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物理学の世紀 (講談社学術文庫 2819)

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うみ
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正に世紀(20世紀の100年)の物理学に言及している。ただし、物理学が解明してきた実績等々が主題では無く、社会、世情との関係から物理学そのものの位置付けの変遷を述べている。米ソ冷戦の終結は東西の世界的研究者の交流による物理学の発展ではなく、国家規模でなければ建設できない実験設備の予算が削られる等の現象が生じたことは歴史のダイナミズムを感じる。「湯川・ローレンス型」「アインシュタイン・ディラック型」という表現は初めて聞いた。全体的に興味深く読めた。
0255文字
horada
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***
0255文字
まーくん
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本書の原本は1999年刊、定年退官を控えた佐藤文隆京大教授が自身の研究生活を振り返りつつ20世紀の物理学の進展を語る。19世紀末、古典物理学には暗雲が立ち込めていた。理論では光はエーテルという媒質を介して伝播すると考えられていたが実験で検出できず。20世紀に入り原子やその核を支配する量子力学、空間と時間の関係を扱う特殊相対論、重力を説明する一般相対論が発表。エーテル仮説は不要となり、X線及び放射能が発見され、原子の崩壊が認められた。特殊相対論のE=mc↑2公式で膨大な核エネルギーの存在がわかった。→
まーくん

→原子の世界、量子力学の世界の始まり。その後二度の大戦を挟み膨張宇宙の発見、原爆開発、素粒子…。そして物質科学の拡大に伴い核磁気共鳴、トランジスタ、レーザー、アイソトープ…工学方面への応用。ビックバンなど宇宙論創成。物理帝国は多方面へ展開する。そして21世紀への課題として時間空間の量子論が挙げられている。現代物理学の確立の歴史が具体的出来事を挙げながら語られるので大変興味深い。(尤も後半、最新の研究課題の内容については自分にはチンプンカンプンでしたが…。)

07/04 22:32
0255文字
kentake
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20世紀に世界の物理学は大きく発展し、その成果が現代社会を大きく変えてきた。 本書では21世紀を大きく3期に分け、物理学が発展してきた歴史を、その時代に活躍した多くの科学者の経歴と共に記述している。量子力学の黎明期から、原爆開発やコンピュータ開発に至る経緯など、物理学の歴史の流れがわかり興味深い。個々の学問的成果に関する記述は、難解で分かりにくい点も多いが、核物理学に対する社会的認識が、原爆開発の前後で大きく異なるなど、物理学も歴史の流れの中で、変化を遂げてきた経緯が分かり面白い。
0255文字
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