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台湾のアイデンティティ 「中国」との相克の戦後史 (文春新書 1434)

感想・レビュー
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カリスマ
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台湾の勉強をしたくて購入。台湾入門書というよりは、元からある程度の知識を持っている人向けという性格の本だと感じた。他の台湾関係の本でも感じたが、台湾アイデンティティを巡る問題は単純に語ることができるものではなく、複雑な歴史背景を持つ国だからこそのバランス感覚を人々が持っている。中華民国を中心に据えた歴史観と台湾を中心に据えた歴史観、どちらから日中戦争を見るかによって見方がまったく違ったものになる。どちらにも振れる不安定なシーソーのようであり、当然台湾の「親日」感情についても単純に説明できるものではない。
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ししおどし
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渡台前に。令和5年刊。蔡英文政権の取組を台湾の歴史、特に戦後から今に至る国民党の強権政治と中国共産党、アメリカ、日本との関係の変遷を辿りながら探っていく。時の権力者が民衆と対外的な圧力をどのように汲み取り政治に反映していったかが、最近読んだ本よりもわかりやすく勉強になった。特に日本で称賛された台湾のコロナ対策は厳しい私的権利の制限とそれと対極的な国民への寄り添う姿勢とセットであるが、これも長年の台湾が築いてきた政治のあり方だと思うと、政治は外国の良いところをそのまま真似できるものではないと痛感する。
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しゅー
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★★本書は日本での俗説のたぐいからスタートして、それを否定し、現実を解きほぐす形で議論が進むので台湾関連の最初の一冊として適切だと思う。俗説と言うのは、現実をとかく二項対立で単純に割り切りがちだ。例えば「(昔の)国民党の統治が悪かったので、日本の統治の『良さ』が思い出された」「中国に対する恐怖が親日につながっている」などなど。本書の八田與一に関する議論や安倍元首相の人気の秘密は、そういう単純化を戒める良い例だと考える。島国の内側で歴史を重ねた我々は、隣国に関する認識がナイーブになりがちなので注意が必要だ。
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radio boy
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図書館本。日本と関わりの深い国?のはずなのに、あまりに無知な私。はじめて知る台湾の歴史や民衆の意識、中国との関係など分かりやすく勉強になりました。
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なをみん
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最近、台湾の人と話す機会がわりとあったりして、あまりに何もしらないので慌てて読んでみた。なんだかやっぱりややこしいけど、とても勉強になりました。日本人的には実感の持ちにくい国というもの在り方を知って、基本的な政治体制の異なる国への想像力も広がった気がします。漠然となんとなく心配な台湾有事の可能性への解像度も確実に上がりました。
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macco
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都知事選を追いかけた直後なので、コロナ対応の成功は政治の緊張感と国民の信頼があったからと言う件に、在るべき姿があるんだなぁと羨ましくなった。実際、台湾の選挙は大盛り上がりで投票率もスゴイらしいし。 後は、戒厳令時代の知識層弾圧について、日本の関わりも含めて具体的な内容や事件を知れたのが学びになった。
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K
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何度も行った事があり、また行きたいと思わせる所 故にとても興味があった
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乱読家 護る会支持!
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現在の台湾社会は、政府が強権を行使して秩序や安定を維持することは認めるが、一方で国家暴力が市民の自由を抑圧するのをいかに防ぐかを重視する。また、大陸中国との人的交流や経済活動が健全に営まれることを強く望んでいる。国民党はバランスを取るための必要なおもりとしての役を演じる。 我々日本人は、他国に対して「親日、親米度、親中」というモノサシで見てしまうけど、他国にはそれぞれ歴史的背景があり、地政学的背景があり、経済的背景がある。 単純な図式で台湾を見ていたら、安全保障の面でも、経済的な面でも見誤る可能的がある。
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バーニング
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韓国もそうだが戦後〜民主化までの流れを知らないと現代を理解したことにはならない、とつくづく思わされる一冊。中国との関係も常に緊張というわけではなく、政権によって接近したり遠ざかったりという綱引きの歴史があるということがよくわかる。
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お抹茶
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最近読んだ台湾関連の新書の中では,台湾独立運動への弾圧や日本の独立運動家への対応など,やや暗い側面が多い。1960年代に国民党が日本における台湾独立運動に対する圧力を強めていたことに対し,日本社会では政府が蔣介石政権に協力的な姿勢を取っていることへの批判も出てきた。蔣経国の経済発展重視や本省人の政治参加拡大は台湾の安定に繋がったが,政治制度の民主化は国民党批判の増大にも繋がった。理想とする台湾と大陸中国の関係は民進党と国民党で大きく異なるが,国民党政権が長かったことから,本書では民進党への言及は少なめ。
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カエル軍曹
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図書館本。台湾総統選挙が気になって予約していた。序盤の台湾の成り立ちについては簡略化されていて把握できなかったので別の本を探す必要がある。日本の統治後については詳しく書かれていた。本著を読むといかに自分が台湾のことを知らなかったことを痛感。戦後は中華民国として国連に加盟していた時期があり、その後大陸の中華人民共和国が加盟し議席を失う。日中国交正常化の背後には台湾との国交断絶があったのだ。もともとの国民党は中国共産党を打倒し大陸を奪い返し中国を再統一する思想だったと。まだまだ勉強しなくては。
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お魚くわえたザサエさん
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台湾の歴史と現在が良く分かる。
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アキ
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台湾という国のアイデンティティが生まれる時代は日本統治時代であった。1936年の皇民化運動で日本化を強制され、敗戦後敵国語となる。1947年二二八事件で白色テロが始まり数多くの市民が処刑された。アジアでトップの民主化を成し遂げ、ジェンダー指数もアジア1位であるのは、その歴史と現状があるからに他ならない。台湾の人々が望むのは現状維持であり、台湾人というアイデンティティを維持するために今回の選挙でも民進党が選ばれたのだろう。本書で国民党が敵であった中国共産党と協調する経緯も含めて、台湾の政治情勢がよくわかる。
アキ

「台湾は若い民主主義だが、権威主義とのグローバルな闘争の最前線に位置し、また世界の自由、民主、人権を促進するのに主導的な役割を演じている」オードリー・タン。台湾という存在自体が、世界の中で圧倒的なマイノリティーであり、多様化に寛容な社会を作るのは必然でもあるのだろう。

01/29 21:06
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Satsuki
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台湾自体の主体性に着目するとの著者の問題意識は分かる。ただ、中味は詰まっているが、一冊の本としてはやや焦点がぼやけたように感じる。書名に合わせるならより一般的な概説書にしても良かったのでは。特に紙幅を割くのは、日本国内での活動も含め、党外人士の個別の80年代までの活動。しかし一般の台湾人の思考が見えにくい。一方、書名に直結するのは第一章と第五章。前者では、日本統治下の台湾人アイデンティティ形成から今日の多様性尊重まで。後者では、馬英九政権以降の摩擦を扱い、また台湾内の反・親日の単純化を否定したりもする。
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nora_juonn
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日本と台湾と大陸中国の戦後歴史の概観。身近な話題を含む。
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ほんメモ(S.U.)
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台湾旅行に向けて、基礎知識のインストール用に読んだ本です。台湾て親日のイメージがあるけれど、歴史の上では日本が占領していた時期もあったり、その背景でなぜ親日なのか?とか、そもそも歴史の複雑な部分がわかっていなかったりしていましたが、一冊読む事でかなりクリアになったと思います。読み終えたのは帰国後ですが、旅行中に見かけた、くまモンに激似のキャラクターや、安倍晋三さんの絵?のポスターなど、記憶にひっかかっていたものの答え合わせも出来ました。やはり少しでも知識があった方が旅行って楽しめるな、と再認識出来ました。
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パット
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第3章の1960年代後半から70年代初頭の日本在住台湾出身者の強制送還問題が新たな気付きだった。 当時、国民党政権が問題とした政治信条は大きく分けて①毛沢東思想に共鳴する親人民共和国派②台湾独立派ーーという全く異なる2種類があったが、容赦ない弾圧という扱いは同じだった。そして、現在の視点からは考えにくいことだが、国民党は日本における台湾独立運動が共産党と結び付くことを大いに警戒していたという。
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Hatann
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多様性を尊重する民主的な社会を産み出した台湾のアイデンティティを考察する。先住民族、ホーロー人、客家人というエスニックグループが形成され、日本統治により、中国から政治的に分断されつつ、内地の日本人と区別された環境が、台湾人を括り出す思想を生んだ。戦後に国民党が渡来して、一党独裁の約40年、民主化からの約30年が経過した。中国大陸との関係性の変化が取りざたされるのは主に民主化以降。それまでは台湾の一党独裁に対する米国・日本の対応が問われた。最後に安倍元総理が台湾で支持される理由が考察されるが、心に染みる。
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さとうしん
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内容的に若林正丈『台湾の歴史』『台湾の半世紀』とかぶる部分も多い。本書の特徴は、劉彩品ら活動家の事績や言動を多く取り上げている点、批判されがちな馬英九の政治的スタンスや施策に一定の評価を与えている点などだろうか。その他PCゲーム『返校』をめぐる議論や八田与一をめぐる日台の認識のズレなども取り上げている。
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vinvin
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ネタバレ台湾のアイデンティティは、中国との距離感によって時代ごとに大きく揺れ動いてきた。民主化以前の台湾をめぐる政治的争点をはじめとする歴史の結び目を紐解きながら、「人」を起点に描き出す台湾現代史。第二次世界大戦後の国民党政権による一党支配、その下での反体制運動と政府当局による弾圧。日本人で、台湾に親しみを感じる人の割合は76%。理由1位は台湾人が親切&友好的、2位は歴史的に交流が長い、3位は経済的な結びつきが強い、4位は東日本大震災時の支援・義援金。台湾の住民構成は四大族群:原住民、本省人(ホーロー(福佬)人、
vinvin

台湾住民のアイデンティティは、自身は台湾人63%、中国人3%、どちらでもある31%。政権交代を中心に近代台湾史を論じる。【1】多様性を尊重する台湾:先史時代と原住民、漢人文化の普及、日本統治、皇民化運動、大陸との政治的分断の継続、中華民国憲法改正と政権交代。【2】一党支配下の政治的抑圧:中華民国による台湾統治の始まり、238事件、白色テロ、陣智雄事件、映画「返校」。【3】人権問題の争点化:在日台湾人社会と台湾独立運動、劉彩品問題、林景明問題。

12/18 00:05
vinvin

【4】大陸中国との交流拡大と民主化:台湾独立運動拠点が北米に、米中国交樹立とアメリカの台湾関係法、美麗島事件、李登輝による憲法改革、ジャイアントパンダ贈呈構想、劉彩品と天安門事件、藍緑対立構造。【5】アイデンティティをめぐる摩擦:馬英九政権の対中国融和政策、際英文政権と歴史をめぐる摩擦、台湾で慕われる日本人技師、李登輝と八田物語、蒋介石銅像の公共空間からの排除、香港情勢と際英文の再選、新型コロナウィルス対策の優等生、安倍晋三銅像の建立。

12/18 00:05
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0255文字
Geo
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書店で見かけてすぐ買ってしまいました。最近台湾が気になっていたので。サンフランシスコ講和会議に中国が招かれていなかったり、日華平和条約が結ばれていたりと、他にもたくさんありますが、本当に何も知らなかったと恥じ入るばかりでした。
0255文字
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