形式:単行本
出版社:KADOKAWA
形式:Kindle版
騎手という職業にはそもそも執着が無かったとのことで、特定の騎乗馬に対する記述も、あくまでも来し方を振り返る上での必要最小限度に留められている。とはいえ、極度の緊張状態で自滅したキングヘイローでの初陣に始まり、エピファネイアなど20年の挑戦と挫折を経て、キャリア終盤には3勝を挙げることとなったダービーには1章が充てられており、人生の転機としての思い入れの深さを感じさせる。教訓めいたメッセージを伝えようとしたわけではなく、単純に自分の半生を記録に残す意図で上梓したとのことで、一介のファンとして興味深く読んだ。
「多くは自分の感覚と動作が一致しないことをスランプと捉えるのだと思うが、自分からすると、それは完全に技術不足であり、その原因が精神面二由来するものだとしても、そのコントロールを含めて"技術"だと思う」 「一歩引いて気の毒な人だと思うようにしないか?...「すみません」と言って笑って流して、もう付き合わなければ良い」 「競馬は点ではない。線なんだ。競馬は1レースごとに出るけれど、そこでどういう競馬をしたかが先々につながっていく。この馬をどういう馬に育てたいのか、その結果、どのステージまで連れていきたいのか」
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