形式:ハードカバー
出版社:講談社
形式:Kindle版
第170回 芥川賞候補作いい子のかんむりは/ヒトにもらうものでなく/自分で/自分に/さずけるもの。ある事件以降、引きこもっていたしふみはテレビ画面のなかに「おねえちゃん」を見つけ動植物園へ行くことになる。言葉を機械学習させられた過去のある類人猿ボノボ”シネノ”と邂逅し、魂をシンクロさせ交歓していく。――”わたしたちには、わたしたちだけに通じる最強のおまじないがある”。”女がいますぐ剥ぎ取りたいと思っているものといえば、それは〈人間の女の皮〉にちがいなかった。女は人間の〈ふり〉をして、ガラスの向こう側にたっている””女とシネノは同じだった。シネノのほうはそのふるまいこそ完璧ではあったけれど、それでも猿の〈ふり〉をして、あるいは猿の〈姿をとって〉、こちら側にいる”ねえ、なにもかもがいやなかんじなんでしょう。ちがう?
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