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私の盲端 (朝日文庫)

感想・レビュー
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ほー
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朝比奈先生の文章や物事を見る視点が好きだなと思いました。先生の作品を読むと、どうしても己の無知や人生の経験の少なさを気付かされ、恥ずかしくなり、同時に勉強にもなります。まさに読書して知識を得るとはこういうことだな、と。人工肛門をテーマにした表題作に特に好き。しっとりとした、居酒屋の匂いまでしそうな描写に内心拍手した。排泄物にどうしても抵抗感があるのだが、この作品を読んでていくうちに次第にその抵抗感が少しずつ消えていったように感じた
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鉄之助
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2024年上半期の芥川賞を獲った『サンショウウオの四十九日』朝比奈秋のデビュー作が気になって、手に取った。医師でもある朝比奈は、青森県のへき地医療に携わった経験から「塩の道」を書いて、いきなり林芙美子文学賞を受賞。その作品が昔から読みたくて仕方なかった。が、標題作「私の盲端」が予想を上回る衝撃作で心ふるえた。オストメイト=人工肛門の女性が主人公。同病同士の繋がり、SNSチャットグループ、その名も「秘密の穴」での書き込みに本音が溢れていた。生きものの必然である、排泄への嫌悪感がなくなった。
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すみれ
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すらすら読めず、ひっかかりながらなんとか。描いている世界が生々しくてうっと息苦しくなる場面が多かった。読みながら体のあちこちに拒否反応あった。そんな中に生きるとか死ぬとかこんなことかもと共感するところも確かにあった。
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バーニング
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ある日、病院で目が覚めたら人工肛門を装着することになった女子大生の涼子(「私の盲端」)と、福岡の天神近くで働いていたが気づいたら吹雪が吹いている青森の寒村診療所で働くことになった医師の伸夫(「塩の道」)は、急な環境の変化をどのように受け止めて(拒否感も示しつつ)、そして乗りこなしていくのかを書いた小説だ、という点ですごくよく似ている。患者と医師、視点が真逆にも関わらずよく似た小説として読める。そしてどちらの小説も、描写が細かい。そこをそんなに詳しく、というほど執念深く描写しているのもこの二つの小説の魅力。
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さかな
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ネタバレ植物少女を読んで他の作品も読みたくなったので選びました🌹『私の盲端』は衝撃の連続で、夢中になってしまいました。面白かったのでまた読もうかな💭『塩の道』はお医者さん側を覗かせてもらって...少し怖かったです😭
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冬藤
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はじめはギョッとする始まりで、しかしながらどのような話なのかとても気になった。オストメイトのトイレは存在は知っていたけれど、どのような人がどのように使うのか知らなかった。そしてそれを使う人たちの世界も通常の人たちの世界も同時に存在して共に生きること、それぞれの立場の中でも弱さと強さ、階級などが入れ混じり複雑な感情が行き交うこと、とても良く描かれていた。排泄に関する話だが、神聖に感じさせる、美しさもあった。
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り
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ネタバレ「塩の道」祖母が話すような、津軽弁が小説で聞けて、とても懐かしい気持ちになり、帰りたいなと思った。病院で最期を迎える所と対照的に、最期まで家で看取るという地域ならではの終活の違いに考えさせられた。3世代住宅でしかなし得ない後者の終活は、現代において珍しいものとなっていると思う。
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たっきー
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タイトル作と「塩の道」(第7回林芙美子文学賞受賞作)を収録。タイトル作は、人工肛門になった大学生・涼子が主人公。のっけから便やストーマの描写が出てきて、驚く。これほど人工肛門やストーマの描写がされている文学作品は読んたことがなかった。生々しい身体感覚が迫ってくる作品。解説の井上荒野氏の文章も好き。
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mamaichi
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☆3.5
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Dヨッシー
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自分が全く考えてこなかった世界・生。オストメイトについてほとんど知らず、最初は想像することに苦労しました。徐々に情景が浮かぶようになり、周りの目を気にしながら生きることの苦しさや閉す心情が伝わってきました。読んでいて、不思議な感覚がありましたが、解説を読み、納得しました。感性がスッと入ってきたんですね。じっくり噛み砕き、もう一度この世界に触れたいです。
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c o
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https://book.asahi.com/article/15457308 このインタビューで作者に興味が湧いて読んでみた。 表題作の「私の盲端」を読み終えて思うのは、なんというか村上龍的な生々しさ。面白いんだと思うけれど、読んでいてしんどい。ストーマの方の日常生活がわかるのはよかったが、主人公のアルバイト先飲食店の様子等、リアリティに疑問符が浮かぶ場面も少なくなかった。(私が世間を知らないだけかもしれない。)
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水さん
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知らなかった生活でした。医療が進歩しても心は時代ほどには進まない。
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夜長月🌙@読書会10周年
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デビュー作「塩の道」に加えて表題作の「私の盲端」が収められています。大学生の涼子は科学館につながる道で大便をもらしてしまいます。それも「丸々一本」。朝比奈さんは医師であり医学的な小説を書きますが実に文学的です。医師の書く医学小説の範疇を大きく飛び抜けた作品に魅了されました。
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syk
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テーマはとても面白そうなんだけど、私にはあまり合わなかった。バイトメンバーの下品さが気になり、京平の行動が気になり、それをすんなりうけいれる涼子が気になり。イマイチ物語に集中できなかった。塩の道も同じくテーマは興味あるのに、人物が全然覚えられなくてこっちも集中できず……
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Porlock Gardens
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医師でないと書けない本であり、かつ、これまでの医師もの(?)とは一線を画す作品。
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s.takmts
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清潔な世界のどこかには、洗っても洗っても落ちないしみのような現実や感情が存在している。それを次々と写真で見せられていくような感覚は、少しだけ嫌悪を感じながらどこか安心感もあった。表題作は視覚だけでなく、生々しい感触がすることもしばしば。将来への希望に溢れているようでもあり、やがて終わりを迎える命に諦念を抱いてもいるようでもあり、でもそれ以上に、今を生きていることに対する凄まじいまでのエネルギーを感じた物語2篇でした。
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Sprechchor
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ネタバレ【私の盲端】 まずオストメイトや人工肛門について不勉強だっため、それを知ることができただけでも勉強になったと思う。見えづらいが身近にある障がいという認識をしているが、物語の途中で心臓を補助する機械だろうか?それを持つ登場人物が倒れたが救急車を呼ばなかったシーンが印象に残った。障がいを持つ人への不適切なイメージや対応を表していると思われるが、オストメイトもその障がいを打ち明けたらこのように偏見や差別を受けたりしてしまうのかどうか…ということを示しているのかなと思った。
Sprechchor

簡単には取り扱えないテーマだが、自身への体の動きや扱い方を意識する契機となった。

10/05 15:07
Sprechchor

【塩の道】終末医療や僻地医療をテーマとした作品。長い間仕事の中で死に触れることで、死に対して何も感じなくなってしまうという怖さが印象に残った。また、脂肪が確定していると、死が事務的に処理されてしまう描写をみて現実でもこのような気持ちになってしまう人がいると思うと、人の死についてどこまで関心が薄くなってしまうのだろうか。孤独死等もあり、関心が薄くなるのはすでに起こり始めてるのかもしれないなどと考えてしまった。

10/21 10:18
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夜空のパンケーキ
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「私の盲端」・・人工肛門で生活する若い女性の物語。 なかなか斬新で実際に会ったことはないが、本で書かれているよいな大変さは垣間見れた。 バイト先の話などリアリティを感じる面もあった。 「塩の道」・・漁師町の医師問題について。 ちょっと話にはついていけなかった気がする。
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豚肉
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開始3行でコウンが出てきてまずビックリ。読み応えはあったのですが、無知なためにコウンネタが咀嚼しきれなかったのと、部屋でのウォッカの件の状況がイメージ出来なくて、「急アルになるんじゃないの?」と余計なところに気がいって、気づいたら終わってた感じでした。「塩の道」は、外様にとっての地方のメンタル的厳しさが沁みます。
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p-man
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ネタバレ2編集録。「私の盲端」内に閉じ込められ、密やかに処理されてきたもの。それが、自己の意識とは無関係に排出される。その時、人はどのように振る舞うのか。筆者は一般的に醜とされる物を女子大生にまとわせて、飲食店でのバイト仲間との接点や同じ境遇(人工肛門)の京平との出会いによってその身に起こった事実を受け入れさせている。筆者が医者ならではの発想だと思う。「塩の道」終末期医療や僻地医療が描かれているのだが、とても生々しかった。
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なつみ
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★3
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ともこま
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ネタバレ芥川賞受賞作家の初期の作品。「私の盲端」は、人工肛門、オストメイト、ストーマなど、私自身知らなかった事がまだまだ沢山あることに気付かされた。何かの病気にかかるまで、なかなか身体のことを深く考える機会はないけれど、いざ病気になると日々そのことに振り回され悩まされたりする。そして生きていく中で[内臓を忘れて生きていくことなどできない]と知る。併録された「塩の道」は生死に触れる医師の話で、淡々としつつも動き続けていく。どちらも引き込まれて面白かった。
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coldsurgeon
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オストメイトとなった若い女性の視点で、オストメイトとして生きていく身体感覚を描き切る表題作は、圧倒される。外科医として多くの人工肛門を造設してきた私から見ても、その感覚表現のすごさに驚く。ストマと旧肛門および直腸の艶めかしいが印象的。もう一つの「塩の道」都会の看取り病院から青森の僻村の診療所に移った元外科医の突かれた心と身体がにじみ出るような描写をされて、死病の患者たちの生と死が、混然となって描かれる。医師としての感覚がにじみ出た作品だ。
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とも
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大腸がんの手術により、⁡人工肛門を抱えることになった女子大生の物語。どんな熱さも、どんな甘みも、どんな苦味も、喉元を過ぎて大腸を滑り、肛門を出れば全て一緒だ。出口を閉じられ、別の穴から飛び出る便は、私の苦しみに似ていた。若くして障害を抱えることになった彼女の新たな出口を見出すような物語だった。途中のバイトメンバーとのやりとりや、京介との人工肛門の触れ合いは読んでいてドキドキした。
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佐屋
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盲端:内臓器官で一方の端が閉じている管(盲管)において、その閉じた端のこと。生きている限り食べずにはおれず、食べる限り排泄せずにはおれない。その、普段見向きもしない事実によって自身の肉体が保たれていること、それが「人工肛門」という「異物」によって露わになる。便が無意識に垂れ流される羞恥と戸惑い、あまりの生々しさに幾度となく怯むのだが、作者の筆致はその感覚を過度に煽らない。寧ろ淡々としている。元を辿れば食べ物であるのに、それを汚く隠すべきものと思うのは何故なんだろうな。自身の中にある境界を思うよ。
0255文字
でばでばねずみ
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朝比奈作品の、読者の感情を強要しないところに魅力を感じる。稀有な運命に遭いながら主人公は決して悲劇的ではなく、物語も感動的ではない。その中で感じられる生の感覚は唯一無二なものである。
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