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変質する平和主義 〈戦争の文化〉の思想と歴史を読み解く (朝日選書1042)

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ホシ
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1989年から現在まで3期に分けて日本人の「戦争と平和」観を論じます。1期はグローバル化に対する文化的反発から国民主体の内に閉じた平和主義。2期は戦争と平和の峻別が曖昧になる中で現実的・打算的・功利的な平和主義。3期はこれまでの生活保守主義的な考え方がより現実的な重要性を増し、政策の理由付けが後回しされる平和主義と私なりにまとめました。著者は日本の民主主義が戦争を選択する可能性があるとします。”自衛”のための戦争は既にコンプラがあるので「これは自衛だよ」と言い張って開戦。こんな世が来るのでしょうか?
ホシ

政治の動向を主軸に社会情勢や言論人の発言、サブカルチャー、そして宮崎アニメの表象論を交えつつ日本人の「平和と戦争」観が語られるので、やや内容が散漫な印象を受けました。ま、私の頭が足りなくて読解力がないだけの話ですが。世界情勢が緊張の度合いを増す一方の中、理想主義ではなく現実主義の平和論を語らざるを得ないのは仕方ないのかもしれません。でも、私は教育の業界に身を置く者として、ヒートアップする議論にブレーキを踏む役割をする者でありたいです。学生たちにもブレーキを踏む者であれと言いたい。

10/06 18:03
0255文字
Satsuki
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主に1989年以降の文化史か思想史か。九条の理想を掲げる昔ながらの戦後反戦・平和主義が、より現実主義的な平和主義に変質しているというのが著者の主張の核。その要因として、戦争体験の忘却、新自由主義、9.11後の米国の戦争への協力、東日本大震災等での「軍事的なもの」受容、更にはウクライナ戦争等を挙げる。著者は前者を無批判に肯定しないまでも、後者には明らかに批判的。本書では専ら日本国内の思想文化を論じ、世界的にはどうか、また安全保障環境がどうかという視点は薄い。もっともこれこそ著者が批判的な「現実主義」なのか。
0255文字
Oki
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自他の情況認識の変化に伴い、平和主義が変化していくのはしごく当然の事ではあると思う。 確かに戦前の日本は今のロシア・中国のようなところが少なからずあり,「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意する。」はそれなりの妥当性があった。
0255文字
[A lie]
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★★★★☆
0255文字
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