形式:新書
出版社:PHP研究所
形式:Kindle版
形式:その他
出版社:情報なし
東海系の文化が発展し各地に伝播していった時期は、巨大地震や寒冷化を伴う気候変動によって、地域の再編が起こり、新たなリーダーが誕生する時期と重なっていたこと。前方後円墳とは違う、前も後ろも四角形の前方後方墳が、この地域を中心に作られれていたこと、などだ。そして、出雲と対抗していた但馬・丹後の日本海地域も台頭し、近江や東海地域の勢力が手を組むことで、ヤマトの主導権を確立していったのだということなら、消し去られたのは「大丹後」も同様ではないか。
熱田神宮への記述は中盤以降からは全く触れられず、ひたすら氏の私見の大披露ということに。それはそれで一粒で二度美味しいとなって、近著の作品の要約がまとめて詰め込まれているため、全体像が一望のもとに見渡せる。それでもさすがに詰め込みすぎな気がしないでもないが。尾張氏の正体を探るなら、ヤマト政体の正体も合わせて解明されねばならないというのもわからなくはないが、最初の謎の答え合わせが不十分に終わった気がしてならない。尾張氏側が草薙剣をどう位置つげて、守り祀ってきたのかくらいは記すべきだったのではないか。
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