形式:単行本
出版社:慶應義塾大学出版会
⇒次に後者(Qアノンを救い出す方法)についてだが、大切なことは、Qアノンの人々を蔑んだり嘲笑したりすることなく、あくまで一人の人間として向き合うことであるという。否定や論破の姿勢で臨めば、Qアノンの人々は却って信念をより強固にし、さらに殻の奥深くへ閉じこもってしまうかもしれない。つまり、共感に基づく対話を通じて離脱へ導くことが肝要というわけだ。骨の折れることではあるが、凝り固まった思考をゆっくり解きほぐしていくことが、現状において採用しうるベターな選択肢ということだろう。⇒(4/5)
⇒最後にもう一点。本書の原著は2021年に出版されているので、Qアノンの拡大に一役買ったトランプ前大統領の復権はあり得ないとの前提で議論が進む。が、2024年の現在、トランプ氏は再び共和党の大統領候補に選ばれ、来る大統領選挙に向けて運動を続けている。同氏が再選されればQアノンも勢力を盛り返すかもしれないし、逆に敗北となれば、彼ら彼女らが再び議事堂襲撃事件のような暴動を起こさないとも限らない。Qアノンは過去の現象ではないし、司令官なき自己増殖運動であることを、私たちは忘れてはならないだろう。(5/5)
修士の同期とそのパートナーが翻訳してます。
https://www.facebook.com/KokonTakayuki/posts/pfbid032mXUmBHP9ek67Jdo1ifESWHLzZ3RkBfukqDANfLnaXBV36rLmrevKkvsgNEXQx1El
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