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ソリッドステート・オーバーライド (ガガガ文庫 ガえ 1-13)

感想・レビュー
30

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kinaba
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☆ なんだろうこれはと思いながら最後まで引き込まれてしまった。"今までに物語が存在しなかった領域"に物語を打ち立てている。目的のない問いと思考を繰り返す、という性を敢えてSFとして陽な設定として固定すると何がおきるか。そういう媒体の上に作用させるひどく人間らしい自己を置くとどうなるか。そしてメタ的に見たときに人類を思考金属に比することができるか。
0255文字
緋莢
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「…戦場からお送りするファー・イースト・ゴー・ウエスト・チャンネルをお聞きの皆様、こちらマシューとガルシア。戦線は二〇〇年と一〇日現在、相変わらずの激戦化。俺たちは砲弾が飛び交い兵士同士が壊し合う中、相変わらず暢気に旅を満喫中」合衆国と首長国連邦がロボットを使い、長年戦争を続けている時代。仕事のスクラップ集めをしつつ 兵士ロボット向けのラジオ番組を24時間配信しているマシューとガルシアは、ある日、戦場にいるはずのない 〝人間”を見つけて…(続く
緋莢

ロボット工学の権威にして、最初のロボット「アイザック」を開発したスレイマン博士が設定した原則、「何も見てはならない」、これが「人になってはならない」を遵守するのにも役立ったというのが、とてもユニークです。少女・マリアベルを見つけたマシューとガルシアは西へと向かうのですが、紆余曲折あり、大きな出来事も明らかになり、とても読みごたえがありました。 帯で虚淵玄が<もうラノベじゃなくてゴリゴリの本格SFじゃん。ガガガ文庫はハヤカワさんちのシマに カチコミかける気か?>と(続く

12/17 17:31
緋莢

井上敏樹、じゃなくてヤ〇ザみたいなことを書いてましたが、同じガガガ文庫の新馬場新『十五光年より遠くない』も そうですが、もうレーベルなんてそんなに関係ないんじゃないかな、と個人的には思います。というか、その虚淵玄自体、かつて ガガガ文庫で、とても硬質な『アイゼンフリューゲル』という作品を出していたんですが。

12/17 17:31
0255文字
haora
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0255文字
lifeforone
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ソリッドステートの設定がとても良い。世界は相応に未来なのでソリッドステート以外の技術的な進歩も見せてほしかった。登場人物への共感はなかなか難しい感じだったが、叙事詩として読むのが正しかったのかもしれない。それでももっともソリッドステートらしくない彼女が魅力的だった。
0255文字
微塵子大魔王
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設定とか世界観が良すぎる。思考金属の革命の歴史。博士の「我々は見つけられた」って言い回しやロボット二原則、原則修正条項。何か要因があって産まれたわけではなく、ずっと前から世界に存在していた。ただ、存在していただけ。原初のロボット、アイザック絡みの話は興味深かったです。さて、マリアベルを見つけたことから始まった2体と1人のラジオ番組は賑やかでそれでいて信念があって心に染みました。それが例え仕組まれていた展開であっても当人には関係ないんだよ。自分勝手な第一世代に腹が立ちましたが最後は感無量。
0255文字
くりんとん
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★★★★★★ 大満足、めちゃくちゃ面白かったです。一章のマシューとガルシアこそ、「思考金属」の語り口が独特で頭に入ってきませんでしたが、スレイマン博士やアイザックに合衆国大統領、ボルアリーアが出てきた辺りから慣れ始め、純粋に楽しむことができました。終盤で彼らが一堂に集結し、ドンパチやる姿は洋画チックな面白さ。それでいて、思考金属の語りはカテエラを連発している作者らしい独特な雰囲気を味わえました。
0255文字
Pustota
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思考により絶えず自らを上書きしていくロボットたち、という世界観が面白い。そしてそのロボットの、人間とは違う思考を追う文章は、初めは取っつきにくくて苦労したが、段々と癖になる。ラノベらしからぬ硬派な設定とラノベっぽいワクワク感が味わえるユニークな作品だった。
0255文字
KASUKA
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思考金属という異種知性の、思考の仕方がヒトとは異なるので、それに慣れるまでにとてもエネルギーがいる物語ではあったのだけれど、それはそれとしてキャラクターは魅力的で、語りはソリッドで、テーマも明確で、扉絵の空もよくて、イラストも雰囲気があった。しみじみといいライトノベルSFでした。
0255文字
zepe(第1刷発行)
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よく読むと中々えげつない話も展開されてますが、登場人物(?)が、みんなやりってくれるので悲壮感はなく、気持ちの良い読後感。だいぶ硬派かもしれない。オビやあらすじが気に入ったら手にとって大丈夫。 虚淵玄さんによる「ガガガ文庫はハヤカワさんのシマにカチコミかける気か?」って、帯がついてたんですが、私が買った書店ではハヤカワSFの棚に置かれてました。 コチラでもオーバーライドは進んでいるようです。
0255文字
鉈弓
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ネタバレ読んだ 第六章はクライマックスということもありかなり白熱した展開だった ボルアリーアのキャラクターが完全に他のキャラクターを食ってしまっているように感じるくらい魅力的であった というかボルアリーアが一番黒幕の思惑に大して行動で反骨していたので主人公っぽく見えてしまうよなぁ…
0255文字
サケ太
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言い回しがめちゃくちゃ面白い。世界観も非常に独特。製造者によって、「視ること」が出来ない「思考金属(シンク・メタル)」らによる群像劇。始まりの掴めない感じから、三人組のわちゃわちゃした楽しさ、その裏を走る陰謀。ラストの爽快さ。読み味は斬新だが、やはり信頼できる作家だと改めて感じた。
0255文字
2n2n
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物語の舞台は、<合衆国>と<首長国連邦>の戦争が200年近く硬直状態のまま続いており、その戦場には人間がおらず、「思考金属(シンク・メタル)」を有するロボットたちが延々と戦争を続けている……というもの。冒頭で「ロボットニ原則」なるものが提示される。それは「人にならねばならない」「人になってはならない」「原則修正条項・何も見てはならない」というもの……前2つの原則は明らかに矛盾している。だが、この矛盾が、このロボットたちの物語全体を動かす原動力になっているのだ。詳しく知りたかったら、読め!( ・`д・´)
2n2n

もちろん、もう1つの原則修正条項もまた、物語に深い影を落とすことになる!( ・`д・´)

05/25 20:18
2n2n

人工知能は現実世界にも存在するが、この小説で出てくる「思考金属(シンク・メタル)は、そんな人工知能とはまるで別のものだって描写されているところに、令和っぽさを感じる( ・`д・´)

05/25 20:23
0255文字
げんなり
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SFは語り口だよねえ、と言いたくなるくらい決まってる、よーく考えるとヘンテコなお話だし、ちょっと表現がよれてるかなとか思ったりもしたのだけど、とにかくカッコいい、一気に楽しめた! とにかくガジェットが良い! 思考金属(シンク・メタル)とか太陽炉(ゴライアス・エンジン)とか痺れっぱなし! キャラクターで言うと好きなのはボルアリーア、次作があるなら復活して欲しい。マリアベルも今回は影が薄かった感じなのでもっとキャピキャピして欲しい。 アニメとしての絵はすぐ浮かんで来る。期待してしまう。
0255文字
ぱ隹越九朗
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全編にわたって語りが良かったなぁ。マシュー、ガルシア、マリアベル、アイザック、スレイマン博士、〈合衆国〉大統領ファッティー・ケト、ボルアリーアと特火点、全員好きになる。あとソリッドステートという言葉のルビ芸(?)がフフッとなって良い。
0255文字
YSHR1980
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狙撃手と特火点の生き様、これはもう令和のガンヘッドでしたわ。博士と大統領、それぞれ「発見された」人間とアイザックとのやり取りも印象的。
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和尚
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面白かったです。 ロボットが人の代わりに戦闘を続ける最前線。視野は無く、矛盾する原則を与えられた思考金属としての彼ら、ソリッドステートの「革命」の物語。 ラジオを通して廃棄物を回収しながら目を探し歩いていた二体のロボが、戦場にいるはずのない人の少女を拾い、物語は始まる。 一章は人を選ぶかもしれない印象ですが、二章まで行くとそこからはあっという間。 考えるために考えるという思考、人もロボも不思議な雰囲気のお話でしたが、辿り着く答えと物語の到達点は変わった読後感を与えてくれました。
0255文字
東晃
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2章と5章、そこからたどり着くラストが良い。しかし大統領、あまりにも人間だし、あまりにも人間離れしてる 星四つ
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イツキ
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ロボット同士が200年以上戦争をしている地をロボット二人と人間一人が配信をしながら横断するというあらすじでしたが蓋を開けてみれば思考金属という素材とそれを材料にしたロボット、そして主人公のロボット二人の来歴などを始めとした掘り下げが必要に行われ、思考金属とロボットが発明されるまでの話が言及されて…と想像以上にゴリゴリのSF、ガガガ文庫でよく出来たなと感心してしまいました。
0255文字
不璽王
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思考する金属というロボットの来し方と行く末の話。モロのSF。配信者と大統領とトーチカという3つの勢力の話それぞれは面白いけど中々混じり合わなくて悶々としてたら、混じり合ってからが一番面白いからすごかった。トッドさんが一番好きだな。欲しいものが手に入ってよかったよ
0255文字
kaneKlenz
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筧さんと神座のお話をあそこで寸止めのままで新作……/思考金属製のロボット、第二章の奇天烈な開発史がとっても楽しい/が、第四章へ進むと、博士とアイザック、大統領と戦時補佐官。どっちがどっちを見出したのか、という気分になるな。というか、そういう「発見の相対性」もこのお話の肝の一つだろうし/ところで、無限に思考を上書きされる存在にアイデンティティってあるのかな。連続性?
0255文字
ぼっせぃー
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ネタバレ作者のシグネチャーである内面を何度も何度も走査するような文体が、“思考金属”という格好の材料を得て傑作となった。“人間”である私が“思考金属”の在り方にチューニングされるまで、序盤の章を読み進めるのに辛いところもあったのだが、読み終えてみるとエミュレート小説としてめちゃくちゃ楽しんだという実感がある。相変わらずハッタリの決め方が絶妙。『ロボットたちが人に強く期待しているものは身勝手に決められる『正解』と言って良かった。それは文字通りに正しくなくても一向に構わない。それは彼らにとっては思考の始まりである。』
0255文字
椎名
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二体の思考金属のラジオから始まるこのワクワク感はロードムービーそのもの。そこに人間の少女が加わり、少女の家があるという西の果てに向かっていく。ストーリーとしても面白かったが、ロボットがどう進化していくのかを描くときにAIではなく思考し続ける金属が生まれたというのが非常に面白い。人間にとっては結論であることが、彼らにとっては思考の始まりとなる。矛盾を好み、思考を上書きし続けていく。不思議としっくりとくる設定で、こちらも考え続けながら読むような作品になっていたのも個人的な好みに合っていた。
0255文字
リク@ぼっち党員
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ネタバレ思考し続ける金属と『女の子』の旅路。考える葦が人ならば、考える金属は人なのか。人と機械の関係性を三原則などを独自に織りまぜてと描いており、思考し続ける金属というモノの在り方が興味深かった。この手のロードノベルはコンビの会話劇を売りにしている作品も多い中、この作品は内なる自分との会話=地の文が多めで、会話劇は思いの外少なかったというのも、あくまでも思考金属というテーマが主であると考えると必然か。これまでにない読み心地の作品であった。
0255文字
まこす
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7
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のれん
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ネタバレロマンティックな寓話でありながら、同時にとても現代風刺の見方もできる。 ロボットの討論だけを好む集団思考はSNSの好意的解釈にとれるし、そんな無駄で幸せな議論を続けられる理由として視覚を奪われる、矛盾の命題を与えられるというのが意外としっくりくる。彼らは与えられた仕事を黙々とこなすリーマンであり、仕事に茶々を入れるパーソナリティを娯楽にするリスナーである。 大統領もロボットもマリアベルも結局誰一人ゴールにたどり着けず、大半はその道程すら掴むことはなかった。むしろ敵の「アイザック」が(1/3)
のれん

一番成功したとも言える。しかし主役らがそこはかとなく持っている満足感。それはまだ思考できることにある。正解を決めてもらってないから、生まれる余地。例え正解がすぐ横に合っても、思考した先で間違えられること。それって一つの幸せなのではないだろうか。SFロードムービーとして尖ったものが読めた。最後の挿絵の装甲輸送車が『メガゾーン23』にしか見えないのは私だけだろうか(笑)(2/3)

03/27 01:11
のれん

一番良かったのはリスナー代表のボルアリーナとマシューの会話。ってか途中からこのボルアリーナこそヒロインではないかと思うぐらい可愛い。トーチカとの会話も敵アイザックとの会話も洒落てるし。一人だけヤンキー風に作品テーマ体言してるし。銃カッコいいし。おまけにメンドクサイ女の子。いや性別ないらしいが。 この作者らしいヒロインの良さが出ている。(3/3)

03/27 01:11
0255文字
ごはんたべたい
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ロボットが意思を持つ金属(シンク・メタル)で、集団での思考を行いアップデートを遂行していく、という発想がまず面白い。その中でも明確に「落ちこぼれている」二体が一人の機械生命によって生かされている少女を無人の荒野の中から見つけ出す、というところから動き出す物語の部分は少し引きが弱いようには感じたが、終盤の多数の問いかけから一つの答え(出力の仕方はそれぞれだが)を出す過程に至るものはなかなかのカタルシスにはあふれている。よいSFだった。
0255文字
久利大也
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ロボットたちが相争う戦場で、ラジオを配信しながら旅する2体のロボット。そこにいるはずのない“人間の少女”を拾ったことから、旅の/配信の/戦場の様相は変わり始める。 これは“思考について思考する”話だと思いました。 目を封じられたお喋りなロボットたちが、戦って推論して合意して上書きして活き活きと考え続ける。 終盤、彼らの根幹に関わる陰謀からスペクタクルを経由して、すごい楽観的なとこに着地するの好きでした
0255文字
アヒコ
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ロボットは人に上書きされ、それでも思考し、自らをさらに上書きして旅を続けた。少女は存在そのものを上書きされ他者に利用された。男は自分だけではなく、国ごと上書きしようとした。誰もが上書きによって自身を変えていった。旅の果てにたどり着いても、ロボットと少女は上書きを止めない。革命という上書きを続けるのは、生きるということなのだろう。
0255文字
真白優樹
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兵士の役目を設定されたロボット達により、二百年以上もの戦争が続くいつかの近未来で、配信をしながら衛生兵として戦場を回る二体のロボットが人間の少女を拾い始まる物語。―――見えぬ、けれど感じる、その繋がりがバグを生む。 これはラノベかと疑う程のゴリゴリに硬派なSFな物語であり、それぞれの思いが重く巡る中、いつの間にか設定した者の思惑を超え進んでいく、彼等の旅が心に重く刺さる物語である。果たしてこの先、どんな未来が待つのかは分からぬ。けれどまた続く旅は、まだ終わらないのである。 うん、とても面白かった。
0255文字
よっち
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合衆国と首長国連邦がロボット兵同士で200年も戦争を続ける未来の地球。ポンコツトラックで移動するロボット兵マシューとガルシアが少女マリアベルを拾うSFロードノベル。ロボット兵の起用が当たり前となって人間が戦争に参加しなくなり、他人事になってしまっていた状況で、旅をしながらロボットたちに向けてラジオ番組を24時間配信し続ける二人が戦場で出会ったマリアベル。彼女の家があるという西の果てを目指す旅は少しずつ戦場を変えていって、明らかになってゆくその背景や思惑すら乗り越えてみせた結末がなかなか印象的な物語でした。
0255文字
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ソリッドステート・オーバーライド (ガガガ文庫 ガえ 1-13)評価77感想・レビュー30