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所有論

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tokko
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近代の西洋哲学における「所有論」から掘り起こして、「所有(権)」の過剰なまでの主張・行使が見られる現代の新自由主義の世界で、再度「所有」とは何なのかを鷲田さんが問いなおす。もちろん「自由」や「権利」といった近代思想の産物とともに、「所有」も必然的に生まれた概念であるという歴史的背景がありますが、他者を疎外するための「所有(権)」ではなく、「共」へと引き継いでいく義務としての「所有」、託された「物」としての「所有」という視点が提案されている点が興味深い。
0255文字
Kai Kajitani
新着
歴史的な慣習として多様な成り立ちをしてきた「所有」は、近代以降社会の根幹をなす普遍的な権利として、あらゆるところにその影響を及ぼしてきた。その結果人びとの生活を守る盾であるはずの「所有権」が、社会の「よき習い」を破壊するという矛盾がうまれる。本書はこうした近代的所有権を相対化するヒントとして「所有は、それを放棄することによってはじめて可能になる」というヘーゲルの議論に注目する。そして、あるものを誰かから「受託」し「適切に保つ」ことをそのオルタナティブとして提唱する。所有の奴隷にならないための優れた指南書。
0255文字
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