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平清盛: 「武家の世」を切り開いた政治家 (日本史リブレット人 25)

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綾
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NHKオンデマンドで大河ドラマ『平清盛』の配信が始まったし、来年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の予習も兼ねて。長く日本史上の悪役として評価され続けた平清盛。「悪役」の評価にふさわしい「奢り高ぶる権勢者」としての清盛像は、そのほとんどが最晩年の行動に起因する。『平家物語』の語る清盛のイメージは、平家一門を破滅に追いやった新たな政権の担い手たちが、みずからの権力の正統性を主張するために創り出した。「武家政権の創始者」としての平清盛がいたからこそ、後の鎌倉幕府や室町幕府があると言える。
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かずー
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清盛の悪役イメージが定着してしまった理由として、①天皇家(特に後白河法皇)、②摂関家、③仏教勢力、④源氏(義朝・頼朝父子ら)、といった諸勢力との対立を指摘する。その上で、彼の人生を概観しながら、諸勢力との緊張・対立関係は恒常的なものではなかったと指摘する。①③に対しては、晩年を除いて協調的・融和的であったことを指摘する。②については、強硬な態度を取ったのは実は重盛であったとする。④については、確かに義朝・頼朝らとは敵対したが、源平のバランスを取るために頼政の昇進を図った点に言及する。
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カラス
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割と面白かった。清盛に関する知識はほとんどなく、火の鳥乱世編のハゲのビジュアルイメージくらいしかなかったけれど、この本のおかげで清盛に対する認識が少しだけ深まったと思う。清盛が、板ばさみとなったおかけで中間管理職めいた苦労をしていたというのは意外、もっと独裁者的なイメージがあったので。また、鹿ヶ谷の陰謀に対して、清盛のでっち上げとする著者の解釈も非常に印象に残った。もっとも、この解釈にはあまり賛成できない。なぜなら、もしそうなら、いくら何でも粗雑すぎるからだ。
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tesenaha
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ネタバレ清盛は、めちゃくちゃ悪い人だと思っていたけど違った。気配りの人だ。後白河上皇と二条天皇がどちらも存命の時には、どちらにも気を使う。三十三間堂は、清盛が後白河上皇のために作ったのか。これは、知らなかった。 権力を維持するのは大変だ。そのことを教えてくれる一冊。
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hr
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読了。歴史における平清盛は、天皇家を蔑ろにする「朝敵」のイメージや、延暦寺や南都に対する態度などから「仏敵」のイメージを付与されてきた。それは、平氏の政権後に成立した征夷大将軍を頂点とする幕府体制が長期間続いてきたからで、幕府体制を是とするための存在として平清盛はすこぶる使いやすかった。幕府の存在意義の説明のために、必要以上に貶められた扱いを受けた清盛だった。それでも最近の大河ドラマで清盛を演じた渡哲也や松山ケンイチは、新しい清盛像を見せてくれている。それは本書のような研究がもたらしたものなのだろう。
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うしうし
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著者の他の著作を図書館で検索していたら、この本もヒットしたため県図書本を借り読み。このシリーズは活字が大きいことや装丁の関係から本の重量が軽く、ページ数も90頁前後であるため大変読みやすい。内容は近年の清盛研究を最大公約数的にまとめた無難な概説。2011年の出版で、悪くいえば2012年大河ドラマの便乗本のひとつであろうが、近年の研究の到達点が平易な言葉で記述されている。気になったところを以下列挙する。
うしうし

*藤原経宗の召還に関して、清盛が「朝廷政治一般の分野で大きな存在感を示すようになった」(p039~040)としているのは、川合康氏の批判がある(川合2014「平清盛」『保元・平治の乱と平氏の栄華 (中世の人物 京・鎌倉の時代編)』) *清盛の太政大臣昇進が「単なる権威ではなく、政治的権限に相応する実質的な意味をもった」(p047)とするのは、いわゆる教科書的な評価で、近年の一般的な研究の評価とは異なる。

06/14 09:17
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平清盛: 「武家の世」を切り開いた政治家 (日本史リブレット人 25)評価48感想・レビュー6