらやましさを感じてしまった。
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読人
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90年代から昨年までの30年間のトルコの政治の推移を概説している。イスラム+世俗主義やクルド問題などニュースではよく目にするがきちんと理解できていなかった内容がある程度網羅されており理解の助けとなった。イスラム教徒が多く、地理的にも中東アジアに位置するトルコの国民がEUへ加盟したいと思う理由がイマイチ理解しきれないが、思っていた以上にチャレンジングな取り組みなんだと言うことが理解できた。著者のエルドアン贔屓っぽく少し気にはなるところもあるが全体として面白かった。
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たか
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思うよりもイスラムは強いと感じました。キリスト教先進国、日本が失った軸がそこにあるから。イスラムは社会の底支え、ゆっくりした発展に寄与し、家族やイスラムといった軸が、底抜けに落ちることを防ぐのは、社会の不安定化が進むなかで貴重なものだと思います
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trazom
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内藤先生の本を読むと、いつも、エルドアン大統領に甘いなあという感想を覚えてしまうが、こうしてトルコの現代史を詳細に辿ると、むしろ、欧米及び日本のメディアの報道が、いかに偏った印象操作であるかを実感する。欧米とロシア、ヨーロッパとアジア、キリスト教とイスラム…多くの価値観の結節点の中で、「国家・国土・国民の不可分の一体性」と「世俗国家」という確乎たる理念に沿って国家運営をするこの国の強かさが見えてくる。そういう理解の上で、イスラム主義やクルド人問題(本質はPKK問題だと思う)をウォッチしてゆきたいと思う。
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___
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エルドアン政権成立前夜から2023年6月までを主として扱う。トルコは「裏の顔」「政権の思惑」が取り沙汰されるが、「表の顔」はどうなっているのか?という内容。ムスタファ・ケマルがトルコ革命を起こして世俗化政策をとったのは高校世界史でも習うことだが、そこでの政教分離政策において宗教と公的領域の区別が最も厳格なフランスのライシテを参考にしてしまったため、ムスリムが多数を占めるにも関わらずイスラーム政党の閉鎖を起こしたり、ヒジャーブの着用問題が起こったりしているという背景を知った。
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また、WW1後にアナトリアの領土までも分割されそうになった経験から「二度と国家/国土/国民が分割されるようなことはあってはならない」という憲法の条文がクルド人など民族マイノリティ問題とかち合っており、「これは一朝一夕で解決できないわけだよな」と思った。それにしても、ギュレン教団が国家内に入り込んでクーデターを起こしかけたという本書にあった出来事を見て、正直統一教会と日本の関係を想起してしまった。

11/23 20:40
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紙狸
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2023年8月刊行。著者の内藤正典氏は、トルコ、イスラム・ヨーロッパ関係の専門家として知られる。この本はエルドアン政権のトルコに重点を置いた。PKKとの和解の試みの失敗に関連したこう書く。「強すぎるナショナリズムをイスラムのロジックで緩和し、民族間の融和を図るというイスラム主義の実験」は成功しなかった。しかし、西欧近代国家をかたちづくるナショナリズムや世俗主義に挑戦したことによって、トルコは「新たな経験値」を得た・・・。EU加盟交渉が開始早々挫折したのは、キプロスの扱いを巡るEU側の失敗が大きい。
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原玉幸子
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ムスリムの国々はイスラム教の教えを国家運営に反映させると思い込んでいましたが、トルコでは、仏の影響を受けた「世俗主義」を国家の一つの理念として思想・文化が醸成されていて、驚きました。全てを憲法化/法制化する文化というのもどうか(お上からの通達より生活実感から形成される精神性の方が尊い)と思いますし、又そもそも、政治的側面から国家を読み解くのは余り好きではないのですが、NATO(加盟済)やEU(未だ加盟認められておらず)との駆引き、逡巡、葛藤には、ストーリー性を感じます。実に面白い。(◎2023年・冬)
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atlusbou
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トルコが共和国となってからの現代史で、80年代以降がメインの内容になっています。国民の大半がムスリムでありながら厳しい世俗主義としてスタートしたが故に保守的な人民との軋轢や自由に対する侵害が生まれてしまうという、日本ではあまり考えられない状況が興味深かったです。エルドアン政権にも様々な観点で言及していますが、日本メディアは欧米での視点でしかなく、エルドアン政権、またトルコの置かれた状況について、トルコ側の目線で知れて良かったです。
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れうしあ
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トルコの世俗主義と不可分の一体性はどのように変化してきたか。90年代の社会不安の中で弱者救済のためのイスラム主義政党が台頭したが、軍や司法が介入した。彼らは反動主義とされた。エルドアンは都市問題に取り組み支持を集め、EU加盟交渉を進める中で軍と司法を弱体化し、自身への権力集中を図った。歴史的過程から民族問題は埋め込まれており、不可分の一体性に挑戦するクルド人は弾圧の対象であり、妥協は不可能であった。クルド問題やイスラモフォビアで欧米と対立を深める中、国民の支持を元に独自路線を貫いていく。
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nishiyan
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トルコ研究の第一人者が紡ぐトルコ現代史といった趣きの新書。金権腐敗によって民意が離れていった世俗主義の各政党に対して、イスラム主義政党が家庭にいる保守的な女性や政治から見放されていた貧困層へ積極的にアプローチして支持を広げたというのは興味深い。また軍部による政治への介入がかえって彼らの勢力を盤石なものにしたという論述は目から鱗だった。本書を読んでいて思ったのはイスラムが生活に根づいた日常であるとしたら、世俗主義の根幹はヨーロッパへの憧れなのではないかと。そう考えるとトルコ並びに国民がEU志向なのは頷ける。
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Satsuki
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主に90年代以降の政治史。イスラム国家化、強権的と批判を受けがちなエルドアン政権に対しては著者は擁護姿勢で、欧米の側のイスラム嫌悪、対露制裁に同調しないのは国民の意思、といった点を説明。。90年代からイスラム政党が伸長。著者は、従来主流の軍を含む世俗主義側の腐敗や国民からの反感、またイスラム政党側の貧困層向け政策等を挙げる。現在の与党にも繋がるこの時の勢力は古い保守的イスラム政党と異なる、という指摘は自分のイメージを修整してくれた。クルド問題は、「和解プロセス」は破綻したが、著者はPKK側の責任を指摘。
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ケサランパサラン
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トルコは欧米列国にグチャグチャにされた被害国なんですねえ。その前のオスマントルコ帝国時代には欧州を圧倒していたのに・・・。欧米はその恨みをいまだ忘れないのでしょうかねえ。
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おぎゃ
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クルド人武装組織との対立の章とか少々ややこしく気を失いそうになりながら読了。最初の章ではメシの話が多かったのに…でもウクライナ戦争やシリア内線の鍵を握る国なので読んでよかったと思います
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お抹茶
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さずがトルコ通だけあって,エルドアンの公正・発展党の前史からウクライナ情勢を巡る対外関係の立ち位置まで詳しく解説。EUとの愛憎関係,クルドとの和解プロセスの論理と破綻など,トルコを語るうえで欠かすことのできない論点もしっかりフォロー。著者はエルドアン政権を好意的に見ているようで,2016年の事件で有名になったギュレン教団ははっきりとカルト集団と記している。ムスリムがほとんどの国家で世俗主義を国是としてきた難しさや社会の動揺も伝わってくる。トルコ国民の購入意欲の高さ,ロシアとの政経関係にも言及。
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skunk_c
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トルコ研究の第一人者と言っていい著者が、建国100年の節目に表した概説書。地理学者らしい地域の説明から入るが、本題はやはりエルドアン政権について。特にウクライナの戦乱に対するトルコの対応をNATO諸国が批判し、日本でもほぼその孫請けのような評価があふれる中、トルコ視点から問題を考える本書のような立場は貴重だ。エルドアンがアタチュルク以来の世俗主義からイスラーム寄りへ舵を切ったのは確かだが、それを支えるトルコ民衆がヨーロッパへ熱い視線を送っているというのはある種の驚き。キプロス問題の評価も適切と思った。
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スロウス
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かなりエルドアンより本のだけれども 元々はイスラム国家なのに世俗主義の理念を押し通そうとするのは無理あるだとか、エルドアン反対派は理念先行で 貧困層や地方の若者に対する有効な政策を打ち出さなかったから、2023年大統領選挙・大国民議会議員選挙に負けた という主張には納得させられた。
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ちり
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“アメリカへの信頼感はなく、ロシアへの信頼感もない。それに対して、一向に加盟交渉も域内ビザなし渡航交渉も進んでいないのだが、EUに対する信頼度は高い。過去二十年、トルコは製造業やソフト産業など、あらゆる分野でEU基準に到達するための努力を続けてきた。その結果が、加盟できる、できないにかかわらず、EUのもつスタンダードへの信頼となって表れている”
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パパ
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オスマン帝国を読んだタイミングでその続きをと手にしたが、望外の良書である。まずはトルコの世俗主義の在り方について丁寧に説明され、その後エルドアン政権の説明が、理解度に応じる形で反復される。非常に頭に入ってきやすい。著者は日本にいながらトルコを研究することで、客観的に日本を見られているように思う。トルコの選挙の投票率は高く、民主主義が成熟していると言える。
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(ま)
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苛烈な独立戦争の結果打ち出された国家・国土・国民不可分原則や世俗主義とイスラームであることとの相克から変動をする国と社会 エルドアンに対する見方・評価が一変するが...
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崩紫サロメ
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エルドアン政権の20年についての振り返りを中心とするもの。著者はこのところ、SNSでエルドアンのスポークスマンのような言説を繰り返しているが、それをややマイルドにまとめた内容で、ギュレン教団やPKKに対する姿勢は政権の公式見解と一致する。利下げについて「エルドアン政権は、その常識よりも、イスラム的論理の弱者救済の方をとった。かれは、中央銀行の独立という大義名分よりも、貧困層の破産を防ぐ方に重きを置いたにすぎない」とあるが、岩波新書でここまで現政権を擁護しているものは珍しい。
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ポルターガイスト
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2016年のクーデタ未遂といい最近の大統領選といい明らかに主要メディアの報道だけでは何がなんやらよくわからないトルコ情勢について詳しく述べられている。さすが内藤さんの本わかりやすい。論調は明らかに公正発展党とエルドアン大統領を擁護するものになっており,政教分離原則とイスラーム復興運動のバランスを取ろうとして苦悩するトルコの揺れを社会のダイナミクスとして評価している。日本ではもっぱらエルドアンはマイナスの描かれ方しかしないので,まあこれも一つの声なんだろうなあと思って,視野を広げる読書ができたと思います。
ポルターガイスト

2016トルコ・クーデタ未遂事件はこの本によればギュレン教団というオウム真理教をより洗練させたような宗教団体が起こした権力闘争だったそうです。真相はいかに

09/05 10:35
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トルコ 建国一〇〇年の自画像 (岩波新書 新赤版 1986)評価81感想・レビュー25