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背負い水 (文春文庫 お 18-1)

感想・レビュー
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練りようかん
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ネタバレ四短編収録、芥川賞受賞の表題作が一番みっちりしていて面白かった。同棲中の男とは別の男に誘われ待ち合わせに向かう主人公。イラつく、気にくわない、はじめは感情の起伏が激しい人だなと思っていたが、猜疑心のやりとりや語りにユーモアがどんどん顔を出して観察眼に長けた人だと思った。三人の男と父と。テンポよく熱り立つと言ってもいい文章に織り込まれた呟きが呼吸を止めた。“愛情とは距離、距離の取れない人間は…”。賢い女は自分の不器用な悲しみまでを観察できてしまう、幸か不幸か。恋愛に限らず愛情とは、が真理で心に残った。
0255文字
武井 康則
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ネタバレ背負い水 喰えない話 四コマ笑劇「百五十円×2」 サブミッション 4編を収める。「喰えない」と「四コマ」は中年になった女性の結婚願望と食欲・ダイエットをネタに自虐的、言葉遊びでユーモアを、同じく「サブミ」は写真雑誌記者を主人公でやはり同じ路線でユーモア小説。中年女性の主人公は作者を思わせエッセーかとも思わせる。そんな作品で読者をつかんでいた有名人に賞を与えるのは事前の決定だったのではないか。受賞作は、主人公のコロコロ変わる発言、噓によって事実が変わるわけだが、せっかくのユーモアがない。賞を意識した作品か。
0255文字
東森久利斗
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人が生まれながらに背負う、あらかじめ決められた一生分の水の量。空になったら一生の終わり。長生きも、早死にも水の量、使い方次第。可視化できたら? 視える人もいる? 知りたいとは思わないけど…。背負い運、背負い幸、背負い絆、背負い災、背負い〇、水以外に背負っているものは、人それぞれ。最近、背中が軽いなあ…。ジョシばなワールド。「喰えない話」がベスト。
0255文字
たぬ
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☆3.5 芥川賞受賞作を読もうシリーズ。内容はともかくとして文章のノリがあまり好きではないなあ。厳しいこと言っちゃうと寒い。私自身昔からダイエット欲があるので併録の「喰えない話」が4編の中では一番面白かった。「四コマ笑劇『百五十円×2」も出てくるのがトリッキーな人ばかりで楽しかったな。
0255文字
goMi
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坂口安吾は笑劇(ファルス)を評価していたが、荻野アンナもまた低級な洒落を言いまくる。これほどまでに下劣で、「真剣さ」とか「真面目さ」といったものを嘲笑うかのように書かれていると、もはや清々しいとしか言いようがない。下劣さの中に人間(とくに大衆)の本質を見る、作者の世界観がよくわかる小説集だった。
0255文字
芭茶
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86
0255文字
hit4papa
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こじらせ妙齢女子の日々が描かれた三編、こじらせ中年男子一編の、こじらせ短編集です。著者のコメンテータとしての駄洒落は些か苦手ですが、著作の方はとても愉快。収録作はカレシの怪しい行動に心ざわめかす女子の葛藤を描いた「背負い水」、ダイエットの悲喜こもごもが脳内で炸裂する「喰えない話」、カフェで知り合ったおばさんと交わす婚約者(?)の話「四コマ笑劇『 百五十円×2』」、スキャンダルを追う張り込み記者の日常と衝撃「サブミッション」。タイトル作はおっさんが読んでも妙齢女子のせつなさが響く傑作です。【芥川賞】
hit4papa

いつものバーに寄贈しております。

12/03 09:04
きっしぃ

今度借ります?

12/03 09:12
3件のコメントを全て見る
0255文字
JUN
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いくつかの芥川賞作品を読んだが、この作品はそれらとは異色であると感じた。
0255文字
Tomoaki Yoshino
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表題作は第105回芥川賞受賞作品。4つの作品からなる短編集である。寄り道も多く主題がよくわからない文であったが、その中にクスッと笑ってしまうユーモラスな比喩表現であったり、物事の本質を考えさせるものがあった。あと、感じたのが小説内に登場する独身女性の“痛さ“をうまく表現する。
0255文字
YY
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なーんか、ケーハクなだけっていう印象。もうちょっとだけ真剣みをふりかけてもいいんじゃないかなあ。
0255文字
kaizen@名古屋de朝活読書会
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ネタバレ芥川賞】一生の間で使える水を背負っているという標題の説明が後半に出てくる。銓衡委員の河野多惠子「主人公とジュリーとの背負い水はまだまだなくなりそうにはない。すでに尽きたかのような気配で締めくくってあるのは疑問である」。たしかにまだまだ背負い水があるという点では同感。尽きたかのような気配で締めくくっているのは続編を書くつもりがあると良心的に解釈。
0255文字
茶幸才斎
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チッチー(父)の反対をよそにジュリー(男)と同棲を始めたわたし(女)だが、彼には初めから別の女の影がちらつく。決定的証拠もなく、だが疑念は晴れない中、わたしはいつしか別れる頃合いを探っている。表題作を含む短編4作とも、20年前の初読時は軽やかでユーモア満載の文体が新鮮で心地よく感じたが、今読むと筆者の頭蓋の奥の脳みそを直に見ている感覚に襲われ、少し引く。標題の「背負い水」とは、人は一生分の飲み水を背負って生まれ、カラになると最期、という思想らしい。私の持ってるやつは満タンになると最後で、俗に堪忍袋と云う。
0255文字
ヴェネツィア
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ネタバレ1991年上半期芥川賞受賞作。著者の荻野アンナは慶應義塾大学文学部教授で、フランス文学専攻。たしかラブレーの研究家だった。ただし、作家としての彼女の作品はラブレーには似ていない(たぶん。実はラブレーをよく知らないのだ)。30歳前後の、売れないイラストレーターの「わたし」の一人称で語られる、ある種の恋物語。同棲相手のジュリーとの関係も「ネラネラした」まま。そうした浮遊感の中に独特のリアリティが感じられるが、到達点は誰にも示すことができない。そこがこの作品の新しさといえばいえるだろうか。
エドワード

ヴェネツィアさん!ナイスありがとうございます!この本は面白いのに、41ユーザーなんですね。初めて☆をいただきました。荻野アンナさんは非常に聡明な印象の方ですね。エッセイで読んだことがありますが、都合の悪くなった時はガイジンのふりをするそうです。

09/19 16:02
ヴェネツィア

エドワードさん、コメントありがとうございます。彼女はダジャレが大好きで、落語も得意だそうですよ。

09/20 06:04
0255文字
Yoko Oishi
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自虐的な要素満載の短編集。ここまで自虐に徹することができるのは、なんとなく女性だからかなと思ってしまう。初めて手を出したけど、他の作品も気になりだす。
0255文字
chaco
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萩野アンナさん初読み。本作は芥川受賞作ということで読んでみましたが、私にはあまり良さがわからず。あともうちょっと、という感触でした。
0255文字
エドワード
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背負い水とは、人は皆一生の間に飲む分の水を背負っており、それがつきることが寿命という迷信だそうだ。物語は現代の30代独身女性の日常を描いていて、毎日元気に気をはっていながら、ちょっぴり悲哀がただよう気分だ。「背負い愛」というものもあるんじゃないかなと考える。「喰えない話」はダイエット騒動を描いて本当に<喰えない話>という高等ギャグ小説。メタ小説でもありますね。「百五十円×2」「サブミッション」も高等ギャグ連発で何とも<喰えない>面白さに苦笑!
0255文字
けいちか
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芥川賞受賞作。確か初荻野アンナ作品。これ以降触手が動いていない。
0255文字
ひより
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大昔に読了。
0255文字
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