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プロット・アゲンスト・アメリカ (集英社文庫)

感想・レビュー
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kuu
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ネタバレ歴史的なことはわからなく米国人にとってどれほどのインパクトがあるのかは全くわからない。主人公の家庭やコミュニティが周りから圧迫されていく恐怖は計り知れないものだろうと思った。
0255文字
おりこ
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ユダヤ嫌いのリンドバーグが大統領になった世界を幼いフィリップの視点で書いた小説。ユダヤ人迫害の気配から暴動、暗殺、生活の圧迫と世界は緊張が続くのだが、大人たちの世界を小学生のサイズで眺めるとこんなんだよなとフィリップが愛おしくなってくる。脱走場面やお母さんに守られるところなど細部まで書き込んであり溜息。「父の遺産」に登場した父親の若く精力的な様子や、家族を見守る母親の緊張感、広大なアメリカを病気の子を連れて車で走る場面や騎馬警官の様子など、隅々まで楽しめた。他のも読みたいなあ。
0255文字
わたなべよしお
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 残念ながら、あまりに面白くなく、半分くらいまで頑張りましたが、断念します。実に退屈だった。米国では評価の高い作品のようだけど、どうだろう?米国系ユダヤ人が読むと、リアリティに満ちていて、感じるところが多々あるのだろうか。私的には相当、我慢して読み続けたが、もう無理ですね。
0255文字
justdon'taskmewhatitwas
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ネタバレただただ困惑し不安に押し潰されていく幼い子供たちの言葉がせつない。そもそもマジョリティの利害が小勢の個人・家族・コミュニティに干渉介入してくること自体が不快だ。この小説は国家や民族とかいう大きな括りを鼻で笑っているように思う。小説内にも散見する民族受難の歴史は、今行っている空爆の免罪符には決してならないし、最後に当てになるのはイデオロギーではなく、母親の言う「まともな人」の「まともな感覚」だと思うから。
0255文字
with plants
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反ユダヤ主義者リンドバーグが大統領になったら…を描いたもしも小説。 実態があるのか無いのかわからない、連鎖的恐怖が続き、「終わらない恐怖」へ向かっていく。素敵だった日常は戻ってくるのか。 圧倒的リアリティに富んだ描写で、作内にのめり込みる読書体験。ずっしり重い読後感で今度色々な場面で思い出しそう。素晴らしい作品でした。
0255文字
コーチミン
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ベンゲルスドーフがロス家で食事する場面の肖像画の数々や学は無いけれどひたすら真面目に働いてきたヒィリップの父ハーマン。この時代を生きたユダヤ人を象徴する。「アンクル・サム」と「ユダヤ人」の間で木の葉のように翻弄されながらも生きた人々の確かな歴史の一断面。それにしてもノンポリ多き日本とは対照的政治への熱量に圧倒される
0255文字
isbm
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★★★☆
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春ドーナツ
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8年前に新潮文庫で読んだ「素晴らしいアメリカ野球」の無比の読後感の余韻は現在も色あせることなく、WEB本の雑誌の新刊コーナーで本書を見つけると、店を畳むけれど配達は続ける近所の村上書店に渡すメモに書き込んだ。英語が不得手な私はタイトルの意味が気になる。「アメリカに対する陰謀」。悲惨な話なのだけれど、第三者としてはおかしみを覚える場面が散りばめられている。7歳の少年が主人公ということも手伝ってディケンズを想起した。歴史改変ものを紐解くのは初めて。ただ巻末の資料に目を通すと、荒唐無稽なものではないことがわかる
0255文字
たー
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第2次大戦期のアメリカを舞台にした歴史改変小説。ルーズベルトを敗り大統領となったリンドバーグにより進められる反ユダヤ政策で崩壊する家族とコミュニティをロス少年の視点で描く。今アメリカで起こっている分断も構図としては似たような感じなのだろうかと思いながら読んだ。
0255文字
いっこ
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1940年のアメリカ大統領選挙、ヒトラーを支持する飛行家リンドバーグが、F・ルーズベルトを破って大統領に就任するという歴史改変小説。著者と同じ名前を持つフィリップ・ロス少年の目を通し、激変する社会が描かれる。リンドバーグがヒトラーを支持したのは、歴史改変ではなく真実のことであり、「アメリカを世界戦争に巻き込みたくない」という施策が訴求力を持ったのもありそうなこと。現実は今、私がみている世界だ。歴史の波にもまれ、少年の一言により友達の家族が不幸になる。少年の心の傷は、いつまでも残るのだろう。
0255文字
ふみ
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国全体の結果として、リンドバーグ政権は、ホロコーストのような残虐行為としてここまで大きく語り継がれるほどの迫害と認識されていない印象だった。ドイツ系アメリカ人が差別意識を剥き出しにしている訳でもないし、同化局の計画も「ものはいいよう」で、政策に納得したユダヤ人も少なくはなかった。ただ、ケンタッキーから戻って来たサンディの「ウィンナー食べた」発言だったりを聞くと、ユダヤ人を内側から蝕んで行こうとする政府の目論見が透けて見える。なんとも説明しようのないその暗さに、読んでいるこちらもじわじわと恐怖に襲われる。
0255文字
茶幸才斎
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1940年、民主党候補で現職のフランクリン・ローズヴェルトによる史上初の3選目はならず、共和党候補でナチスドイツを支持し欧州の戦争に不介入を表明するかつての空の英雄、チャールズ・A・リンドバーグが、アメリカ大統領に就任した。ニュージャージー州ニューアークのユダヤ人地区に暮らすフィリップ・ロス少年は、多感で繊細な眼差しで、父の苛立ちと母の動揺、兄やいとこの変質、そして次第に分断されゆく地域社会と近親者の悲哀を見つめる。あのとき、ドナルド・トランプが大統領にならなかったとして、今と何かが違っていたのだろうか。
0255文字
ぐうぐう
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1940年代は我々にとって歴史である。だがここは、三選を目指すローズヴェルトの対抗馬だったリンドバーグが大統領に選ばれた世界。親ナチで反ユダヤ思想を持ち、アメリカ主義を掲げるリンドバーグが大統領になったことで、アメリカは少しずつ、しかし確実に歴史から逸脱していく。21世紀を生きる読者である我々は歴史が味方をしてくれるので、容易にリンドバーグの政策に嫌悪と反感を抱くことができる。けれど、ユダヤ人の家族であるロス一家の父と母、長男や次男が分断されていくように、(つづく)
ぐうぐう

リンドバーグを安易に重ねるなと警告している。なるほど、確かにそうかもしれない。人々は何かと比べ、重ねることで簡単に評価をしてしまいがちだ(簡単に批判を、あるいは安心を抱きたいものなのだ、人は)。作中における、惑い、憂い、恐れ、悲しむ少年フィリップの痛く切実な眼差しは、まさしく渦中にいる者が放つ心細さであり、だからこそ我々の胸を抉っていく。もうひとつのアメリカ史を描く本作から我々が学ぶとすれば、歴史教科書には決して出てこない、フィリップ少年の眼差しから何を感じるかにあるはずだ。(つづく)

05/20 20:25
ぐうぐう

なぜなら、我々は歴史を振り返り未来を想うことはできても、結局のところ現在にしか生きられないからだ。ちなみに、読書と並行してドラマ版を観たのだが、原作の精神を誠実に汲み取った良質なドラマで感動させられた。

05/20 20:26
3件のコメントを全て見る
0255文字
fitzgerald12
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最高です。夢中になって読みました。フィリップ目線になりながら、様々な苦難を一緒に経験しているような気になりました。じんわり泣けてくる所もありました。この本の存在を知らなかった自分は一体今まで何をウカウカしていたのか…と思いました。巻末の資料も充実しています。
0255文字
CHACK
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恥ずかしながら、リンドバーグが反ユダヤ思想の持ち主であったことは知りませんでした(『オリエント急行の殺人』で、悲劇の飛行家であることは知っていた)。もしもその人がアメリカ合衆国大統領になったら、という現在の「もしトラ」みたいな世界線かと思って読み始めたら、主人公がフィリップ・ロス少年?!自伝?いやフィクションでしょ?訳者の「あとがき」によれば「ロス本」という著者が登場するシリーズがあるそうな。先に読んだ『オッペンハイマー』と時代が若干重なり、アメリカのユダヤ人という存在に思いを致すのであった。
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