祐太郎は引きこもりの中学生。描いた絵が店に飾られたことから少しずつ彼の中の何かが変わってゆきデザインしたポストカードを置かせてもらえるようになる。彼を取り巻く人々の眼差しは優しいが決して特別扱いはしない。中学生だから、引きこもりだから、可哀そうだからお情けで買ってあげるのではなく対等な取引相手として接することで彼の中に静かな自信が芽生え始める。引きこもりの子を持つ私はこのくだりで目頭が熱くなった。「誰かの役に立っているという感覚も幸福には必要なのだ。」ここを利用する人々にはそんな思いがあるのかもしれない。
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