形式:単行本
出版社:早川書房
フェローシップ岬をワバナキ族に譲渡した理由を、「彼らはフェローシップ岬に属しており、彼らと土地は一つだから」とアグネスは言う。「私はフェローシップ岬に属していない」とも。この概念は本書でも言及のあるE.M.フォースターの『ハワーズエンド』を思い出させる。田舎の家ハワーズエンドを、ウィルコックス夫人が赤の他人であるマーガレットに遺贈したのは、「土地の霊」を感じる同じ魂の持ち主だと思ったからだった。本書には他にも多数の文学作品が登場するので、これらの作品に目を向けると、また別の読み方ができるのかもしれない。
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