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雨あがる 山本周五郎集 (古典名作文庫)(Kindle版)

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3

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めりっく
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職にあぶれ流浪する武士が旅先で出くわした二つの喧嘩を収める為にしたことが、一方では良い兆しを彼にもたらし、もう一方がその兆しを帳消ししてしまう。報われなかった武士の人生があれよあれよと好転し始め、これならもう大丈夫だろうと思わせる所まで描き込まれる辺りでこれはひっくり返りそうだわいと予想された通りの展開ではあったけれど、それが武士と妻を却って強く結び付け、視界がぐっと拓けるようなラストへと至り爽やかな読後感を残す。まるで小説作法のお手本のようなお話だった。黒澤明の意志を受け継いだ映画版も観てみたい。
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ko1先輩
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ネタバレなんとも優しいスーパーマンである。 【「と云ってもいいと思いますわ」】。 なんだか救われる。明るい気持ちになる。と云ってもいいと思うんだが、
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nana
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ネタバレ武術も相当な腕前であるにも関わらず、お人よしで心優しすぎる性格が仇となり、いつも仕官や出世が叶わず、妻にも苦労をかけ通しな浪人・三沢伊兵衛と、そんな夫を心から愛し、支え続ける妻のたよの名作旅情記。 貧乏生活を強いられながらも、旅先で出会う人々の暖かい人情に触れ、絆を深めていく夫婦の姿から、日々を懸命に生き抜く江戸の市井の人々の美しき生き様を感じた。 自我が強く、損得ばかりを考えがちな現代人が忘れてしまった誠の幸福論を山本周五郎ほど見事に描ききれる作家はそうそういないのではないかと改めて感じられてならない。
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雨あがる 山本周五郎集 (古典名作文庫)評価100感想・レビュー3