形式:コミック
出版社:講談社
と思って懐かしくて調べたら、なんだこれ2023年に映画化されてるじゃん。しかも真木よう子だし。山崎はリリー・フランキーだし。まあ分かるけどねそれ。この3月にディスクも出てるし。これは買って観てみようかな。もともと映画的な造りだった。かたちにはしやすかったかもしれない。
コミカルさとシリアスを交互に見せていくんだけど、それが浮いていかない。涙を出せない感情がどちらにしても深くなり、殺してと呟かせる。でもこれから息ができるようになっていくのではと思わされたりもする。本作はコミカルな脇役が出しゃばりそうなのに収まっている。豊田作品によく出てくるアセチレンランプみたいな山崎のキャラクターが良い回し方。サブじいも良いけど。あと、読む度にDucaを聴きたくなるんだよね。
主人公の描き方が良すぎる。 ジェンダーレスでハードボイルド、格好いいのもそうだし、人と改まった形で会うとなった時には「女性的」な身なりをしなければならないことの、なんとも言えない哀愁と切なさよ。 最後、出かける前に口紅を手に取っても結局つけなかったこととか、ビンタすると言ってマフラーをかけてあげることとか、凄まじいとしかいいようがない。
かなえのトラウマが呼び起こされ、水面に浮かび上がるシーン。これは、かなえが本書のタイトルである”アンダーカレント”を内に抱えていた状態であることを読者に想起させていることは想像に難くない。しかし、かなえだけが主人公としてその暗流を内に秘めていたのかというと、そんなことは無いと思う。心の表層部分と深層の乖離が見られるのは、堀も同じだと思うし、かなえの前に再び現れた悟は、嘘を交えずに正直に内心を語ったのかも本当のところは誰にも分からないだろう。→→→
作中で、探偵の山崎が放ったセリフのひとつに「人をわかるって どういうことですか?」というものがあるが、この作品においては、核心に触れるような大切な問いかけのように感じた。”人をわかること”はできないのかもしれないし、できるかもしれない。ただ、作品として心情の表と裏の差異を描き、それが簡単にわからないからこそ、登場する人物たちは現実と違わないリアリティを持って作品世界を生きているのではないか。そしてそれが魅力となって、今日に至るまでこの作品は評価され続けているのではないだろうか。。
×戦闘 → ⚪︎銭湯
実写映画原作本。なんですが、これだけで出来上がってる感があって、もう足したり引いたりしなくていいような気が。映画だと、深掘りするかなあ。。
いえいえ。こちらも「豊田徹也」仲間が出来て嬉しいです。あと、カバー外す事もお忘れなくw
みました、みました!アレは見つけて嬉しかったです〜!
2023年7月5日19刷り
分かります、全員綾野剛に見えました。
ゆうれいごまん様、コメントありがとうございます。全員綾野剛(笑)髪型違う探偵と爺さんすら同じに見えますよね。ほんと邦画っぽい作品です。
映画化決まりました!今秋公開決定です!
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