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言葉と死: 否定性の場所にかんするゼミナール

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HAL9777
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第七日目のラスト10ページほどで、これまでのぐるぐると巡るような議論や疑問が、螺旋の中心へと向かうようにあるひとつの「驚き」へと回収されていくような感覚があった。それでいて、そのような円環運動は閉じることはなく無限の拡がりを、言語活動とその思考のうちに持っているのである。 そして第八日目には、その螺旋をこれまで思考されることのなかった次元へと無限の拡がりへと立ち戻らせていく。
0255文字
しゅん
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『精神現象学』『存在と時間』二冊に含まれる代名詞の扱いに注目し、代名詞に指示行為と意味表現行為との切り替えを行う「シフター」の役割を見出す。平行して、動物の声でも言語活動でもない、その中間にある人間の〈声〉の領域が西洋の形而上学の流れににおいて死の概念と結びついていたことをひもときながら、言語活動と死を切り離して形而上学の強すぎる呪縛を解き放とうとする。その跳躍の踏切板となるのはアウグスティヌスの死語への言及。アクロバティックな論の展開が超刺激的で言語への興味が倍増した。何度でも読みたい。
0255文字
zuckermen08
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第七日目が圧巻。こう来たかーとうなってしまうほど見事な詩の読解。しかもそれまでの哲学とか言語学の議論がこの箇所を語るためだけにあったようにすら思えてしまうあたりが恐ろしい。シフターの話は必読。
0255文字
かみのさかな
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原題は、「言語活動と死」。「死と声とは同じ否定的構造をもっており、形而上学的には不可分離の関係にある」との考察から、言語学がまだ十分に掘り下げていない鉱脈を示しつつ、ヘーゲルとハイデガーの読み直しを試みる独創的な一冊。「言語活動は声が居場所を失ったところで生じるのだ。」中世の文献の言及や、詩の引用によるアクロバティックな論証など、相変わらず圧巻のアガンベンワールド。「開かれ」よりも遡ること20年の書なので、「幼児期と歴史」ともども再読したい。
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