『時折、墜落、という言葉を思い浮かべる。どうやら自分は、堕ちるということを誠実にやってのけたかもしれない、と思うことがある。 実際のところ、ここまで誠実に堕ちると気持ちがよかった。ごまかしの何もない、赤剥けのひりひりした肌を見せながら、私は堕ち続けていった。どうせ堕ちていくのなら、正しく堕ちたいと願ってきた。』
『どんなに深い恋愛関係に陥ったところで、必ずしも対の関係、対等の関係にはなれるわけではないの。情熱の量を秤で量るわけにはいかないけれど、実際、互いが何の誤差もなく同じ量の情熱を相手に抱いている、ということは稀ね。あったとしても、一時のこと。情熱は本来、流動的なものよ。』
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