イタリア、キューバ、ポルトガル…様々に出会う友人、隣人、親戚、母の友人の叔父、さらには旅先の運転手、ついには行き交っただけの人だったり。心の扉から垣間見る彼らの人生。生きるための日々の選択が切なさを残す小編たち。異国、イタリアをメイン舞台に人の営みを描くので、内田洋子さんと少し印象が重なるが、ヤマザキさんの方がややソフトで情緒が濃いかな。ああ、著者本人が絵を描けるっていい!贅沢にカラーで残されるぬくもり、思い出の残像。飛び去る鴨が私を振り返りもしなかった、と嘆く舅がラブリー。E' la vita.