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TN君の伝記 (福音館文庫 ノンフィクション)

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Squirrel
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TN君の名はここでは明かさないが、明治前半を中心とした時代背景の中で、当時の名だたる面々がたくさん出て来る内容に、全くその時代のことがわからない自分には一度読んだだけでは十分に知り得たことにはならず、TN君のざっくりとしたその人となりを知ることになったのみであった。そして、彼が北海道にもゆかりがあったとは全く知らなかった。ふりがな付きのわかりやすい文章で、とても読みやすかったです。2024くもんのすいせん図書より
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棕櫚木庵
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1/3) 藤村『夜明け前』や松本侑子『神と語って夢ならず』(「隠岐騒動」)を読んで,明治維新の「裏切られた革命」という面を強く感じたが,本書は,その裏切られた人々を「見まもりながら生きた人」として,「TN君」の生涯を描いた伝記.TN君は学者としての立場を守り,政略的配慮などはせずに真理を真理だと言い続けたという.それだけに,金のために節を曲げる仲間のためにと,晩年近く事業に手を出して失敗する姿は痛ましい.「自分の挫折の一生にたいする答」として『続一年有半』を残し,幸徳秋水に夢をつないで生涯を閉じた,と.
棕櫚木庵

2/3) ▼TN君は,名前を聞けば誰でも知っている日本の社会思想家.しかし著者は,敢えてTN君の名を明かさない.というのは: 名前を聞き顔を見ると,その人間のことが分かったような気がする.しかし,実は何もわかっていない.名前を聞いて知ってる気にならず,ある一人の日本人が,ある時代をどんなふうに生きたかを知ってほしいから,と(pp.11--12 要旨).その言葉通り,明治という時代とその時代を生きた知的に誠実なある人物への優れた案内書にもなっていると思った.

01/29 17:01
棕櫚木庵

3/3) ▼高校の頃,この著者の『権威と権力: いうことをきかせる原理・きく原理』という本の題名を見て,ああ,そういうことかと,頭の中がすっきりしたような気がしたことがあります.でも,その本は読まず(^^;),それ以来,気になっていた著者です.本書も,書名は知っていましたが,読友さんにTN君の正体を教えてもらって初めて読みました.今日の問題を考える手掛かりになる話も多く,もっと早く読まなかったことが悔やまれます.平明な文章ですが著者の熱気が感じられ,特に若い読友さんに強く勧めたい本です.

01/29 17:02
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wa
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ネタバレ明治時代、TN君はルソーの「社会契約論」を日本に広める。やりたい放題の権力者に、抑圧された国民は自由を求める。政府は言論弾圧、不当逮捕による拷問や投獄などを繰り返す。己の権力のために国民の権利を外国に安売りしようとまでする。伊藤博文、こんな人がお札になったとは…。政治家は権力のために国民を当然に犠牲にし、かつてTN君と共に自由を求めた同志は、やがて金で買収され帝国主義のあやつり人形に。日本国民はおっちょこちょいで、政府の甘言に早とちりしてぬか喜びし、裏切られる。現代に読んでなお考えさせられる一冊でした。
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lila
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これは久しぶりに個人的100名著に追加する1冊です。 お恥ずかしながらTN君が誰か分からないまま読み終わり、カンニングして知りました。 なるほど最後の挿絵!! 名前のない偉人として伝記とした手法がさすがすぎるのと、名前を隠すことになんら違和感を感じない生き様にただただ感嘆。 これほど未来を見通せることは幸か不幸か…その能力を持ちながら未来に向かう力を支えられる姿に胸打たれます。 この本を理解できる小学生高学年に敬意を込めて。
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kaho
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ルソーの求めた自由を イマココ として考えたい…の処で、なだいなだ先生の名著にも助けて頂く。(先に読んだ松沢裕作氏の著書の後書きで、これが中江兆民の伝記と今更知り)ノンフィクション歴史小説と分類したいほど、中江に視点を持たせる形式ながら 日本の大きな転換期 明治の政治と思想史、そして現代と将来において 自分はどうすべきか…TN君のキャラクターに惹かれるうちに しっかりと考えることを自然と誘われる。現代に生き選挙権を持つなら必須の思考経緯なのに、義務教育の場では欠落しがちな部分…なので十代で読んでおきたい。
棕櫚木庵

つぶやきって,見えなくなるけど残っているみたいですね.リンク保存しておけば,すくなくとも5年前のを今でも見ることができるみたいで.

05/28 20:10
kaho

棕櫚木さん、現状5年大丈夫なんですね!、うんうん…なんだかそんな気がしていました、きっとこのサイトが消えるか システムを大幅にいじるまでは、イケそうですね👍(笑)

05/28 23:22
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のんちゃん雲に乗る
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小川洋子さんがラジオで紹介していて誰のことだろうと思いながら読みました。福音館から出されていて小学生向きとありましたが? とてもとても! せめて歴史好きの中学、高校生でないと。確かにはなから中江兆民と分かって読むよりは入り込めた。 それにしても幕末、明治維新の内実を本当に知らないと思った。TVの青天を衝けでは中江は出てこないので、その時代にこんな人もいたとの思いで紹介したのかな?
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takeapple
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ビブワングランプリに出る機会があり、この本を紹介した。それでまた読み直したのだが、何回目かなあ35年前に初めて読んでから(雑誌連載時も含めればもっと前かなあ)毎年一度は読み返している人生のバイブルだと思っている。総選挙後の政治状況、TN君がいた時と本当にそっくりだ。TN君も選挙の後こそ選挙民が、代表の行動を制限すること、国会での投票を選挙民の意見を聞いた上でなければできないようにしないと国民は投票日1日だけ主人で、あとはドレイになりさがってしまうと言っている。そのためには、選挙する人間たちの政治への関心を
takeapple

たかめなければならないと言っている。自由民権派を大同団結させることだ。TN君にとって、あまりあてにならない未来の代議士よりも、めざめた民衆だけが頼りだった。

11/07 18:01
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うめたん@ぽんこつなまいにち。
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TN君の目を通した明治維新と自由民権運動。福音館としては「小学校上級以上」向けらしいのだが、その年齢の子どもには難しいのでは。学校の日本史とはまた違うこの本の視点を面白く感じられるのは、高校生~大人あたりではないかしら。少なくとも、ワタシが小学校高学年の頃に読んでもチンプンカンプンだったと思う…。
kerosan

初版当時、小学五年生で読んだ時は、よくわかりませんでしたが、中学、高校、そして大人になった時に読み直しをして、少しずつわかってくると、自分が成長したなと感じることができました。なによりも、なだ先生のあとがき読んで、先生がおっしゃっている通りのことを今の自分がやっていて、なだ先生のマジックに完全にはまっていたことに気づきました。

10/31 00:25
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Cabin
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日本史に疎い自分にとって、明治維新の前後~日清戦争あたりの日本社会の情勢の勉強になった。「暗殺」や「言論弾圧」といった現代ではあまり馴染みのない出来事がTN君の目を通してリアルに描写されていて、その状態から現在の日本に至る過程で活躍した人々の歴史をもっと知りたいと感じた。
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yusei Iwabuchi
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TN君が誰なのかではなく、この時代に生まれたひとりの日本人が何を感じどう生きてきたのかを知ってほしい。 "歴史のこちら側でなく、向こう側から彼の生きていた時代を見ようとしてほしい" 著者のまえがきではあるのですが、非常に大切な考え方だと思いました。"名前"だけを知って満足しないで、生き様を読んでほしいという意図がTN君に込められています。本書は1976年に発行されたものなので当初は現在のようにすぐ誰なのかと調べるということはできなかったと思いますし、児童書の位置づけであることが素晴らしいと思います。
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マギギ
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TN君とは誰なのか。最後まで名前が明かされることはありません。名前なんて必要なかった。偉人としてではなく、ひとりの人間として彼と出会うことができたから。
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千本通り
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TN君とは中江兆民のこと。自由民権運動のこと、幸徳秋水が兆民の弟子だったと初めて知った。伊藤博文の政友会結成とはそれまでの自由党の死を意味していたのか。
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akiu
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思想家・TN君の伝記。作中、ずっと「TN君」で通しています(名前ではなく生き方を知ってほしいから、らしい)。「小学校上級以上」とあったので児童向けかと思いきや、かなり読み応えのある本格的な伝記であった。明治時代前半に、ルソーに学び、人間の自由を求め続けた人。どこにも組みせず学者肌を貫きつつも、内には熱い思いを持ち続け、ゆえに理想と現実の間で苦しんできたことが、痛いほど伝わってくる。心に刺さる言葉がたくさん並んでいました。大事にしたい感覚である。彼の著作を読んでみようと思うのであった。『三酔人経綸問答』。
akiu

どんなときでも、流れを変えるのは、中途半端な連中のねがえりなのさ。わしがやっても、だれもあたりまえとしか思わない。彼がやれば、あの彼までが、と十倍の人の目をひく。つまりは、十倍の役を果たすことになる。それを、あいつなんかに手を借りんでも、などと思うのは、十倍の味方を失うことになるのさ。(259ページ)

02/28 00:39
akiu

運動が成功するかしないかは、これから、それぞれにわかれていくものが、今のいま、どのような一致点を見つけだせるかにかかっているんだよ。(283ページ)

02/28 00:40
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しんどー
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★3
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兎
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なだいなだ作,司修画『TN君の伝記』,福音館書店(福音館文庫),2002,389p.[289.1]
兎

【メモ】東島誠『〈つながり〉の精神史』を読んで中江兆民に興味がわいたので。大人なら吉川弘文館の人物叢書を読むべきかもしれないけど、なんか面白そうだったのでこちらの児童書を読んでみた。兆民の頭のよさと畸人ぶりが痛快な歴史小説。その時代の人物の動向、維新から国会開設に至るまでの道筋もわかりやすかった。ただ著者は自分と同じフランス帰りということで兆民に自分を重ねているきらいがある。理想化の度合いが気になる。自由民権運動において人に思想を伝える、人と人とを結ぶ媒介者たらんとした兆民。なんとなくヘルメスのイメージ。

06/06 14:28
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seraphim
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TN君の人生を追いかけることで、明治という時代が見えてくる。自分が、明治がどんな時代だったのか、ほとんど知らなかったことに気づいた。現代では当たり前になっている様々な事柄が、先人達が色々な活動をすることで、少しずつ勝ち取ってきたのだということに、改めて気づかされた。知るということはとても大事なことだな。小学校上級以上とあるが、なかなか読みごたえのある本。読了するのに時間がかかった。読んで良かったと思う。
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magudon
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この本を最初に知った小学校低学年の頃、TNくんが誰のことか、自由民権運動が誰がどのような背景、過程で為されたかを知らなかった。ここ数年憲政記念館に行く機会があり、TNくんを見かけたのが切欠でこの本を思い出し、読んでみた次第である。「寛政の三奇人」とよく言われるように、奇人とは優れている人物のことであるが、TNくんは「明治の奇人」と言われるような人ではなかろうか。高山彦九郎のように「奇」怪な振る舞いの裏には、一貫した意味、皮肉がある。著者の皮肉的な表現も痛快である。TNくんの訳本を入手したので読み進めたい。
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jhok
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松沢裕作『自由民権運動』のあとがきから。これを小学生のころに読んで、自由民権運動に関心を持ったという。/思想家・TN君の伝記。こんなものがあるとは知らなかった。小学生高学年以上向けとのこと。深みが尋常じゃないが、だからこそ子どももインパクトを受けるのだろうな。/感動的だが、重さがちゃんと今の自分に返ってくる感じだ。
jhok

希望がまだかろうじて希望としてちゃんとあった時代に書かれた伝記だなという印象がたまに頭の隅によぎった。

12/24 00:34
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Sumiyuki
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自由民権運動は、国会開設、帝国主義に向かうにつれて、廃れた。自由党は、政友会となった。自由民権運動の流れを、社会民主党が引き継いだ。実に興味深い。政友会の後釜である自民党、社会民主党の後釜である旧社会党。日本会議なる草の根保守と、自由民権運動。学者として踏みとどまった方が中江兆民は良かったのかもしれない。晩年に金策のため、武士の商法に走ってしまった。幸徳秋水が中江兆民の弟子とは知らなかった。
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頼ちゃん
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伝記というより、歴史の本のようだ。教科書とは全く違う明治維新。視点が違うとこうも違うのか。恥ずかしながらしらなかった別の面を知った。
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ドルフェルン
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明治維新の出来事、人物に対する見方が大きく変わった。その時代を生きた人の目線なのでただの記録ではなく、背景や理由が生き生きと伝わってきた。面白かった。
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あやの
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明治維新。革命が起これば世の中がよくなるとみんな考えていた。だが実際起こってみれば新たな問題が生じている。その先の問題まで常に考えているのがTN君である。授業で習った人々は、教科書の中ではただただすごい人のように思えるけれど、その時代の人からの見方などがわかっておもしろい。
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3156
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前半は吉野源三郎『君たちはどう生きるか』in明治時代って感じで、後半からは司馬遼太郎『坂の上の雲』by中江兆民って感じか。春なのに、という台詞が切ない。
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yudokun
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出会いは国語教材の題材として。一応児童文学にあたるのかな。 TN君を通して見る幕末~明治は、多くの人たちの希望が無惨な形で崩れさっていく様でもある。児童文学だけに納めておくのはもったいない。「坂の上の雲」と併せて読むと、この時代の光と影の両方に焦点を当てられる。視点を変えると歴史はこうも違うのかということを実感できる作品だと思う。
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松本直哉
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弾痕も生々しいパリ・コミューン直後のフランスで自由と権利の観念の庶民への浸透を肌で感じたTN君にとって、天長節に一斉に日の丸を掲げる情景も、条文を読みもせずに帝国憲法発布に浮かれるお祭り騒ぎも、不気味で無意味に思われた。ルソーの社会契約論の初めての日本語訳を手がけて民主主義の普及に努めても、現実は藩閥政治に壟断されて自由民権とは逆の方向に向かう。権威を嫌い、身なりに構わず、在野の学者として反骨を貫いた生涯は清々しい。秋水という号を弟子の幸徳に譲り未来を託すが幸徳も… 気味の悪い右傾化の進む今読むべき本
松本直哉

そうなんですか。知りませんでした。そういえばそんな詩をかいていましたっけ

05/11 13:06
fseigojp

おれの哀れな心臓が船尾で反吐を吐く。。。美少年で御釜を掘られたのではと粟津則雄が解説してました

05/11 16:19
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斑入り山吹
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どうしても戦争したくて仕方がない人が政治を握っているように見える昨今、この本は胸に刺さった。TN君の自由への思いが熱い。というか、なだ氏がTN君に熱く語らせているのかもしれない。現実に存在した人物がいったことなのか、それとも著者がいったことなのかの見分けのつきにくい伝記というのはあまり得意ではないのよ。「社会契約論」という言葉は久々に目にした。国民が政治を動かすんだね!おかみにびくびくして生きるって間違っているんだね!!   … いや怖いですけどね … 。
斑入り山吹

拙ブログにて、「なだいなだ 『 TN君の伝記 』」 というタイトルでアップしました。 http://blog.goo.ne.jp/fuiriyamabuki/e/e5c6f3fd44f4de04d7d588f257ad2dbe

04/13 18:39
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マッピー
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教科書で、名前だけは知っていたTN君。 なんと呼ばれていた人なのかは知っていたけど、何をした人なのかは知らなかった。 児童書と侮ることのできない本。 付箋だらけになってしまった。 努力もせず能力がなくても、生まれがよければ人生は約束されるし、どんなに能力が高く日々研鑽していたところで家柄のよくない人には成功がない。それはおかしいのではないか。 TN君が少年時代に思っていたことは、明治維新によって改善されたのか。
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本読むerio
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傑作に出会った…!打ち震えました。自由を求めた日本が、いかに紆余曲折を経てきたか、人々の思考の流れ、TN先生がどんな思いでいたか。政党政治、帝国主義……物凄く分かり易いです。小学生向けに書かれた物とのことですが、大人の心にも響きます。
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nawatobi
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ネタバレなだいなだ氏、2013年6月6日にお亡くなりになったのですね/伝記もののタイトルはこういう形式のほうがいいのではないかと開眼/同時代の文人・活動家(たとえば福沢諭吉)とどう違った思想なのか?この伝記が書かれたのは30年程前であるが洗練された帝国主義は確実に跋扈している/TN君が結婚していたのがさらりと書かれているが家計のやりくりは本当に大変だっただろうな(田中正造も妻が飲食店をやって活動費に当てたりと大変だったそうで)
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オカヤン
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ネタバレ明治維新前後を、TNという人物の生き様を通して描かれている。最後までTNがわからないけど、かっこいい人物だった。TNは勉強熱心でどんどん欧米から学び自分の考えを翻訳などで広めていく。そして、政治をかえてばならぬ。でも成功しないのは、金がないからだと事業をおこす。失敗する。必ずしも理想は満たされない。たとえ、正しくても帝国主義に飲まれる。。それでも、諦めないで、弟子と心理を探求する。。だからなんなのかは、わからないけれど、おもしろかった。この本は、精神科医である著者が亡くなったことをきっかけに知る。
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新平
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19世紀後半から20世紀前半、西洋近代と邂逅し世界史の大きな渦に巻き込まれた日本とTN君の苦悩が描かれている。政治における理想と現実を考える上で、現代日本においても教科書になると思う。「義によって行動するものは、機を選べない。」西郷を評したこの言葉が印象に残った。
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LOVE弁慶
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評判どおり傑作。歴史や法律の勉強でなんとなく知った気になったあの時代がなるほどそういう流れなのかと納得しながらぐんぐん頭良くなる感じです。幕末の人物もいやな面も含めいきいきと描かれこれ本当に小学高学年向けなのかと。超お勧めです。
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S
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超面白かった。勧めてくれた先生ありがとう。自由民権運動の流れがよくわかる。伊藤博文の伝記と並行して読んでたから同じ人でも視点によって全然キャラが違うなーと改めて実感。挿絵が変わってて好き。
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denz
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「TN君」を通して、幕末から明治後期までを描く。「TN君」の目と著者の「ぼく」との視点が交錯し、前者の視点に立ちつつも、これが書かれた昭和後期の問題としてもこの世界を垣間見ることができる。そのため、明治の視点と昭和の視点、そして読者である現代の視点で物語を楽しめる。西郷論がなかなか興味深い。
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mackane
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名前のない伝記。明治維新という革命の中に生きたTN君こと○○の物語。自由と平等を求めて始まった革命の顛末を、権力を掴んだものたちの歴史とは違う、TN君の人生を通して見ていく。一言に明治維新といっても、自由と民権へ向かってすんなり進んだ訳ではない。それは人間の生々しい欲や利権争いにまみれた長い歴史がある。教科書にはあまり載っていない日本における革命のお話。それはTN君の革命ではない。だからこそ語られる人間の名前は特に必要がない。
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たかしくん。
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この本を初めて読んだのは、中学一年の夏休みの時です。TN君の正体は、だんだん分かってきましたが、彼そして彼の仲間が明治の世でその進歩的な思想と自由民権運動で弾圧され、「本当にこれが明治のにほんであったことなの?」と、子供ながらに憤りを感じながら読み終えたことを覚えてます。久しぶりに当時の自分を振り返りながら、今回は大分大人の心境で再読しました。
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おとしん
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TN君の抱いたイヤーな感じは現代にもつながっている!知識が人を不幸せにするなんて…。きっと今の日本にもTN君はいるのだろう。その彼らを認められる自分でありたい!
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ねぎとろ
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これは見事な伝記文学。傑作。
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