形式:単行本
出版社:文藝春秋
形式:Kindle版
中国人は綺麗に死ぬよりも、惨めに生きたほうがマシと考える。日本人とは真逆。心の底では共産主義を嫌っていても、生き残るためにはどんな酷い帝王でも従う。這いつくばってでも生きようとするのが中国人だと語る服部。毛沢東が大号令をかけ始まった大躍進運動とその後の文化大革命を当事者として生きた日本人。人類史に残るほどの餓死者を出した狂気と茶番の時代を、「日本鬼子」と差別され続け、中国時代は思い出したくもないと唾棄するほど嫌い抜いているのに、自分が知らず知らず彼らのように行動してしまっていることに気づき愕然とする。
「洗脳教育は、脳みそに中国共産党というシワを刻み込むようなものだった」と語るほど、自分の行動様式に染み付いてしまっていた。他と交わらず、自分のみを恃みとし、夜な夜な政府高官や幹部を接待するだけでなく、他メーカーとも平気で情報高官を交わした。陰口を叩かれる服部のやり口は、起死回生の秘策を成就する力ともなったが、習近平による汚職撲滅政策により、終の住処としようとした中国からも追い出される遠因ともなった。
中国の本質は「好 死 不 如 瀨 活」、きれいに死ぬよりも、惨めに生きたほうがまし。奥田と章男、犬と猿の二人が信用してくれた男、服部悦雄。
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