読書メーター KADOKAWA Group

感想・レビュー
5

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
PORTA  P51
新着
"わたしはある人を愛した" いとしい友よ、あなたはついに悟ったのだろうか。それが誰のことだったのかを / あなたが地所と呼ぶものは何か?それが土地であるはずはない。なぜなら、大地はわれわれの母であり、彼女の子どもや獣、鳥、魚、そしてあらゆる人間を養っているからだ。大地の上にある森や小川、すべては全生物のものであり、誰もが利用できるものである。それなのに、一人の人間が大地を自分だけのものだと主張できるはずがあろうか? / 自分を映す最高の鏡は古くからの友である。
0255文字
ルトピエ
新着
ネタバレ独身小説家と専業主婦。対照的な人生を歩んだ幼馴染の二人の老女の物語。自然保護、階級、信仰、ジェンダー、恋愛と結婚、友情、家族との確執、介護、老いそして死と、さまざまなテーマがてんこ盛りだが、特筆すべきはやはり土地所有の問題だろう。「涙の旅路」に代表される強制移住で故郷を失ったネイティブ・アメリカンには土地所有の概念がなく、白人たちが自分たちと同様に自然を尊ぶことを願った。物語の最後、フェローシップ岬はワバナキ族に譲渡される。黒人奴隷の歴史と共に、強制移住の歴史はアメリカ人の心に刺さった棘なのかもしれない。
ルトピエ

フェローシップ岬をワバナキ族に譲渡した理由を、「彼らはフェローシップ岬に属しており、彼らと土地は一つだから」とアグネスは言う。「私はフェローシップ岬に属していない」とも。この概念は本書でも言及のあるE.M.フォースターの『ハワーズエンド』を思い出させる。田舎の家ハワーズエンドを、ウィルコックス夫人が赤の他人であるマーガレットに遺贈したのは、「土地の霊」を感じる同じ魂の持ち主だと思ったからだった。本書には他にも多数の文学作品が登場するので、これらの作品に目を向けると、また別の読み方ができるのかもしれない。

02/05 10:46
0255文字
naff1968
新着
ネタバレこの厚さの本を読み始めるのには、いつも勇気と覚悟が必要ですが、前半のもどかしさと本自体の重さに何度も挫けそうになりました。しかしモードが登場した中盤以降物語が動き始め、後半戦はあっという間、ラストのアグネスの思いにたどり着くまでに必要な長さだったんだと納得です。ジェンダー、宗教、そして現在の世界情勢につながる“土地“の問題にまで踏み込む素晴らしい作品。感服です。
0255文字
starbro
新着
全米ベストセラー小説ということで読みました。 作家と、その親友の80年に渡る物語、読み応えはありますが、現代のアメリカでウケる要素があるかは疑問です。 作中作<ナンのおしごと>シリーズは、読んでみたいです。 https://www.hayakawabooks.com/n/n7fd5e7bfc74b
0255文字
石
新着
700ページ超えの長丁場だが、それに必然性を感じる物語の密度がある 歯がゆいそれぞれの複雑な愛情 でもしょうがないよね、理性ではどうにもならないよ人間の感情は  主人公ふたりの80歳という年齢は、それに否が応でも説得力をもたらす
0255文字
全5件中 1-5 件を表示

この本を登録した読書家

フェローシップ岬評価91感想・レビュー5