形式:単行本
出版社:福音館書店
形式:ペーパーバック
2/3) ▼TN君は,名前を聞けば誰でも知っている日本の社会思想家.しかし著者は,敢えてTN君の名を明かさない.というのは: 名前を聞き顔を見ると,その人間のことが分かったような気がする.しかし,実は何もわかっていない.名前を聞いて知ってる気にならず,ある一人の日本人が,ある時代をどんなふうに生きたかを知ってほしいから,と(pp.11--12 要旨).その言葉通り,明治という時代とその時代を生きた知的に誠実なある人物への優れた案内書にもなっていると思った.
3/3) ▼高校の頃,この著者の『権威と権力: いうことをきかせる原理・きく原理』という本の題名を見て,ああ,そういうことかと,頭の中がすっきりしたような気がしたことがあります.でも,その本は読まず(^^;),それ以来,気になっていた著者です.本書も,書名は知っていましたが,読友さんにTN君の正体を教えてもらって初めて読みました.今日の問題を考える手掛かりになる話も多く,もっと早く読まなかったことが悔やまれます.平明な文章ですが著者の熱気が感じられ,特に若い読友さんに強く勧めたい本です.
つぶやきって,見えなくなるけど残っているみたいですね.リンク保存しておけば,すくなくとも5年前のを今でも見ることができるみたいで.
棕櫚木さん、現状5年大丈夫なんですね!、うんうん…なんだかそんな気がしていました、きっとこのサイトが消えるか システムを大幅にいじるまでは、イケそうですね👍(笑)
たかめなければならないと言っている。自由民権派を大同団結させることだ。TN君にとって、あまりあてにならない未来の代議士よりも、めざめた民衆だけが頼りだった。
初版当時、小学五年生で読んだ時は、よくわかりませんでしたが、中学、高校、そして大人になった時に読み直しをして、少しずつわかってくると、自分が成長したなと感じることができました。なによりも、なだ先生のあとがき読んで、先生がおっしゃっている通りのことを今の自分がやっていて、なだ先生のマジックに完全にはまっていたことに気づきました。
どんなときでも、流れを変えるのは、中途半端な連中のねがえりなのさ。わしがやっても、だれもあたりまえとしか思わない。彼がやれば、あの彼までが、と十倍の人の目をひく。つまりは、十倍の役を果たすことになる。それを、あいつなんかに手を借りんでも、などと思うのは、十倍の味方を失うことになるのさ。(259ページ)
運動が成功するかしないかは、これから、それぞれにわかれていくものが、今のいま、どのような一致点を見つけだせるかにかかっているんだよ。(283ページ)
【メモ】東島誠『〈つながり〉の精神史』を読んで中江兆民に興味がわいたので。大人なら吉川弘文館の人物叢書を読むべきかもしれないけど、なんか面白そうだったのでこちらの児童書を読んでみた。兆民の頭のよさと畸人ぶりが痛快な歴史小説。その時代の人物の動向、維新から国会開設に至るまでの道筋もわかりやすかった。ただ著者は自分と同じフランス帰りということで兆民に自分を重ねているきらいがある。理想化の度合いが気になる。自由民権運動において人に思想を伝える、人と人とを結ぶ媒介者たらんとした兆民。なんとなくヘルメスのイメージ。
希望がまだかろうじて希望としてちゃんとあった時代に書かれた伝記だなという印象がたまに頭の隅によぎった。
そうなんですか。知りませんでした。そういえばそんな詩をかいていましたっけ
おれの哀れな心臓が船尾で反吐を吐く。。。美少年で御釜を掘られたのではと粟津則雄が解説してました
拙ブログにて、「なだいなだ 『 TN君の伝記 』」 というタイトルでアップしました。 http://blog.goo.ne.jp/fuiriyamabuki/e/e5c6f3fd44f4de04d7d588f257ad2dbe
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