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家庭の教科書 CHECK&ATTACK 国語2

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どんな企図で誰を対象に作られたのかよく判らないが、図鑑のような大きな装丁で小学3・4年の国語の「教科書に沿った内容」が「まとめてあ」る。作品は教科書に載ったそのままの形で収録されており、私が学んだ新美南吉『ごんぎつね』、同『手ぶくろを買いに』、あまんきみこ『白いぼうし』、詩では草野心平『春の歌』、三好達治『土』を読み返した。他にも学んだらしい作品は読んだ。また学んではいないが黒柳徹子「畑の先生」(『窓ぎわのトットちゃん』より)、今西祐行『一つの花』も読んだ。19歳の時に『ごんぎつね』を書き30歳で夭折した
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新美南吉は、幻影を膨らましていた。星新一や手塚治虫への印象と似ている。通例の読書で感じる世評が無理やり作られた感じ、粗さを感じる。余計なものがある。逆にあまんきみこの力量の高さに感服した。構成力が高く余計なものがない。「これは、レモンのにおいですか。」という出だしには尋常ならざる才覚が窺える。今西祐行『一つの花』は余韻、余白の芸術である。「……でしょうか。」という語り口がほのかな幻燈のような感覚を醸し出す。読売新聞大阪社会部『中国侵略』で言及されたように、これが自民党系クズ勢力によって削除されたのである。

01/14 16:48
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逆にクズどもは洗脳に長けているだけに、余韻の刻印するインパクトの怖さを見抜いたのだろう。検閲をすり抜けさせ余白に込める思いは『ごんぎつね』にも。「おれがくりやまつたけを持っていってやるのに、そのおれにはお礼を言わないで、神様にお礼を言うんじゃあ、おれは引き合わないなあ」。吉野源三郎『君たちはどう生きるか』を想起させる。新美南吉は思想の面では若くして完成しており、『手ぶくろを買いに』では恐れていた人間が望外にも子ぎつねに手袋を売ってくれても〝人間っていいな〟ではなく「本当に人間は、いいものかしら。」と結ぶ。

01/14 17:05
0255文字
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