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シャンタラム(下) (新潮文庫)

感想・レビュー
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Tomokazu Hasegawa
新着
インドのカオスと犯罪組織を通じて描かれる主人公の生きる目的と幾多の愛のかたち、喪失、友情、愛を失くし愛せない女。チャイを飲みに行こうかな。
0255文字
Sakie
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インドから広大で殺伐とした戦地アフガニスタンへ。日々に溢れていた音楽がぱったり止む。リンはここでも徹頭徹尾当事者ではない。ただカーデルバイと友のために決断した成り行きから、そこにいる。ムジャヒディンたちの傍に居、ムンバイに戻ればまたマフィアの傍に居て、知己を弔う。嘯いてはみるが、自身に大義は無い。祖国を失った者たちはムンバイに吹きだまり、また戻ってくる。逝ったはずの者たちも戻ってきて涙を誘う。ああ、読み終わってしまった…。ムンバイに帰りたい。もう一度初めから、リンが愛した皆に出会いたい。カノをハグしたい。
Sakie

『ときには正しい理由から、まちがったことをしなければならないこともある。大事なのは、その理由が正しいものであると確信し、自分はまちがったことをしていると認めることだ』とカーデルバイは教えた。マフィア稼業であり、戦争のことだ。カーデルは考え抜いた末にそう信じることで、マフィアの王であり続けた。しかしジョーパダパッティなら、貧しくとも、正しい理由から正しいことをするのが自然でいられるんじゃないのか、リン。仲間を喪って、死者を赦すことを覚えて、そのたび自由になって、リンはようやく帰る場所を見つけることができた。

03/16 16:32
Sakie

人は結局は土地と女のために戦っているのだとリンは言う。自ら戦地に赴くムジャヒディンのような戦士のことだ。死への崖っぷちぎりぎりの血みどろの日々が続けば、ごたいそうな大義や理由など吹っ飛んでしまう。ふと現実に戻って、戦争行為をしている地のことを想像するとき、平和な地から戦争行為をつべこべ言うことの空々しさを思った。インドとパキスタンの戦争を題材にした「Raazi」を英語字幕で観ていたら、"nature of war"という言葉が目に焼き付いた。戦争の本質。戦争は守りたいものを守ろうとする人間の本質なのか。

03/16 16:32
0255文字
sheepseeker
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読み終わった。アフガニスタンへ行くところまでが自分にとって盛り上がったところで、帰還後はまったりと話しが進んだように感じられた。なぜだかはわからないが、自分にとってはカーデルの存在が大きく、再び無秩序になっていくさまを見るのが辛かったからなのかもしれない。
0255文字
ももけん
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貧富、民族、言語、あらゆる人間の多様さを飲み込む街ボンベイ。流れ着いた主人公はオーストラリアの逃亡者。彼が街に住み着き、多様な社会に愛され、生き続ける日を描く。旅行者として、スラムの医者として、マフィアとして、囚人として、アフガニスタン義勇軍として、ボリウッドの口入れ屋として、麻薬中毒者として、、。3巻1800ページの大著で、馴染みの薄い名前を持つ沢山の登場人物が幾度も出入りする。なかなかの巨編だが、信頼を疑うことなく読み進めるのは、主人公の徳の高さ、高潔さ、善なるものをヒシと感じるからだ。
ももけん

心の国インドならではの物語なのだ。友に頼まれれば危険を顧みず飛び込む義の人であり、一瞬の表情に感情の記憶を呼び起こせる観察の人であり、どれだけボンベイに包まれてもどこか移動する可能性を感じさせる自由の人でもある。語りは広く宇宙的な哲学を感じさせ、刑務所やスラムで会う人々も箴言を口にする。

04/18 11:31
ももけん

冒険の傍で描かれるインドがまた凄い! 乱暴運転で事故を起こしたタクシー運転手をリンチにしてしまうこと。映画『めぐり合わせのお弁当』にも描かれた脅威の弁当箱配達システム。列車の三等客車に乗り込むまでは競り合って乗るのに、いざ動き出したら極めて行儀よくちんまりしていること。水道すらろくにないスラムでも、清潔に整えられていること。 郊外の村、まだ近代を迎えていない幸福なコミュニティ。 電気もなく、水道も限られていながら、歌があり、遊びがあり、豊富な食べ物があり、健康で笑顔に溢れた村。

04/18 11:32
0255文字
zuka
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アフガニスタンでの圧倒的な武力の前での呆気ない死と別れ。今までの布石の結実、真実。全ては計画通りでコマの一つでしか無かったのか。それでも最後は許しと愛か。
0255文字
yutaro sata
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下は別れ、涙。自由。終わる。また流れていく。
0255文字
ide
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戦争、ヘロイン中毒、ギャングの抗争、血生臭い。薬物中毒を医学的に書いてあるのは興味深かった。
0255文字
しんちゃん007
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大変面白く,いっきに読んでしまいました。 一部は著者の経歴そのものと言うことのようです。 内容は、インドに違法入国したオーストラリア人が、ピンときた一人のインド人と出会うことから始まります。 目まぐるしく変わる展開、最後まで読まないと分からない事の顛末、人間の、怒り、怒り、憎しみ、残虐性、一方に勇気、正直、信頼、愛などこれらが濃縮された小説です。 養老孟司さんの解説では、井上靖の「射程」を読んで以来の夢中になった小説であり、「血と涙と歓喜」これが生きると言うことではないか。と結んでいます。
0255文字
鳰
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ネタバレ去年の4月下旬に上巻に手をつけ、ほぼ1年かけて読みきった。ムンバイという街とその影の話であり、逃亡者ゆえひとところに留まれないリンの物語なのもあってか通勤電車で読むのがよく合っていた。けどいわゆる徹夜本なのもとてもわかる…濃厚な文章なのに驚くほど読みやすく次から次へと美文名文が飛び出してきて、なにより出てくる人々が魅力的で、誰が退場しても悲しく、再会できたら本当に嬉しかった。とりわけプラバカルとスラムのみんなが大好きだった、アブドラとディディエも、カーデルの腹心たちも…いつかまた夢中で読み返す日が楽しみ。
鳰

読了時の感想メモ(上):https://twitter.com/n10_921/status/1385613963228975112?s=20&t=8wj2WscNmxJ9Tm9d-jUyvg (中):https://twitter.com/n10_921/status/1485022176541802497?s=20&t=8wj2WscNmxJ9Tm9d-jUyvg (下):リンク割愛/読み終えてみてもドラマ(AppleTV・パラマウント制作)のリン役がチャーリー・ハナムなの正解だわ、というつぶやき

03/18 20:16
0255文字
Wisteria
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読み終わって溜め息。この激流のような物語は読者を巻き込んで傍観者にさせてくれない。一緒に苦しみ、一つ一つ困難を乗り越えさせようと迫るような力があった。とても疲れたし、面白かったかも分からないし、何を感じ取れたかも分からない。久し振りに大変な努力と体力と忍耐が求められる読書をした。これもまた醍醐味という事で。
0255文字
relaxopenenjoy
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ネタバレ漸く読了、長かった――(泣)。アフガニスタンのパートは、地名を聞いてもピンと来にくいが、峻険な峠、荒れる天気などについては中村先生の著書等からもなんとなく想像はできた。サプナとか、カーデルマフィアの全貌とか カーラの謎とか逮捕の謎とか、全てが解き明かされたはずの下巻。しかしながら上巻や中巻での出来事や登場人物細部を忘れかけている点が多々ありあまりスッキリせず。死んだと思っていた親友との再会はびっくり。そして終盤のベアハグの熊やスラムの友人たちとの再会は良かった。
0255文字
ウメ
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長い長い物語が終わった。プラバカルとの出会いが懐かしく思い出される。愛とは許すこと、許し続けること。リンがたどり着いた境地、その難しさやいかに。以前観光客全開で訪れたインド。再訪できたらもう一歩奥に踏みこんでみたい。
0255文字
わたなべよしお
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 人が生きるということがテーマなんだろうなぁ。そのために、たしかにインドは最適な舞台だった。とても良い作品でした。ただ、宇宙は複雑化しているか?僕の理解では逆なんだけどなぁ。エントロピーは増大するし、宇宙は拡大しているので。
0255文字
まうんとふじ
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人を殺してまで生きるとは
0255文字
dokushoko
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とても長い 私にはあいませんでした
0255文字
ふくまる
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普通の社会では生きられないような人間、赦されない人間をインドは受け入れてくれる。 インドは心の国だからだ。 主人公は刑務所を脱獄しているような人間だが、決して悪い人間ではない。 むしろ魂のある人間だと思う。 日本社会で生きる私達にはないものをこの本に出てくる人物たちは持っている。
0255文字
デルタアイ
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アフガニスタンのくだりは良いリズムで来てたのにいろいろな面でガクッと落ちたが 人の熱さをつくづく感じる物語だった 愛や裏切り、本音と建前がコロコロ変わる世界 哲学書?って位の登場人物の討論 涙あり時に笑いあり 今やインドがとても魅力的に見える 未読の方には是非ともオススメしたい ☆9.2
0255文字
ve
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作者が全身全霊で書いたのがわかる。作中の宇宙論や神や詩的な表現は、作品の魅力ではあるが正直背伸びしていると感じたし陳腐なところもあった。だけど、真剣に書かれているし、根本的に面白かったので大満足です。展開もエンタメしてるのに、一人ひとりの人間が生きていると感じました。
0255文字
アプネア
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ネタバレ戦火のアフガンに物資を運ぶなか、思わず息を呑むようなあるショッキングな出来事が展開がする。まあ、裏で繋がっているんだろうなと薄々感じていた数々の布石…。謎多きファムファタル、マフィアのボス、血の組織などの伏線が回収されるのだが、以心伝心やったよな?からの、蚊帳の外状態には、リンが怒るのも無理はない。人を駒として扱う非人道的なやり口には、これまで説いてきた高尚な哲学も一気に陳腐化していく。ただ、ここから生死の狭間で繰り返される愛憎の葛藤が、ちゃんと主題とも融合し、赦しへと昇華させた手腕はお見事。
0255文字
アーノルド
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ネタバレ中巻より継読 リンを刑務所に陥れた人物に意外性はありませんでした その復讐が物語のクライマックスとなるのかと思っていたのですが、そうではなかったので良いのですが… ただ、もしも思いもよらぬ人物だったとしたら、更に読み物としての完成度は高かったかと思います 宇宙観とか宗教観からくる、心に留る一文が作中に多かったのが印象深い 総じて、魅力ある作品でした
0255文字
オチョモコ
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これほど尻上がりに面白くなっていく小説も稀だ。そしてラストが頂点となる。まとめでこんなにまったりした良い気分にさせられるとは、これが戦士の休息というもの?この長くて深い経典を読み終えたひとりひとりの読者たちになんだか親近感を覚える不思議な感覚。憎しみは人格を崩壊させることを悟らされ、たったひとつの愛の行為で人生を完全に変えることができることも。「嫌いなんじゃない・・・殺してやりたいだけだ」かっこいいリンのセリフ。「運って、運命が待ちくたびれたときにめぐってくるものよ」は希望に満ちたカーラの名言のひとつ。
0255文字
まゆげねこ
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物語後半の細かいイベントに“また何か起こるのか“と読み疲れてきた感があるも、ペースはそのままで読了。 Theインド本と言えば”河童の覗いたインド“だけれど、街や人々やそこにある物質が醸し出す思想を体験させてくれる本書は隣に並べたい。 インドは人により好き嫌いがはっきり分かれる国と言われているそう。でもより純粋な好きが体内に芽生えてしまうと、インドはそれを見過ごさない。悪いニュースも多い国だけれど、通りすがりの人や町人からあれほど温かい目をかつては見たことがなかった。それこそプラバカルの瞳だったと思う。
0255文字
chich
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上巻の頃からは想像もつかないほどの勢いで読破しました。とにかく面白かったしインドにいつか行けたらと思っているのですが、しばらくは難しいかしら…? この本を読んでいる間に少しでもインドを感じたくて2回ほどインドカレー屋さんでテイクアウトをし、家でチャイを煮出しました(笑)
0255文字
ts0818
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ついに、物語が完結する。主人公は、ボンベイを発ち、アフガニスタンの地へ。マフィアのトップ自らが、戦争へ介入し、それに同道する主人公。戦禍の凄まじさ、これまで明かされなかった真実、すべてが明らかに。マフィアのトップであるカーデルは、本当に世界を変えようとしていたんだという。「正しい理由から、間違ったことをしなければならないときがある。その時に、理由が正しいと確信し、自分が間違ったことをしていると認めること。自分を納得させなければならない」という言葉は、法や宗教が作り出す正義には意味がないことを語ってるかな。
0255文字
うなぎん
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全巻読み終えた。私には、長い。長すぎた。巻末の感想には同感しました。インドの情景が本を通して感じられます。日本と異なる世界観、インドやアフガニスタン、ストーリーから力強く伝わってきますね。 プラバカル〜
0255文字
土星人
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正直なところ、話が壮大で、ページ数が多くて、理解できない部分や既に記憶が曖昧な箇所も多い。それでも数多のインドのありとあらゆる表情、それは美しい景色や混沌としたスラム、それは生きる人々のもつ限界のない深い愛、それは裏社会に刑務所に戦争という絶望と一片の希望、それらが次々と描写される本書は読み手を確かに遠い異国に飛ばし、想像力を絶えず刺激してくれた。この壮大な物語を、そして感想をまとまった言葉で表すことは大変難しい。でもきっと、読み手ごとに、開くたびに「生きること」を考える契機になり得ると思う。
0255文字
itsumiKshi
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上巻当初の(脱獄犯とはいえ)お気楽なムードは消え失せ、実は全て仕組まれていて愛した人からは利用されていたのだという事実を突きつけられる。戦争すら経験し、この主人公はもはや以前と同じ考え方はできないだろうな、と思う。どこまでがフィクションなのかは分からないが、裏切られてもなお、一方的に人を愛する、戦争に行き、人を殺さない、そういったことができた人間は幸運だと思う。
0255文字
キクチカ  いいわけなんぞ、ござんせん
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ソビエトと戦闘状態の地獄のようなアフガニスタンから始まる。飢えと戦闘と減っていく仲間たち。リンの役割はアフガニスタンに同情的なアメリカ人という旗印になる。そしてボンベイに帰ってからマフィアとしての剣呑な日々。これがほぼ自伝とは驚くばかりである。「幸せな人生」とは信頼できる人達がいる事。人生は運命ではなく変えられる事を知って心から生きる喜びを知るリン。この後の人生もものすごく波乱万丈らしい。続編が出たら是非読みたい。
0255文字
S.F.River
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長かった、やっと終わった。終盤、いろいろネタあかしありでうまく完結はしている。壮絶な人生で哲学だったりインド文化というところはよい話ではあったが、私にはちょっと長すぎるお話でした。3.0
0255文字
くらっくす
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生き続けると思っていた人間ほど死に、もう生きてはいないと思っていた人間が生きていたりする。世界は戦場は不条理と生臭さに満ちている。戦争から帰還したリンは様々な変化や、真相を知る。ヒトはいかに怒り、失望するのか、しかし根底には愛を抱き続けている。現実を受け入れられない自身の殻があり、どうその殻が崩れていくのか。絶望の淵に吸い寄せられていく中でどのように壊れそうになるのか。何に救われ、どのように赦すことができるようになるのか。ヒトの心を縛っていく枷、自由になる瞬間。心の機微を絞り出すとてもいい本であった。
0255文字
もさ
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面白い小説を読み終わった時のあの喪失感が半端ない。
0255文字
Akito Yoshiue
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下巻はさらに激動の展開。最後の方はペースが速すぎるくらい。ラストはとても良かった。長い物語だが最後まで読む価値あり。
0255文字
猫森
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ストーリー性で言えば間違いなく面白いが、下巻の回収の仕方が、少しご都合主義じゃないかな。やっと読み終わったけど…感想らしい感想にまとまらない。自覚しているのは、とても「疲れた」こと。「続きが気になって」、「楽しさを忘れて」「ほぼ意地になって最後まで読んだ」ことは認めざるを得ない。本末転倒。
0255文字
YJ
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ネタバレどこまで話が進むのか期待しつつ、カーデルがあっさりと退場したことに驚き、アブドラが蘇ったことにさらに驚いた。いつかインドに行ってみたいと思える小説。
0255文字
NOVE
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マフィアの使いっ走りからアフガン戦争に巻き込まれていく動乱の最終巻。主体的に動いていたつもりが、すべて仕組まれていたと知り怒り狂う主人公。カーデルもまた怒りがなければ生きられない哀しい人であった。重要なのは仲間を殺してしまったスラムの住人のエピソード。助け出そうとする主人公の手を振り払い、自分の罪を償うと言い切る彼は、太宰治の『走れメロス』しかり、作者が切望し、けれど成し得なかった生き方の象徴である。変わることの出来なかった主人公の眼下には、これからも戦火が待ちうけている。
0255文字
ドウ
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アフガン内戦への参戦に失敗し、裏切り者のグループを倒しに行くという、急に「アウトレイジ」な感じの展開の中で、手に入れては失うの繰り返しの中で、リンは「赦す」ことを知っていく。・・・であるならば、神は何を失ったことで人々を赦すのだろうか。「運命が待っていてくれるかぎり、私たちは生きつづける。神よ、助けたまえ。神よ、赦したまえ。私たちは生きつづける。」(p.549)
0255文字
unohead
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後半はやや低調だったが、それでも吸い込まれるように読み切った。長編読了の達成感よりも、物語が終わってしまうことが少し寂しかった。
0255文字
SunaKuzzira
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ネタバレ人の意思には運命を変える力がある。まさしくこの本表す一言ではないだろうか。限りなく実体験に近い一人の男の激動の数年間を追体験する、とても贅沢な本でした。終わりに近くなるにつれて読むのが惜しくなる、出会いたいけどなかなか出会えない本だったと思います。感謝
0255文字
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