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羅刹国通信

感想・レビュー
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Mishima
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語りは信頼できない女子高生で夢と現がリンクして進行していく日々は崩壊へと転がってゆく。タイトルにある「羅刹国」は夢の中での設定だが、眠るたびに見るそれはあまりにも鮮やかで夢が現実を呑み込んでいくかのよう。目には脳を通過したものがみえるのだから、その人にしか見えないものも映ったりする。もはや家族も友人も精神科の医師も果たして「ほんとう」だろうか。著者は「ボスニアの内戦」を下敷きに書いたらしい。んーんんんんん?エンディングは、夢の中で、新たな「あたし」を自覚するのだった。夜の帷のうちに。
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烏骨鶏
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まあ、なんとか読み終わった。 解説やなんかの部分を読んで、「P//」の作者だったことを知った。どちらも読んだ感じが、自分が乾燥する感じが共通してるかなと思った。私はとてもウエットで簡単な構造の人間なのだろうと云う気がしてきた。
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Ai
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津原さんのグロテスクだけど、美しい幻視。羅刹国はほんとうになるのか、叔父を殺した主人公の罪悪感が見せている妄想なのか。
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lyrical_otoca
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分類難しい鬱屈とした小説だった。面白かった。夢と現実がぐちゃぐちゃに混ざり合った文体の割にどこが現実でどこが夢かはちゃんとわかりやすかったので思ったよりも読みやすかった。また、220強のハードカバー本だけど改行が多いので思ってたよりもスルスル読めて1時間半あれば読み終わる気がする。解説で書かれていた執筆の背景にボスニアがあるってのは流石に本から読み取るの無理では……と思った。ただ現実感の薄い幻想感が魅力の本作でボスニアの話が分かりやすく出たら雰囲気壊すのでこの塩梅で正解だったとは思う。
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ポラオ
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●途中までは面白かったけど、後半はわかるようなわからんような。
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crow
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★★★★
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midokame
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★★
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みつけるちゃん
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ネタバレ冒頭の引きが強い。叔父の自殺を悲しむ家族に、自分が崖から突き落としたことを明かし「お前は鬼だ」と罵られる理恵。本当に額から鬼の角が生え、荒廃した羅刹国をさまようことになるとは。生きるための悪を書いたのが羅生門なら、本作はそれを前提とした悪意か恐怖、つまり悪の送り手か受け手か、世界の理のどちら側に傾くかの話だ。同士と思っていた芥川が母を殺していない事実に動揺した理恵が、「私に殺され、私を存えさせるのが、死者の宿命」と悟り、死後に小此木の研究材料(=養分)となるのが芥川の本望なのではと思い至る流れがよかった。
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いちろく
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やっぱり未完なのか……。叔父を殺した過去が16歳の少女の現実を蝕んでいく展開。読み進めるうちに、現実の出来事なのか? 夢なのか? 描かれている内容は信頼出来るのか?  と虚実混合の世界観に戸惑ってくる。著者が創る幻想的な世界観に少しずつ入り込めたと思った所で、了。この物語の続きが永遠に読めないことが、ただ悲しい。春日武彦氏の解説が、描かれなかった部分を含めて読解の補完になった。死後に、刊行されていなかった作品が単行本のカタチで日の目を見ている点でも、改めて著者の凄さを感じる。
混沌工房

試し読みしたら面白そうで…でも未完なんですよね…

08/25 19:07
いちろく

工房さん、そうなのですよ。真相は著者のみが知るところですが……。連作短編なのですが、それでも続きがありそうな所で終わっていました。

08/25 19:43
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くさてる
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高校生である主人公は4年前に叔父を殺した。そしていま、自分に角が生えてきていることに気づく。人を殺した人間にだけ生える角。そして彼女は夢の世界で鬼となり……という長編。独特の迫力とさすがのリーダビリティでぐいぐいと読まされたけど、まさか未完と思わず参ってしまった。春日武彦先生の解説が良かったです。
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そうたそ
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★★☆☆☆ 十二歳で叔父を殺した主人公。やがて自らの頭に"角"を感じるように。現実と夢の世界が交互に描かれる著者ならではの幻想文学だった。未完の作品であり、長らく連載が途絶えたままだったものが書籍化されたもの。まさに唯一無二の世界観ではあるが、話の筋を求めながら読むのは適していないかも。作品の雰囲気、著者の紡ぎ出す文章にどっぷりと浸かるにはうってつけ。それ故に、未完ということもそこまで気にはならなかったが、やはり結末は見たかったというのが正直な気持ち。
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takao
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ふむ
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がらくたどん
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ネタバレお名前は知れども実読は初めまして。新聞書評に惹かれて。追悼出版。「震災で精神を病んだ伯父を殺した事で鬼になった」少女が現の世界と羅刹の世界を行き来「する」物語。穏やかな日常が流れる現と恐怖と憎悪が殺戮を産む羅刹。繋がるはずのなかった二つの場所が複雑な感情の対象だった伯父の自死を止められなかった後悔によって少女の中で溶け合ってしまう物語を私も解説の春日武彦のように強い罪悪感がもたらす幻想として読んだのだが。作者が漏らしたという「ボスニアなんです」の言葉に当惑しつつ、恐怖と悪意の相乗効果に思いを巡らせている。
がらくたどん

にいたけさん、とんでもない!他の読書家様もご推薦ってことはそれだけ名作ってことですね♪『eleven』なら、それこそどこの図書館も所蔵している人気本なので探すのも楽ちん。ありがとうございます(*^^*)

08/15 10:37
がらくたどん

miraiさん、ありがとうございます。おお、「人形堂」はタイトルからしてそそられます♪探してみますね。そして『少年トレチア』、私20年前くらいの本を書庫で表紙だけ見た事があります。扉絵の少年の顔が邪悪そうで不気味で・・。いつかご感想が拝見できるのかな?津原さん、後を引きますね~(*´▽`*)

08/15 10:49
9件のコメントを全て見る
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あんこ
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12歳のときに叔父を殺した理恵は、4年経った現在、自分の額につのが生えているのが見えるが、他人には見えないらしい。同じ高校に通う芥川は理恵のつのに気づき接触してくる。鬼になって羅刹に落ちた理恵は、砂漠を彷徨い、力尽きた者の肉を貪る夢を見るようになる。この夢は芥川と共有されている。これ未完なんだなぁ。「罪の意識」がすべてを引き起こしてるようだけど、理恵の魂は最後に救われたんだろうか。
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えも
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亡くなってしまった作家、津原泰水が2000年頃に書いた作品が単行本化されたもの。新たな津原作品が読める幸せ▼ 12歳で叔父を殺した少女が中学生になり、夢で羅刹の国を彷徨う。現実では病院に通って薬を処方しつつ、人には見えない自身のツノを気にする暮らしを続ける。周りには時折ツノを持つ人が現れ、夢では彼らとともに沙漠を旅する▼作者はボスニアをイメージして書いたらしいが、そうした要素は感じられず、極めて幻視的で魂の奥を探るような作品であった。
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タコ星人
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ネタバレうわ、ここで終わりかっ!?と思わずのけぞりました。 羅刹国の出来事が強烈で、現実世界が薄ぼんやりで、全体的に白昼夢に浸っている感じ。 私は読者に解釈を委ねるタイプの小説は苦手なのですが、これは不思議と嫌ではない。むしろ好き。構想全体の終盤なのか中盤なのか、あるいは序盤なのかもわからないこの小説を、物語未満の存在と見なしているからかもしれない。われながらヒトの好みはわかりませんなぁ。 それにしても意図した終わり方なのかが気になるが、初出の出版社とはそれっきりのようなので、推して知るべしか?
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あいあい
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最も愛する幻想小説家の一人津原泰水の作品をまた読み終えてしまった。はたして少女は、羅刹国と現実世界とをほんとうに往還したのか。その額にはほんとうに角が生えたのか。そもそも彼女は叔父をほんとうに殺したのか。そんなことはどうでもいい。この静謐で巧緻で美しい文章をただただ味わえばいいではないか、僕は一文一文ゆっくりと舐めるように耽読した。読むという営為はそれだけでいいのではないか。至福の時だった。残り頁が減るのがなんとももったいなく感じられた。至福。津原泰水の文章をもっともっと読みたい。それは再読すればいい話。
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長尾
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津原泰美初読み。すごい小説家だとは耳に挟んだことがあるが、本作が未完とは思えぬ完成度だったので納得。体言止めが多めの文が美しくてうっとりした。
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ケロたん
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叔父を殺した少女に自分にしか見えない角が生えて… よくわかりません。
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まさ公
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未完ということだけれど、これだけでも読み応えあり。 文章がよみやすいし、世界観も好き。 もっといろいろ読みたかった。
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RIHON
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羅の戦士は、時の流れのない羅刹の国で、何も気に病むことなく前に進むしかない。″つの″を持つ仲間を引入れ戦い合う。現実、妄想、グレーゾーンをさまよう。拒食が、失うものは何も無い怖さを引き立てる。興味もない大学進学が絶たれる事で、生の選択に意味を成すのだと目が覚めたのだろう。″つの″も消え失せる日も近い。あらゆる要素を踏まえ考えさせられた。
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melonsoda
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羅刹国の沙漠にそのまま取り残されたかのような読後感。もっと「妖都」ばりに無茶苦茶やって翻弄してほしかった。
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nightowl
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現代社会と幻想の結び付きの巧みさや、もしかすると結果的に自分の精神を治癒するために書かれたもの?と思わせる部分など先の伸び代が感じられるだけに惜しい未完の一冊。作者なら現実的解釈に落とすより更なる幻想の扉を羽ばたかせていた筈。端正な文章の妙味を未読作でこれから味わうことが唯一の希望。
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夏野
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未完の幻想小説。幼少期に罪を犯した少女左右田理恵が主人公。理恵は精神科に通院しつつ、高校生として生活しているが、不可思議な夢の世界が、次第に日常へ浸食してくる。夢は現実と一部関わりがありつつも、全く別の原理で成り立つ異形の世界である。二つの世界で生きる理恵が、新たな道を見つけた余韻を残し物語はおわる。2022年に死去した著者が、どのような結末を想定していたかも知りたいが、これはこれで一つの終わりであるとも思える。春日武彦氏と北原尚彦氏の解説も読み応えあり。
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女神の巡礼者
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まったく意図したわけではないですが、小林泰三氏の『時空争奪』に続いて、若くして世を去った(しかも同じ58歳!)津原泰水氏の新刊を、内容も内容だけに複雑な思いで読みました。新刊ですが雑誌掲載は、津原泰水名義でのデビューから間もない2000年から2001年にかけてで初期作品の初単行本化になります。夢かうつつか心の病か、それとも死の向こうにある現実なのか。心に深い傷を抱えた少女の過酷な旅の意味するものは何か。私は津原氏のよい読者ではありませんでしたが、少し追ってみようかと思わされました。
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gero
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幻想小説;中二病;修羅道 サンキュー東京創元社。叔父を突き落とした女子高生の左右田理恵は角が生え、羅刹国に魂のありかを移してしまいます。地獄のような状況なのですが、主人公は不幸に耽溺している感じがして、妙に楽しそうです。構成要素だけは少女小説みたいな気もします。これを読むとペニスと妖都を読みたい欲が高まります。手元にあるのですがこれらを読むともう津原泰水の幻想小説は終わってしまいます。
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つっきー
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20年以上前に連載されていた未完の小説だという。 著者が亡くなって落ち着いた今、刊行された。 出来ることならご存命の内に続きを書き、完成させて欲しかった。 話は現実と夢の中を行き来する。 残酷で苦しい幻想部分が現実を侵食していくようで息苦しいのだが、なぜかそれが甘美に感じられもする。 巻末、北原尚彦さんの「津原国通信」がとても良かった。
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むらて
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殺人を犯したことにより堕ちた羅刹国、羅と刹の理。実はそれは他者の世迷言に影響された、己の幻覚/病いでしかなかったのではないか?と云う世界の足元が崩れんとするその様に、わたしは恐ろしさを感じました。解説の裏話によると、本作はボスニア内戦での虐殺が構想元であったとの由。実のない報道によって引き起こされた殺戮への怒りと恐怖が、換骨奪胎されてこの様な作品になったのかと思うと興味深いです。羅刹国はそれだけではないし、張られて回収されぬままの伏線もあるしですけれどね。怖さの元にはそれがあったのかとひとりごつ。
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きっしょう
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2000年頃に週刊誌に連載していた連作集。文体や描写は初期の津原泰水らしさに溢れている。著者のこの時期の作品が新たに読めるのは素直に嬉しい。子供の頃に叔父を殺した少女の夢と現実を行き来しながら描かれる世界は著者のある現実に対する問題意識から生まれた作品らしいと解説で明かされるため単純な幻想小説では無かったようだ。改めて再読したいところ。そして残念なことにその問題は姿を変えながら今も次々と続いている。
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アイリス⭐️
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まあそれなり。いかにもこの作者さんらしい作品。
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黒猫堂▽・w・▽
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津原さんが執筆中に亡くなられた遺作でだから未完なのかと思ったら2000年代初頭に書かれた作品らしい。連載が途絶して未完となったのか。不思議な肌触りのある文体で異様な、夢と現実のあわいを漂う物語が描かれる。物語中直接触れられていないが「業」がテーマなのか
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rosetta
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★★★‪☆‪☆不条理小説?幼い頃崖から叔父の背中を押して殺してしまった女子高生が自分の額に角が生えていると信じ、毎夜羅刹の国の夢を見る。2000年から2001年にかけて発表され、どうやら未完成。そんな小説が20年以上も経って今更出版されるのも大人の事情(笑)。解説によると作者にはボスニア内戦を告発するの意図もあったらしい。いずれにせよ読んでいて楽しかったかと聞かれると素直には頷けない本であった
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BECHA☆
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うーむ。私には難解であった。
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キウイ
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ネタバレ罪を犯したけどバレてないコトへの自責の念に駆られる主人公に、仲間面をしたヤツが接触。嬉々として会話してたけど、実は、ウソをつかれてた。厨二病かよ!
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かやは
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羅刹国と聞くと、Dir en greyの曲を思い出す。曲は2000年9月発表、小説の初出は2000年2月、何かつながる出来事があったのかな。 眠れない日常、薄ぼんやりとした意識の中で、地獄のような夢を見る少女。人は自身の認識で世界を作り、それを濃く腐らせ醸成してしまう。いつしか自分が作った世界こそ真実だと思い込む。 自分は対象年齢じゃないような気がする読み心地だった。
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ガットウ
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★★★★4.0点。津原泰水さんが22年に亡くなっていた事さえ知らなかった。ジャンルは幻想小説何だろうけど、文章も読みやすく楽しく読了!
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hanchyan@大丈夫大丈夫 立てなおそ立てなおそ
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5月の半ばに開いた本書。ようやく読み終わりました。過去の自らの振る舞いに『負い目』を自覚してるJkを主人公に据えた一人称の小説。読んでるとなんとなく、彼女の語りのベクトルは、ただ一人彼女自身に向かってるように思えてきて、置き去り感、というよりはむりろ(ひとつの作品に際しての)「仲間外れ感」が身に沁みる。キャラ立ちが売りのエンタメ群像劇とは、そのベクトルは真逆だ。「ひとつの個性に徹底的に寄り添うことが、受け手の存在に優先する小説」ていう意味では、町田康さんの「告白」に近いかもしれない(※当社比です)↓
maimai

小説を書いていると、書くのが辛い部分に差しかかることがあって、しかし小説世界を完成するためにはそこを書き切らないとならないこともわかっているので、辛かろうと苦しかろうと書くしかないと思って書く、というようなことを津原泰水はどこかで書いていたと思うのですが、どこで読んだのだか、ここ数日探しても見つからない。津原作品のある意味息苦しさのようなものから、僕が勝手に抱いた妄想かもしれない。で、『告白』にも確かにそういうところあるなぁと思いました。「一つの個性に徹底的に寄りそうことが受け手の存在に優先する小説」。

06/09 13:10
hanchyan@大丈夫大丈夫 立てなおそ立てなおそ

こんばんはmaimaiさん、コメントあざっす♪ 奇譚集だかバレエメカニックだか、読んだときに、あ、要するに我々読み手は津原泰水ていうボクサーの試合においてはリング外の観客なんだな、と思ったことがあって。その感覚が改めて甦ったもんだから。「くびきから解き放たれたのを思う存分味わうかのように」て北原さんの解説にもありましたし。

06/09 19:20
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ひびキング
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日常と非日常の境界が曖昧に、というのではなく。夢の話と分かっているので読む側としても切り替えはし易い。が、本当はどっちが夢なのか、実は逆じゃないのか?と行ったり来たり。俺はヒトか、それとも鬼か?氏の埋もれた作品が他にもあるのであれば発掘されて欲しい。解説、あとがきは蛇足でした。
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しゅー
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★★いかにもこの著者らしい濃密な作品世界に疲れてしまう。また私には「羅か刹か」(恐怖か悪意か)と言う二元論がぴんと来なかったので、雰囲気を楽しむ読み方に留まってしまった。読後に春日武彦氏の解説で本書に関する作者の意外な打ち明け話を知る。この情報が作品の読み方について根本から見直しを迫るような内容なのである。津原泰水と言うと浮世離れした耽美的な世界を描いている印象だったが、そんな問題意識を持っていたとは。一方で春日氏も言うように、その言葉に縛られて本作品を読むのも小説の読み方としては幅が狭いのかもしれない。
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美潮
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ネタバレこの状態で出版されることを著者が望んでいたのか、と考えると作中で死んだ後に日記を読まれる芥川を憂う理恵の描写に重ねてしまい何とも言えない気持ちになるのだが、読者としては読むことができて嬉しい。面白く読んだのだが、さてどんな話?と訊かれるとてんで答えられない(理解も咀嚼もできていない)気がする。父の再就職がつつがなく上手くいくことを願うが、その顛末を知ることは永遠にない。ああ、もっと読みたいなぁ。
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