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寒さ: 一つの隔離

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wassermusik
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自伝5部作の一つで、18才から結核収容所に長期隔離された時期の回想。作家50才で刊行。公立施設での絶望的状況に苦悩する少年の孤立感と組織への抵抗が激しく描かれ、苦しい読書だった。「肺にいわゆる影が見つかったとき、私の存在にもまた影が落ちた」…始まりから結末まで息を詰めて隔離状態に同化し、時期的に寒さにも苛まれ疲れたが、作家の強靭な筆力に感銘を受けた。主人公の生命力と精神力の躍動に励まされた。自分の経験に比べるべくもないが、若い時味わった圧力や孤立感を思い出し、よく生き延びたという感慨を抱いた。1981年。
wassermusik

トーマス・ベルンハルト(1931〜1989)自伝五部作①原因:一つの示唆(1975)②地下:ある逃亡(1976)③息:一つの決断(1978)④寒さ:一つの隔離(1981)⑤ある子供(1982)

02/11 10:39
0255文字
yt
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冒頭の痰工場っぷりに爆笑
0255文字
三月うさぎ(兄)
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確かに、帯にあるように、結核療養所で死にそうな目にあったり、死人を見送ったり、母親が死んだり、「死と絶望ばかりを目にし」てますけどね、腹に穴あけて空気を入れて結核の病巣部を小さくする人工気胸の当時の最新版「気腹」をやったことのない医師に、ベルンハルト自身が、「思い切って僕の上にあなたの全体重を乗せ、お腹を覆っている肉に針を刺してください」と指示して、何度も針を刺され、激痛に叫ぶとか、もう爆笑ものですが、こう書くと、なんか悲惨そのものだけど、読めば、どうしても笑ってしまうということが納得できると思うので!
0255文字
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