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生き物の「居場所」はどう決まるか-攻める、逃げる、生き残るためのすごい知恵 (中公新書 2788)

感想・レビュー
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Humbaba
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生き物は自分たちが生き残るために最大限の行動をとっている。ただし、それらが全て合理的なのかと言われると、少し首をかしげたくなるようなことすらある。他の生き物がいないというのは有利な反面、そこにいないだけの理由がることがほとんどである。その理由をどうにかして解消したからこそそこにいられるようになったとはいえ、ではそれが快適な空間なのかと言われると難しいところであろう。
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乱読家 護る会支持!
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狩猟採集時代のヒトは、本書で書かれている他の生物同様、「天敵不在空間」であるニッチを探して生きていた。しかし、ヒトは田畑を耕すなど、地球環境を作り変えることで、居場所を増やし、ニッチに頼らない生き物となった。 平地を増やして食糧生産量を増やし、道路を作ることで地域をまたがった食糧受給が出来るようになった。そして、ヒトという種の個体数は爆発的に増えていった。 しかし、地球環境を作り変え続けることにも、限界がきている。 起こりうる「不都合な未来」をヒトが予測することは難しい。
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kuukazoo
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「ニッチ」とか「隙間」という言葉が好きなので読んでみたがのっけから「種とは何か」から始まり分類学から進化論の研究史が展開され、生態学のフィールドワークや実験の話になっていくのでこれはガチめの生態学入門書やんと気づき読むのやめよかと思ったが「擬態」や「天敵不在空間」や「繁殖干渉」など興味深く読了。思ってたのと違ったが勉強になった。著者の専門がチョウの生態学でモンシロチョウの異種間の攻防や天敵寄生バチとの関係などチョウを見る目が変わりそう…お呼びでないオスにつきまとわれるスジグロのメスさんの困惑を想像する。
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預かりマウス
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ポップな感じの主題・副題からして、中公新書の唐沢孝一さんの野外観察的な、または個別具体的な生物の生態を紹介する内容なのかと思ったがだいぶ異なり、特に前半部分は生態学の学説史で、多くの生態学者たちの略歴や学説が似顔絵つきで次々に解説されていく。後半部は著者による野外実験的な内容が中心である。少し文章や構成が散漫な印象は受けるが、とても面白い内容であり、生態学に関心を持った。自然界における競争の有無についての論争や、天敵不在空間、そして著者が貢献した繁殖干渉といった生態学の理論を具体的に把握することができた。
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JF1RLN
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門外漢だったせいか知らないことばかりだった。生き物の奥は深いのですね。それにしても海外論文誌に載るのは大変そう。いろいろとあるんですな。
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インテリ金ちゃん
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書名とはちょっと印象が違い、植物を巡る競争がないこと、「繁殖干渉」という別の競争に関して話題が進められ興味深かった。進化論の普及や個々の研究の発展についても詳しく説明されていて分かりやすかった。また、論文誌掲載を巡る攻防や駆け引きが生々しかった。
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penginpapa
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我々は動物や植物たちが昔からずっと同じ場所に棲んでいると思いがちだ。あたかもそれがずっと昔神様が決めたことでもあるかのように。その在り様が如何に神理にかなった合理的で美的なものであるのかをダーウィン以前西洋知識人たちは考えてきた。そしてダーウィン以降の生き物たちの居場所についてその考え方の変遷を辿っていくことから、主として「種」とはなにかを巡って、物語が始まります。 そして、ダーウィン以降、神の計らい無しに如何にして生物たちは、同一種又は異種間における競争を通じてニッチを獲得してゆくのかと続きます
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きっしょう
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時々気づかなかった視点になるほどね~と思わされるが もう少し広い意味での生き物を想像していたので読み始めは馴染めなかった。後半になるとチョウの専門家である著者の研究がなかなか奥深いことに気付き引き込まれていた。専門的な話が多いのでわからないことも多いのだが専門誌に論文を掲載するための静かな駆け引きや研究者たちの実績が積み重なって今があるということなどがよくわかった。多くのイラストが奥様の手によるものだったんですね。
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con
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前半は生態学の発展の歴史が研究者のエピソードとともに紹介されている。 後半は、生き物のニッチがどのように決まるのか、天敵不在空間や繁殖干渉を核とした著者による研究の紹介。明快、明確な文章で読みやすく理解しやすい。
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嵐 千里
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学説史的な文章だが、主張・提唱を論者とともに要領よくコンパクトにまとめており、学説の概観の見通しがよく解る内容。著者の発見が、学術誌に掲載されるまでの顛末、いわば楽屋話もあって興味深い。 進化論=ダーウィン『種の起源』と考えがちであるが、学説は遥かに進化しており、否定的な取り扱いの今西錦司の「棲み分け理論」の再考に至る過程は驚きを以て読ませる。 本書を読むかどうかを判断するには、終章を立ち読みすることをお勧めする。
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Mマジパン
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前半はリンネの種の分類や、ダーウインの進化論など、生物学発展の契機となった学説を解説している。紹介されているエピソードや肖像画が良い。その後は生態学分野の話になる。筆者の専門である蝶の生息数が何によって決められているのか、地道かつ綿密な研究と世界中の研究者との論争により認識が少しづつ進んでいく。生き物の「居場所」(ニッチ)という観点は生態を考える上でなかなか優れていると思う。
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神谷孝信
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学術内容ではあるが、良く噛み締めて読んでみて大変興味深かった。4
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itsuho
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おもしろかった
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うえぽん
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チョウの専門家が、動植物の生態に係る思想・研究の歴史を自らの研究も含め紹介した本。キリスト教的な天地創造や種の分類学から始まり、種の生存競争の有無に関する学術史を説明。植物を食べる動物・昆虫は天敵の存在により密度が低く抑えられ、植物を巡っての競争はないという説が、生物のニッチは天敵との相互作用により天敵不在空間として存在するとの説に発展したが、近年、筆者を含めた研究により、天敵不在空間を巡って近縁種間で繁殖干渉という競争があることを検証。査読雑誌への掲載をめぐる攻防も詳述され、研究者達の執念が興味深い。
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ひめの
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生き物の「居場所」(ニッチ)についての本。全体は種の分類→ダーウィンの進化論→ニッチと競争の概念と歴史的な生態学の流れになぞらえて進む。後半は主に著者のチョウの分布に関する研究を主軸に植物食種では競争はないとされていた考えに繁殖干渉という現象で反論する。ニッチの概念や中規模撹乱など聞いたことがあったが、その意義などこの本で確認できよかった。また、それぞれの説についてデータも載っていて納得しながら読み進められた。多数の因子がからみ、実験も時間がかかるなかこれらのキレイな実験を組み立て実行した研究者たちに感動
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