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敗れざる者たち (文春文庫 さ 2-2)

感想・レビュー
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ほしゅ
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ボクサー、野球選手、競走馬と馬手、マラソンランナーそれぞれの立場からの裏側、ストーリーが見えてくる。 それぞれ短編ではあるが、リンクするところもあり、面白い。 スポーツを実況ではなく、過程を文字化して、ここまでリアルに人間臭さを表現できるって、著者の表現力に感服。 燃え尽きる人、燃え尽きない人、燃え尽きたいが燃え尽きずに終わる人。深い。
0255文字
アヴィ
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新庄剛志が日ハム監督に就任する何年か前に突如現役復帰を目指すと宣言したが、その当時一部のスポーツメディアが取り上げたのが本書でも印象的な榎本喜八の復帰宣言。2人とも球界の歴史に名を刻む大選手だが、燃え尽きていない情熱が衰えてはいなかったのか。重量級ではなかなか世界チャンピオンが出なかった日本人ボクサーでその可能性を秘めた輪島と内藤。現代のオリンピック選手からは想像もつかない程の重圧に潰された円谷幸吉の遺書。何度読んでも涙が止まらない。
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ただぞぅ
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カシアス内藤の再起を描いた『一瞬の夏』のきっかけとなった本作。噛ませ犬として下降線を辿るカシアス内藤をはじめ、勝負の世界に青春を賭け燃え尽きることなく去っていった者たちを描いた6篇のスポーツノンフィクション。”燃え尽きる"といえば『あしたのジョー』のラストシーン。ボクシングだけでなく全てにおいて憧憬にあたる。「クレイになれなかった男」では矢吹丈を引き合いに不甲斐ない試合で不完全燃焼のままで終わる内藤に対し無力感を抱いている。"いつか燃え尽きたい"と望んでいてもそのチャンスは誰しも訪れるものではない。
0255文字
静かな生活
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REVIEW SCORES 85/100
0255文字
Satoshi
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スポーツの世界で素質がありながら、何か欠けていた者たちを描いたノンフィクション。沢木耕太郎は一貫して、彼らへの敬意に満ちている。すべて良かったが、三人の三塁手と長距離ランナーの遺書の2作が好み。特に円谷の遺書は心が痛む。真面目すぎたうえ、純粋すぎた。
0255文字
カペリン
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若き日の沢木さんの作品。沢木さんの書くボクシング話はなぜか惹き込まれる。
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mike
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勝負の世界に身を置き頂点目指して駆け上がり、期待されつつも、時の運に恵まれず散っていった者たち。ボクサーのカシアス内藤、輪島功一、野球選手の難波昭二郎、土屋正孝、榎本喜八、競走馬イシノヒカル、長距離ランナー円谷幸吉。彼等の熱い姿を描いたノンフィクションである。素質がありながら、あるいは大きな記録を持ちながら、例えば人気スター選手の存在や生真面目すぎる己の性格のせいで、勝者になり得なかった彼等の姿には目頭が熱くなった。輪島の世界王座返り咲き戦を動画で見たが、チャンピオンを凌駕する気迫に圧倒された。
タツ フカガワ

孤高の打者榎本喜八、円谷幸吉の美しくも悲しい遺書、カシアス内藤はのちに『一瞬の夏』に結実。懐かしい! もう一度読んでみたくなりました。

08/24 17:39
mike

タツさん、私は輪島と円谷以外は全く知りませんでした。でも沢木さんの緻密な取材と筆力でどれも惹き込まれました。榎本喜八さんの選手生活終盤は何とも言えないやりきれなさを感じました。

08/24 19:09
0255文字
kawa
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燃え尽きか?カシアス内藤。実はドッコイ輪島功一。両ボクサーを巻頭、巻末に配する構成の妙に脱帽。スポーツ・ノンフィクションの名著と評価される作品なのだろう。「三人の三塁手」では、長島が巨人に入団するまでレギュラーだったT選手が我が町出身だったという事実にびっくり。プロ野球選手としてはそこそこの活躍ながら長島入団で変転の人生に。プロスポーツ選手のセカンドキャリアは一般人以上に難しい問題だ(安易に起業、その勧めは疑問)。本人も含めて周囲の人々の複雑な胸中のなかでの作品化、ちょっと微妙な思い(1976年刊)。
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ぴよちゃん
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⭐️⭐️⭐️⭐️ 図書館本📕 当人なのか筆者なのか、その魅力に惹きつけられる。
0255文字
句点読点
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★★☆☆
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turutaka
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「一瞬の夏」の前日譚として先に読むべきだった一冊。カシアス内藤がいかにして燃え尽きたいと願うようになったのか、この本の最初と最後に描かれている。内藤と輪島、何が違っていたのか。 予め予告された敗北に向かうスポーツ選手(と馬)たちの煌めきと瑞々しさが抑揚の効いた文体で描かれている。
0255文字
DEE
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カシアス内藤の名を最近どこかで目にして、また読んでみたくなり再読。出典を忘れていた円谷幸吉の話もこの本だったのは幸いだった。今では見られなくなったアナログで泥臭い勝負の話。
0255文字
99t
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良かったです
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まろーん
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ネタバレスポーツノンフィクションの短編集。燃え尽きる「いつか」にめぐり合うことがなかった、手放してしまったカシアス内藤と筆者の未練が苦い。50年近く前なので、順序が逆になるので仕方ないのだけれど、榎本喜八のエピソードはその先が読みたかったかな。
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たらお
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再読。沢木耕太郎の初期の頃の短編。若い頃の作品は力強さを感じるが、この頃は第三者的な視点で書かれており、沢木が「凍」や「檀」で確立していたようなまるでその場にいたかのようなスタイルではない。でも、カシアス内藤や輪島功一を書いたボクシングの短編は人物に寄り添っている熱量を感じた。別々の短編になっているが、描く情熱を燃やしきれなかったカシアス内藤と、落ち目と思われた輪島功一が獲った世界戦との対比とつながりが際立っていて良い。才能がありながら逸脱していくカシアス内藤に未練を寄せる沢木の感性に若々しさを感じた。
0255文字
なつけんとし
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ノンフィクションの名作だと書かれていたので、とても古い本であるが読んでみた。表現は旧さを感じさせるが、非常に感情移入できる、熱い文章だった。特に最後の輪島の章には引き込まれた。
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にこ
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昭和のスポーツノンフィクション。
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ヤマコ
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スポーツ・ノンフィクションの古典であり先駆けとも言える作品。何かを求めて戦い続けるボクサー、栄光から切り離されたプロ野球選手、命を絶った五輪選手の軌跡。モノクロの世界で走り続け、刹那的な輝きを手にするも再び静かに沈んでいく…そんなイメージの本だ。特徴的なのはアスリートたちの汗や苦しい息づかいが聞こえてきそうな描写。その泥臭さにグッと惹かれる瞬間が何度もあった。 著者が二十代に書いたものとは思えない熟練さを湛えている。
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satton
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「敗れざる者たち」不思議なタイトルである。負けることがなかった者、常勝の王者についての本なのだろうか? そうではない。誰もがあしたのジョーのように真っ白に燃えつきる-ある意味では甘美な-最後(敗北)を迎えられる訳ではないのだ。 『人間には、燃えつきる人間と、そうではない人間と、いつか燃えつきたいと望み続ける人間の、三タイプがあるのだ、と。望みつづけ、望みつづけ、しかし「いつか」はやってこない。』 待っているだけでは燃えつきることができる時は訪れない。最後の輪島さんの話が印象的だった。
0255文字
よっしー@challenge
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ネタバレどの小編も終盤の文章は著者の巧さが際立ち勝負の世界に生きる選手たちの陰の部分が引き立つ。 カシアス内藤はボクサーとして生命線の「飢餓感」が欠け、燃え尽きることさえ叶わなず。稀代の大スター長島と同世代に生き、心遣いの人柄ゆえに勝負の世界では生きられなかったがスポーツ界から飛び出すと重宝された難波。本人の意思より目上の人たちの思いや期待に翻弄されて苦しんだまま夭折した円谷幸吉。下り坂に入ってもなおプロとして、減量にも弱音も吐かず対戦相手やメディアに"隙を見せる"一見醜い戦略までして「勝ち」をもぎ取る輪島功一。
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鬼山とんぼ
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沢木さん全体を知りたい人には読み落とせない一冊だ。社会人なり立てでカシアス内藤の現場に臨場した経験が、その後のスポーツルポライターとしての運命を決めた。「三人の三塁手」は成功作とは言えないが、渡辺淳一の出世作「光と影」と同様、わずかな差異や選択が一生の模様を大きく変えるという人生の現実を読者に強く訴える。取り上げられている題材がいずれも身近で取っつき易く、沢木さんのスピード感あふれる文体が、読者に余計な気構えをさせないでくれる。創作小説で朝日新聞に連載された「春に散る」はよい意味でこの延長戦だと思った。
0255文字
こいちゃん
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勝負にかける様々な生き様。熱い息遣いが聞こえてくるようだ。ただいかんせん古い。長嶋、輪島というと現役時代を私も知らない。スポーツノンフィクションの古典と言って良いだろう。スポーツを見るよりもやる方がぜったい面白いと思っていたが、もう私も55歳。スポーツをやらなくなって久しい。こうした興奮を見ることで味わえるのなら、見る側に回ろう。そしてそこに繰り広げられるドラマを想像してみよう。そう思わせる痛快作だった。
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こっしゃん
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20210914読了。⭐️⭐️⭐️⭐️☆。昭和中期にスポーツに、文字どおり命をかけた男たちの物語。掛け値なしに心打たれます。
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kazuki
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昭和のスポーツ選手を扱うノンフィクション短編小説。短編集なのだが、スポーツの光と影(勝つ者と負ける者)の影を描いており、それが小説の中で1つに繋がっている印象を受けた。スポーツの勝ち負けにおいては、もちろん勝った者にスポットライトが当たりがちである。しかし著者の沢木さんは負けていく者が自分の信じた道を突き進み燃え尽きる、燃え続けていたことを描く。心を打たれる一冊。 現在シアトル・マリナーズで活躍する菊池雄星投手もこの本に影響を受け、メジャーでのプレーを実現したとのこと。
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takkan
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やっぱり「ドランカー」が一番面白かった。
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はいこうせんせい
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ナンバーで特集されていてそれで初めて知る。スポーツノンフィクションの先駆けとも言える作品で山際淳司や現在ではナンバーなどで当たり前になってきているものを半世紀前から、しかも20代後半にしてこの文章力。本当に素晴らしい。気づいたらそれぞれの選手たちと自分自身を重ね合わせ、感情移入している。円谷幸吉の話が出てくるとは知らずに先日同郷の相澤晃選手のコラムを読んで初めて円谷幸吉の存在を知ったばかりだっただけに非常に印象深い。
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本の小さな虫
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昭和の時代のスポーツ選手の栄光と影、とりわけ影となってしまった選手達のなんともやるせない話であった。本書はスポーツ選手のドキュメンタリー映像のようであった。私が一番心打たれたのは「円谷幸吉」である。彼の遺書は誠に文学的香りがして美しくもせつなかった。真面目すぎるのが仇となったのか、もし恋愛が成就していたら死なずにすんだのではないかと思うと、やるせなかった。
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つちっち
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「勝負の世界に何かを賭け、喪っていった者たち」をテーマにしたスポーツノンフィクション。何人かはテレビなどで知った話もあったが沢木さんの哀惜を込めた文章であらためて読むと印象も違う。いつもヘラヘラ笑ってるばかりだと思ってた輪島功一の意外な内面、いつなったらブッ飛ぶんだい?カシアス内藤、円谷幸吉の遺書には胸が締め付けられる。プロとして生きるには大事な何かが欠けている者たち、しかしそれがプロ以外で生きるための大事な何かを持っていることと同義なんて…そんなのないよなぁ。
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ササーキー
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ああ、面白い。沢木さんは、こういう角度から見るんだな。とても興味深い。
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Haruki Nagasaki
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久しぶりの沢木作品。スポーツ好きとしてはたまらない。個人的に最も印象に残ったのは円谷幸吉選手の作品。ある意味縛られて生きていた中、周囲の期待とのギャップに苦しむ姿。決して自分が不甲斐ない訳ではないので、スポーツ選手などを過度に非難する風潮は無くす必要があると思います。
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ukigumo45
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ノンフィクションだけに厚みが違う。 勝者も敗者も勝つために努力している。最高の舞台のほんの僅かの差。努力が報われない側により感情移入しがちなのは敗者は多様で惹きつけられるストーリーがあるからか、自分と重ね合わせてしまうからか。
0255文字
TK
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燃え尽きる日を待ち望みながらもそれがこないことがわかっているという一文が重くのしかかる
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カノープス
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輪島功一の佇まいに痺れる。対象を格好良く描くのではなく、「見る人」の自覚と距離感、敬意を持って接した事の賜物である。試合描写の巧みさがどんなに時を経てもエモーションを掻き立てる本書の源泉となっている。
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カープ青森
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まるでルポルタージュのように硬質で崇高なスポーツノンフィクション6篇。ボクシング、プロ野球、マラソン、競馬に纏わる、時にハードボイルドの様な熱く鋭い文章。「長距離ランナーの遺書」は心に突き刺さった。ここまで詳細な記述は初めてで、ただ走るのが楽しくてしょうがなかった頃を思うと堪らない。頭の中でずっと茶木みやこ(ピンクピクルス)の歌う「一人の道」が流れてた。イシノヒカル篇では落馬した騎手を気遣い3本足で歩み寄る馬のエピソードと大好きだったライスシャワーと的場騎手に重なり…泣けた。
カープ青森

おはようございます☀ カシアス内藤については、他の作品でも取り上げていますね。輪島功一についてもテレビでタレントとして見ていたイメージと違い、ストイックでタフでクレバーなかっこよさに改めて感動しました。昭和のボクサーの話はジョーや力石と重なり、熱くなってしまいます。 日本のプロ野球史と共に読ませてもらった榎本の話も身に詰まされました。 沢木さんの、タイトルがやたら長かった映画評(エッセイ?)2作も独自の映画選択、着眼や文章が秀逸で作品の雰囲気と絶妙にマッチしていてハマりました。

02/18 07:06
三飯

ジョーとか力石とかは勘弁して下さい。 だって泣くから。 お元気でね。

02/18 09:20
3件のコメントを全て見る
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不易流行
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旧版が手元になく、このほど新装版(文庫)が出たので購入した▽本書には6編の作品が収められていて、それぞれに感想を記したくなる▽先年亡くなった元上司を思い出す。その方の先輩にあたる人物が本作に登場するからだ。「○○さんも長嶋(茂雄)がおれへんかったらなあ(いなかったらなあ)…」。40年前のことばが忘れられない▽円谷幸吉の遺書が美しすぎる。悲しすぎる。メキシコオリンピックのマラソン競技で君原選手が獲得した銀メダルは、円谷選手への誓いのメダルだ▽もし今同じような企画があったら、沢木さんは誰を対象にするだろうか。
不易流行

ふじさん、コメントありがとうございます。本作を読んでから、『一瞬の夏』や『王の闇』が読みたくなりました。カシアス内藤、輪島功一、…。後者には大場政夫も登場していたかなあ。

02/14 09:20
不易流行

麻呂まゆっ!さん、「イシノヒカル、お前は走った!」ですね。この話を書くために、沢木さんは厩舎に住み込んだそうですよ!

02/14 09:23
4件のコメントを全て見る
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ふじさん
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再読。カシアス内藤、円谷幸吉、榎本喜八、輪島功一等、はるか昔のスポーツマン。どれだけの人が覚えているだろうか。一度だけの青春の時を勝負の世界にすべてを捧げて燃え尽きたものの姿を若き日の作者が哀惜を込めて描いたスポーツロマン。今、読んでも登場する人物のその当時の生き様が蘇る。「長距離ランナーの遺書」は何度読んでも心が痛む。沢木耕太郎の初期の傑作。
カムイ

ふじさん、何度読んでも良い本ですよね、カシアス内藤はこの本で知りました。

01/29 15:46
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ゴンゾウ@新潮部
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ネタバレ著者が20代の頃に執筆したスポーツノンフィクション。長嶋茂雄やモハメド・アリのような栄光を浴びるアスリートの陰で敗れ去る者達に焦点をあてている。自らの限界を超えて勝負に挑む姿に共感する反面、彼らの痛みをひしひしと感じた。
0255文字
コウトク
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6篇のスポーツノンフィクションから成る。作者20代、50年近く前の作品。結果が決まっているノンフィクションだが、小説を読むように熱くなってページを読み進めていった。特に最後の輪島功一の話は、これ以上ないボクシング観戦記となっている。みる者としてのボルテージの上がりぶりが直に伝わり、私まで熱くなった。今まで読んできた沢木耕太郎の文章の中でも、この表現は抜群だと思う。こんな熱い試合を観たい。体感したい。そして、このような熱くみずみずしい文章を書いてみたい。
0255文字
ぽった
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面白い。取材力と文章力。
0255文字
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