形式:ライトノベル
出版社:笠倉出版社
ヒーロー、ヒロインのキャラクターが素晴らしかったと思う。いつの間にか暴君皇帝を手のひらで転がすヒロインはもちろん、暴君から段々と大型ワンコ化して可愛くなっていくヒーローの変化も、彼の生い立ちを知り、素直にヒロインに会えて良かったねぇと思えた。読み始めにはまさかあの暴君皇帝が身重の妻を心配するあまりあんな事になるとは思わなかったわ(*^^*)この年の瀬にこんなに読後感のいい作品に出会えて嬉しい。お気に入り決定。
ヒロインに対しては大型ワンコのようなヒーロー。育ってきた異常な環境により暴君になってしまった彼がヒロインと出会えたことで人を愛する気持ちが芽生え幸せになれて良かった。楽しく読了。
とても好き。執筆のために周辺各国の文化や政治について調べたり取材に行ったりした関係で皇后になっても遜色のない知識と人脈が十分に備わっていた、という要素もそれほど無理なく読める設定で良かった。情緒が育ってなかった暴君皇帝が、テンプレ的に自分の感情に気付かないとかじゃなくて、その逆で、「この気持ちはロマンス小説あるあるの恋では!?」って気付くのに、エリスに「それは執着です」って否定されて、一応受け入れるけどやっぱり納得いかない……ってなってるの面白すぎた。いやぁ、好きだわ。
それはさながら、大型のワンコを彷彿とさせて、彼女と出会うまでは恐怖政治を布いてきたことなど微塵も感じさせないほっこり具合。主人公の方も、顔の良い彼に創作意欲を刺激されて、彼のことなどお構いなしに創作活動に打ち込む姿も良かった。おもしれー女と様子のおかしいイケメンのカップル、大好物なんですわ。で、二人の交流が増えていくなかで、自然に相手への好意を抱くようになって、でも主人公に踏ん切りがつかなくて両片思いみたいな関係になっていくのも、また良い。
終盤に起こったトラブルを解決するために、主人公が覚悟を完了させて、心地よいだけの関係から一線を自ら超えたのも素晴らしい。彼は彼女じゃなきゃダメだし、彼女もまた彼でないとダメなのが感じられるお話だった。大満足。
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