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腕一本・巴里の横顔 (講談社文芸文庫 ふJ 1)

感想・レビュー
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ジュリ(村上)
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大回顧展の時に美術手帖の藤田特集を丸々一冊読んだはずなのに(いや、だからなのか)、藤田については通り一遍のイメージしかなかったが、絵画ではなく文章に今回初めて触れたところ、美化や自慢や韜晦も含めて生き生きとした藤田が見えてきて、これでやっと『いや、結局藤田はね〜』と私も偉そうなことを言える気がする(藤田ゴメンネ…)。「戦後は日本から追われるようにして逃れ、洗礼も受けて失意の中で晩年を過ごした」という言い方がされるけれど、藤田は波乱万丈の人生を駆け抜けて、穏やかな満足感の中で幸せに死んでいったと思うよ!
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meg
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とても面白かった。藤田嗣治の貴重なエッセイ。 パリと日本人について考え続けた彼は一人の哲学者のようだ。 藤田嗣治の絵がまた違った角度からみることができそうだ。
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圓(まどか)🐦@多忙のためほぼ休止中
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画家本人の手による貴重なエッセイ。まさかこの人からシャーロック・ホームズの話が出るところはとても身近に感じる。そして本人の手から同時代を生きた錚々たる画家のエピソードにも圧倒。思えば第一次世界大戦も第二次世界大戦も直に戦地で生きた人だった。
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qoop
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栄光のフランス時代から失意の戦後生活まで、その落差を一冊に収めたエッセイ集。前半のパリ生活が喜びに溢れているのに対して帰国後に無理な気丈さを感じるのは、来歴を知っているゆえか。人生の陰と陽とを混ぜ合わせた編集はある意味で残酷とも思ってしまうが、黙って受け止め読むしかない。あの時代にこういう日本人がいたのか、と。
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A.T
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「聖戦従軍三十三日」 藤田含め日本の代表的な洋画家や、菊池寛含む文学者数名が嬉々として乗り込んだ海軍省手配の日中戦争従軍生活。20ページの短編ながらも子細正確な取材力。これがパリで貧乏してモデルやモンパルナスの絵描き仲間とパンを分け合い、人情を交わしながら絵を描いてきた藤田だろうか。パリでは第一次、二次大戦の2度の空襲を経験していながら、日本へ帰ると別人のように好戦的に。いかに軍国主義が当時の権威かと。フランスでもそうだったのだろうことは想像に難くないが。
A.T

今回は今年(2022年)10月2日まで東京国立近代美術館常設展示されている、藤田嗣治「哈爾哈河畔之戦闘」「大柿部隊の奮戦」「薫(かおる)空挺隊敵陣に強行着陸奮戦す」をみた経験も踏まえて、再読。パリで描いてきたアンニュイなパリジェンヌの姿とは打って変わる、構図も配色も活劇調に。画力の強さを存分に発揮している。

09/15 21:53
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A.T
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パリのモンパルナス エコール・ド・パリの芸術家、モデル、市井の人々との交流を軽快に描いた「腕一本」と、1941〜45年まで日本、中国に滞在した頃の従軍画家生活を描いた「聖戦従軍三十三日」の落差。絵画の作風とエッセイに込められた心情は、正確にリンクしていることに、フジタの正直さ誠実さを見る。名声をえてもどこまでもパリの外国人だが、陸軍に雇われたフジタは帝国陸軍になってしまう。明治19年に厳格な陸軍軍医の父の元に生まれ育った彼にとって自然。エコール・ド・パリ帰りといえども、余計に順応してしまったのだろう。
A.T

現在、東京国立近代美術館にて「戦争画展」開催中。改めてその頃の作品が描かれた背景を思い鑑賞したいです。

08/13 17:14
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サスケ
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★★★★★
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あまね
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3.6B藤田嗣治は明治の男だったという事がどうも忘れられているような気がする。単身パリに渡り貧乏生活を送りながらエコールドパリの成功を掴み故国に凱旋し国家の為と思い戦争画を描くが晩年は「日本に生まれて祖国に愛されずフランスに帰化してもフランス人としても待遇を受けず迷路の中に一生画家だった」と呟く。破天荒に見える外観や同時代人のみならず現代人へも感化を与える魅力的な画風。コスモポリタンであるからこそ、西洋人の真似をしてもオリジナルな物は生まれず命懸けで日本人のアイデンティティを追求したからこそ、→
あまね

日本の良さ醜さを熟知していたからこそ、日本の為に尽くした明治人であったと思うのです。彼が精神を病まず所謂芸術家として墜ちて行かなかったのは怜悧な計算が働いているからだと思った。同じく怜悧な先輩芸術家としてのピカソの本質を短い言葉で鋭く突いている。「ピカソのような人間が出ると非常に危険である。今後およそ40年間という間ピカソは若い犠牲者を連れて行くわけである。」また藤田嗣治展に行きたいなあ。

11/15 20:24
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hitsuji023
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戦争の体験記が生々しく感じられるのは文章に昭和の日本を感じさせないからだと思った。これが昭和の日本の風景なり大変さなりが描写されていたら、もう少し違った印象になる。そういった意味で古臭さを感じさせず、読めるエッセイだ。日本での勉強に飽きたらずフランスに渡り絵の勉強に邁進する姿に感心させられる。特に同じ表情を勉強するのに何ヶ月も美術館に通ったり研究したりするするところなど(当たり前のことかもしれないが)、まさに「継続は力なり」だなと実感する。今度は絵もじっくり見てみたい。
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ネムル
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ユーモアと哀しみを湛える晩年の夢日記「夢の中に生きる」に涙ぐむ。昨年の展覧会の際、日曜美術館で放送された藤田の肉声を思い出す。
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miaou_u
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フジタが決して破滅型の芸術家に陥らなかったのは、古い風潮に囚われず、冷静に現実的に周囲を俯瞰してわが身を置いていたこと、可愛い子には旅をさせよ、との父親の想いの結果なのだろう。繰り返しのエピソードやフジタの言葉から、どのような層の人間、人種、女性、芸術家、華やかな交友関係においても、彼の懐に入れば『情』となり、創作に舞い降りる。そんな彼だからこその、戦時には利用され、画壇の疎外感、、生まれ育った日本へのジレンマが、ただただ哀しい。 しかし猫友のコレットとの談議とは、一体どんなだったのだろう。˚࿀̊˚
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白義
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その栄光と失意の落差を繰り返した人生を象徴するように、本書に収められた文章の時代ごとの変遷が激しい。パリ時代の、キザでパリの空気に酔いしれ、思うように女や画家たちの思い出を語る多幸感に溢れたパリの栄光時代から、うってかわって日本での冷遇を跳ねのけんと従軍記ではなんとも漢字が突然増えて力みが露骨な文章に。技術論ではその乳白色の柔和な線が藤田なりの、西洋画と日本画の内的対話により得たものであることがわかるが、それを評価しなかった日本への失望は晩年更に深まり死を間近にした文では絶望が露呈されていく。なんとも重い
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泉を乱す
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自分を過剰に評価して、でも天才じゃないよ努力家なんだよ、という彼は、(今でもそうだけど)戦前日本では白い目で見られただろうな。ただ私が、「えーー自分で言っちゃう?そこまで」と思いながらも読了したのは、彼の承認欲求が、理解できるから、かもしれない。
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くまたろ
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大東市立西部図書館 所蔵
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masawo
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藤田嗣治展の予習として読了。かなりすごい人だと思うんだけど、日本での知名度は今一つなのは何故か。
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NAO
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藤田嗣治の真摯で、妥協を許さない芸術と向き合う姿勢には、読んでいて頭の下がる思いがする。一流の人は、どこまでも自分に厳しい。下積みを嫌がるようでは何も為せないというのは、どんな職業にでもいえることだ。その一方で、当時パリで成功した藤田に嫉妬した日本画壇の面々の狭量さのなんと見苦しいことか。晩年行き場を失くしてしまった藤田の孤独を思うと、いたたまれない気がする。戦争は、こんなところでも人を不幸にしている。
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兎
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藤田嗣治『腕一本・巴里の横顔:藤田嗣治エッセイ選』近藤史人編,講談社(講談社文芸文庫),2005,278p.[914.6]
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mitya
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画家・藤田嗣治のエッセイ集。ピカソやモディリアニと同時代を生き、交流もあったようだ。若くして渡仏し、名声を得て、帰国するが、戦争中は戦争画を描き、批判を浴びてまた渡仏し、フランスに帰化するという波乱の生涯を送っている。そんな藤田にしか書けないエッセイを読んで感銘を受けた。藤田氏の絵を今度じっくり見てみよう。
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コニコ@共楽
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映画「FUJITA」を観て、俄然この画家に興味が湧いた。こんなに人生の光と影を辿った人だったとは。どこか作家のフィッツジェラルドとも重なるような。終章の「夢の中に生きる」で語られる初夢は晩年の想いを伝えて心に残る。 ”日本に生まれて祖国に愛されず、又フランス人に帰化してもフランス人としても待遇も受けず、共産党のように擁護もなく、迷路の中に一生を終える薄命画家だった。お寺を作るのは私の命の生根の試しをやって見るつもりだ。”あらためて彼の絵が観たくなった。
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井月 奎(いづき けい)
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藤田は日本で乳白色と黒い線を手に入れて、パリで西洋画、ひいては印象派やキュビズムを見て自らの絵の妙味を別に求め、あのさらさらの絵を自らのものとしたのです。その二つの国は皮肉にも藤田の人生に誤解と孤独をもたらせます。彼は冗談の好きな、育ちのいい男です。美への欲は果てしがなく綿密に精力的に学びますが、その他のことは無防備ですらあります。それであるからこそ、その絵は静謐で美しいのですが、利用もされてしまいます。私はこう思うのです。戦争に弄ばれずにいたならば後年日本にとどまり、乳白色に桜の紅が映っただろうと。
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となりびと
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フランスでの名声を得たあとから戦後の渡仏、死期の近い病床までのエッセイ・未発表ノート。成功を収めた頃の文からは絵を描くことに対する自信を感じるし、読み手の日本人にパリの空気や有名画家の人柄を個人視点から伝えようとしていることがわかる。そこから、等身大を綴ったような戦時中。失意すら感じる病中の日記。絵画から抱いていた線の細く繊細なイメージとはまた違って、個人を強く打ち出した内容だった。
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hiroko3
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レオナルド藤田のエッセイ。今なら何処かにいそうな強烈な個性を持った人、当時だったら奇人、藤田の目線で書かれいて面白い。パリに行きたくなった。
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ムートン
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藤田は、あまり好きではなかった。絵とか人物とかではなく、見た目が好きではなかった。「変な髪型」「なんで、こんな髪型してるのだろう」と見た目だけで嫌っていた。この本で、その理由がわかって、なんか、納得。日本画壇の下りは、他の分野でもよく聞く話で、日本人の集団妬み体質には辟易する。この夏から没後50周年展が開かれるみたいなので、行ってみたいと思う。
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伝書鳩
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星0つ。
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ニッポニア
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頭から下ネタがでてきてガツンとやられる。絵描きは繊細という固定観念をぶっつぶし、そこらじゅうに漂う色気、艶、とプロの絵描きとしての自負に圧倒される。創作論としても非常に質が高い。
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Aleixo
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特別好きな画家という訳ではなかったのだが、本書を読んで認識を改めた。乳白色の肌がいかにして生み出されたのか、そこに彼の独自性があるのかもしれないと思った。「夢の中に生きる」にペーソスを感じた。こういうのは「迷路の中に一生を」過ごした人間にしか書けないのではないか。B
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千鳥
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タイトルのルビ「ブラ」とは仏語「bras(腕)」?
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kanikakuni
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 画家、藤田嗣治の文章を集めたアンソロジーで、本文2ページ目に、「私は四つ時分から非凡の画才に秀でていた」と来た。   半生記をはじめ、パリのスケッチあり(二度の大戦ともパリにいた、その見聞はとくに興味深い)、画論あり、画家の寸評あり、従軍記まであり、だんだんこの人がわからなくなっていく。   高校の国語の先生が黒板に「腕一本」と書いて、「これでブライッポンと変わった読み方をする」と言っていたのを、ふしぎにおぼえている。
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Mandragoremi
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★★同世代のアーティスト、モデルたちの描写が興味深かった。天才は天才を呼ぶよね。春にパリもいいかもしれない。
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masaking
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当時の状況がよくわかりました
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のんき
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藤田嗣治のエッセイ集。実はフジタの絵の、あの冷たそうでいて吸い付いてきそうなぬめっとした質感がちょっと苦手だったのだけど、これを読んで意外に人なつこいところのある人だということを知って、違った目で鑑賞できそうな気がしてきました。
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saki
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2009年冬頃読了
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kliq
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一つの生き方としてあこがれる、人百倍努力
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Seis Gatos Negros
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「猫に猛獣の面影のある所がよいのである」というところがとても好きな、画家Foujitaのエッセイ集。パリが芸術の都だったころの話、あちこち旅行した話、絵の話など興味深く、Foujitaの芸術家としての自信もうかがえて楽しい。ただ、最期に書き残していた「夢の中へ生きる」は何回読んでも沈黙させられてしまう。ある意味、時代の申し子でありながら、時代によって深く傷ついた画家の正直な独白がある。
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みーふぃ
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藤田氏の絵画論 他  絵すきにはたまらないでしょう。100点
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