読書メーター KADOKAWA Group

猫と庄造と二人のおんな (新潮文庫)

感想・レビュー
759

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
ユリアナ
新着
猫好きというより、犬好きの私にも、たまらない小説。ニャーとしか言わないリリーが言葉を話しているような錯覚にもなった。リリーを取り巻く人間の気持ちも痛いほどわかるし、リリーの表情、しぐさも目に浮かぶ。解説にあったが、リリーのような純粋さゆえに高みにある存在は、人間に崇拝をしいると同時に、それ自身はかなり気まぐれなものであることに全く同感。気まぐれと分かっていながらも、それを求めてやまない人にも親近感以上のものを感じる。
0255文字
髭剃粉
新着
ネタバレぎゅっとしたら「猫を可愛がれる状況にある幸せに気づける人と気づけない人」の話だと感じた。それだけの話をここまで読めるものにするのは流石って感じだな。手塚治虫展に行った時、手塚治虫の部屋を再現した作業机に置いてたから気になって読んだが、手塚治虫も猫好きやったんやろか。
0255文字
桃山
新着
女二人に取り合われるハーレム小説か…キツイな…と思いきや、「美猫の奴隷になりたい」という安定のマゾ小説〜ケモナー要素もあるよ〜の性的倒錯ビュッフェで混乱した 猫は終始元気なので猫好きも安心して読めます 男はカスです
0255文字
えふさん
新着
タイトル通りのお話でした。猫をめぐって男女がぐだぐだっとする。 猫のリリーがなかなかの魔性の女ですね。魔性すぎて猫なのに、猫に見えなくなる瞬間すらあります。谷崎潤一郎の描写が相当な猫好き感溢れています。
0255文字
にゃんち@雑食系
新着
★3.2。いかに猫が愛らしい獣であるかが濃密に描かれている。庄造がポンコツすぎてイライラした。
0255文字
ちくわん
新着
ネタバレ1936年1月と7月の改造。1956年キネマ旬報ベスト4位の映画も気になりつつも、谷崎先生の実力を目撃た。前妻、今妻、母……そしてリリー。ん~ん、ん~ん。1996年3月のドラマも気になったが、やはり谷崎先生の凄さをみた。次はエ……で。
0255文字
天気雨
新着
解説 春琴抄 互いに相手に隷属する決意から得られた完璧な充実の世界
0255文字
5〇5
新着
~10文字レビュー~                                    「ツンデレ猫リリー最高」 ニャア ニャア 🐈
0255文字
記録
新着
1934年。ものすごく面白い。砂を盗む品子にジワジワくる。この時代の関西弁も読んでるだけで楽しい。
記録

磯田光一の文庫解説に膝を打つ。「人が支配を完了したとき、彼がそこに見いだすのは、もはや何もすることがないという現実である」「彼は何ものかに隷属すること、いいかえれば何らかの奉仕の対象を見いだす以外に生きがいはない」(1970)

11/06 13:50
0255文字
大和桜289
新着
ネタバレ霜月の一冊目は、谷崎でこれくらいの薄い本ならばとてにしたのだった。猫のリリーと主の庄造と二人の女、品子と福子、この一匹と三人の微妙な関係性を描いたものだった。この三人の男女だれにも共感を覚えられず、あかんたれでいい加減な庄造にもうんざりだが、こんな男の妻の座を巡ってさや当てをする女の気持ちもよくわからない。時代背景を斟酌しても人間どもの生態はどこかぼけている。これに反し、洋猫のリリーの姿態は怪しいまでに妖艶で、人間様以上の存在感を放っている。誑し込まれたようなものだが、猫に魅了される様はそうしたものか。
大和桜289

書名「猫と庄造と二人のおんな」のとおり、猫さまが一番偉くてそれにかしずく者どもの感すらする。猫との関係性もこれくらいまでいかないと猫好きとはいえないのかも。あなおそろし。

11/03 06:14
0255文字
LaVieHeart
新着
ネタバレ今読んでいる、河合隼雄氏の「猫だましい」という本に紹介されていた1冊。 猫って自由だし何考えてるか全く分からないし、「猫に好かれたい」とか「猫に構ってほしい」とか、つい思ってしまうのよねー。作中でも登場人物達は全員、リリーという1匹の愛くるしい猫に振り回される事になる。 それにしても、この庄造という男、流されやすいくせに自分勝手だし、1㍉も魅力的じゃないんだけど何で品子も福子もこんな男に拘るんだろう?という謎。庄造のその後は色々想像してしまうが、どうなるにしろ間違いなく、彼にとっていい未来はないわね。。。
0255文字
青
新着
【愛猫家必読の風刺劇】に興味をそそられ無事読了。短い作品かつ単純な題材でありながら、非常に濃く感じたのは庄造のインパクトが強いためか...。意外と策略家か?と思う描写が出てきては、いや矢張りどうしようも無い人だと感じさせる、流石。「痴人の愛」でもそうだが、尽くして身を滅ぼすという痴態にこそ表れる人間の有り体を描き出している。唯一無二で、最早美しく見えてしまう。本作が猫への激情であるにもかかわらず猫が女に見えるのは、描き方故か、その自由気儘さ故なのか。所詮猫、然れど愛猫。愛が向けられると途端に変容する価値。
0255文字
シロクマぽよんぽ
新着
ネタバレ猫と人間、嫁姑、学歴、土地(芦屋・六甲・尼崎)、交通(新国道と旧国道)、老い、自然災害など、巧妙に配置された力関係が面白い。《猫>庄造の母>庄造>福子>品子》という関係が、終盤では《老いた猫>品子>庄造》《福子>老いた庄造の母>庄造》という関係に変わっているように思う。谷崎作品らしく屈服する男性が描かれ、最終盤で庄造は行き場を失っているが、それでもなんだかんだこのまま庄造の生活は変わりなく続いていくんじゃないだろうか。焦点化される人物の内面の移り変わりも絶妙。磯田光一の解説、細江光の注解も含めて買い。
0255文字
Taku Kawaguchi
新着
谷崎潤一郎って猫好きなんですね。 ちょっとびっくりしました。 短いお話しで、読みやすかったです。
0255文字
かうわそ
新着
猫のリリーちゃんが魔性の女に見えてくる、さすが谷崎潤一郎。
0255文字
眉毛ごもら
新着
ネタバレリリーちゃんが魔性の女である。リリーちゃんは猫である。猫をめぐって男女女がうだうだグダグダしている話。庄造が悪い意味でリリーちゃん溺愛し過ぎで家族関係を破綻させている感が半端ないけれども品子に引き取られたリリーちゃんは幸せになりそうなのでハピエンということにしておこう。この後人間関係はハピエンになったのかと言うと多分だめだろうなあ感が。福子との関係も破綻しそうなので品子とリリーちゃんだけで暮らしたほうが幸せになりそう。庄造と再会した時の若干の塩対応がもうあの頃には戻れない感を演出していて味わい深くて良い。
0255文字
ame
新着
寵愛を受けても恩も義理も感じていなさそうなリリーの超然とした態度がとても良い。存分に愛される女というのは、結局こういう賢くて図太い美人なのよねぇと猫ちゃんを見て思った。
0255文字
今野琢
新着
庄造は、現在の妻である福子と、雌猫のリリーと一緒に暮らしている。 そこへある日、庄造の前妻である品子から福子宛てに、かつて自分も共に暮らしていたリリーを譲ってほしいという手紙が届く。 福子は、庄造のリリーに対する溺愛ぶりに嫉妬していたこともあり、品子に譲ることを勧めるが、渋る庄造。 夫婦喧嘩の末、結局は譲ることに同意した庄造は、以前にも他所へ譲られたことのあるリリーが自力で戻ってきたことがあり、それを期待していた 。
0255文字
酩酊斉案山子
新着
こっちも痴人だらけなんだけど痴人の愛より面白かった。基本的に誰一人として感情移入できないんだけど場面ごとに移入してしまうのは何故なのか。オチは唐突。
0255文字
CBF
新着
ネタバレ(★★★☆☆) 一匹の猫を中心に、猫を溺愛している愚昧な男、猫に嫉妬し追い出そうとする女、男への未練から猫を引取って男の心をつなぎとめようとする女の、三者三様の痴態を描くー。 コメディみたいで面白かった。一番賢いのはあっさりと飼い主を乗り換えつつ、快適な生活を確保する猫。自分の都合の良いように色々と画策する人間側の登場人物は、結局誰も思惑通りには行かない。それでも一番幸せなのは、一方的に離婚された後に猫と暮らす楽しさに目覚めた品子?妻を追い出した庄造がしっぺ返しに合うかのような最後のシーンが秀逸。
0255文字
あなたとわたしは花紺青
新着
序盤の戯れの箇所は俺も「いやいや福子猫猫。ただの猫やないか。」思ってた。が!中盤辺りから一匹の雌猫が一人の女になっていくのよ。怖い!谷崎マジック!大文豪!女にみえてくるとそら女達憎らしくなるわなぁと思っちゃった。そして、読み終わるときっとリリーが視えてくる。怖い!谷崎マジック!愛猫家!
0255文字
ブラウ1589
新着
★★★★
0255文字
rigmarole
新着
印象度B+。巻末の注解が親切で、言葉以外にも物価や場所などについて詳説されており、当時の状況が容易に想像できます。庄造にとっては悲劇というか、無念な結末かもしれませんが、全体として、私はこれでいいのだと思いました。皆それぞれに不満を抱えながらも、なるべくしてそうなっているのであって、落ち着く所に落ち着いた、それを甘受しなければならない。それにしても、それぞれの場面における各人物の繊細な心理をきめ細かく描写する筆力には、あらためて唸らされました。それと、本書の読後でも、やっぱり私は猫が好きになれませんね。
0255文字
イケダ
新着
初谷崎潤一郎。読み慣れない文体で馴染むまでに時間がかかった。朝ドラを見てるよう。まずこれを選んだのはタイトルに惹かれて。手塚治虫ブラックジャックの似たタイトルの漫画とどう似たものかという興味から。感想としては「猫、可愛いよな!」ってところか。
0255文字
みんみん
新着
流れるような文体に一行目から心鷲掴み。夕餉のとき、庄造と戯れるリリー。品子が入れた湯たんぽに顔を輝かせるリリー。本編のリリーがとにかく可愛い。嫌がらせのためにリリーを引き取ったはずが、夜中に小学校の運動場に忍び込んで猫砂を取ってくるなど、いつのまにか猫(リリー)の下僕となっているのがなんとも可笑しい。2時間もかからず読めるし、谷崎入門としてもおすすめ🐱
0255文字
てとら
新着
めっちゃ、コメディ。 猫リリーのコケティッシュな描写が素晴らしいなぁ。
0255文字
しょう
新着
ネタバレ猫のリリーをこよなく愛し可愛がっている庄造。そして姑の策略により追い出され、庄造の妻の福子にリリーを譲るよう手紙を出す前妻の品子とリリーに嫉妬している現妻の福子。猫をキーとしてややいびつな三角関係を作り出しているのも斬新ではあるが、それぞれの心理の複雑微妙な所を丁寧に描写されているのが流石という感じがする。徹頭徹尾コメディタッチで描かれており、三者三様それぞれの形でリリーに翻弄されているように見えるのがまた可笑しい。谷崎文学にしては尖った内容ではなく読みやすかった。
0255文字
佐々木 一博
新着
ネコ嫌いだが、読むのがなくなり手に取ってみた。庄造はどこまでもしょーもないが、品子の気持ちの変化は、自分には読みどころだった。ネコ好きにはおすすめ。
0255文字
G❗️襄
新着
猫が殊の外好きで、男女の機微に鈍感なオジさん、庄造。何処かしら他人事とも思えず、自分が作中に晒されているようでビミョーな気分になる。前妻と現妻とが猫の“リリー”を引き合いに、夫庄造の気を引こうとして物語は進む。一見、女の意地の張り合いかと思われるが、物語の様相は次第に庄造の愛情の本質へと移っていく。庄造の五感に染み込んだ“リリー”の記憶は、別れても庄造を虜にし続け、支配から逃れられない男の悲しい性を浮き彫りにしていた。何とこれは、『痴人の愛』の“ナオミ”の“🐈リリー”への置換ではないか。またしても谷崎!
0255文字
レフラー
新着
うん十年ぶりに読んだらなんと味わい深い。 そもそも谷崎潤一郎の文章の豊かさはなんだろうか。 けっして気持ちのいい話ではないのに読んでいるあいだ中、心が満たされていた。 いまやそれが普通という、猫はご主人というネットミームの出所はここなのではなかろうかなあ。 確かに人間には隷属の欲望がある。
0255文字
たつなみそう
新着
優柔不断で甘えっ子の床造は不思議に人から好かれる。彼の唯一の安らぎは、猫のリリーと戯れること。前妻の品子は床造と義母のために家計まで助けたのに裏切られ、浮気相手だった福子に床造をとられる。彼の愛猫を利用して、福子を追い出し復権しようと計略を立てる。だが、嫌いだった猫リリーと暮らしてみれば、人にはない愛情が湧いて離れがたい。何とも、家族や男女の機微に触れる谷崎の筆致。そして、こよなく愛する猫の描写。男女の愛憎や親子のねじれを猫を絡めて描く、すごい小説だ。春琴抄も読んでみよう。
0255文字
kochi
新着
母親や周りの策略に乗り、前妻品子を追い出して、親戚筋の福子と再婚した庄造。品子は庄造が可愛がる猫のリリーを欲しいと福子に訴えるのだが、その魂胆は… 全編に繰り広げられた素晴らしい関西弁の世界。何気ない言葉にも注釈がついていて、それが標準語への説明だったりする。そんなにわからんかなぁ^_^ 知った地名も登場して、実家に帰ったような心地よい雰囲気を味わいながら、よその地域の人には、我々の会話もこのような注釈が必要なのだろうか?と気になる。昔は花登筐とかのドラマか沢山あったような気がするが、あれって全国向け?
0255文字
めがねまる
新着
猫リリーを中心に、猫を愛する庄造と、庄造に追い出された品子と、今の女福子の3人それぞれの心模様が描かれる。リリーちゃん、サビ猫ですね!?そりゃかわいいわぁ(サビ猫好き)猫を溺愛する人間の姿は間に誰をも挟む余地がない。結果誰も満たされず猫だけが丸く収まるラストが見事だった。あと文体が流麗で意外なほど読みやすい。ひと文が長く改行も少ないのに一気に読める。やわらかい関西の言葉が気持ちいい。上手なオーディオコメンタリーがあったら聴いてみたいかも。
0255文字
yu12418
新着
動物を飼うときは、愛情を注ぎ込みすぎてしまうと家庭に不和をもたらす危険性を孕んでいる側面もあるので、距離感というのは生き物の種を問わず大事なんだと思った。 解説にある隷属の拒否ということに集約されるのかもしれないけど、愛情の序列について夫婦間の認識がずれまくっているのが破滅の発端なのではないかと思った。
0255文字
不見木 叫
新着
耽美さを残しつつどこかコミカルな語り口。三者の思惑を飄々と躱すような結末が笑いを誘う。
hanchyan@戯れせんとや生まれけん

コレは良いっすよね~

06/29 17:53
0255文字
くまたん
新着
ネタバレ手塚治虫のブラックジャックに「猫と庄造と」という本作をオマージュした作品があったので、いつかは読んでみたいと思っていた。本作のテーマは、「愛は隷属」。猫のリリーを中心に何とも言えない人間関係が書かれている。また、文豪が猫を描くと、文字の中でも生きているかのように愛くるしく動きだすことにも驚いた。天才の天才たるゆえんなのだろう。なお、実家の近所が舞台となっているので、その点でも楽しめた。
0255文字
いたろう
新着
谷崎文学にしては、耽美でも背徳でもない、ちょっとコミカルな味わいのある作品。庄造と彼に離縁された元妻、新しい妻を中心とする話だが、更に中心にいるのは、庄造が可愛がっていた猫のリリー。ある思惑の下に、現妻の福子をそそのかして、リリーを譲ってもらった元妻の品子だったが、庄造は、リリーに会いたくてしようがない。その辺りの、庄造、品子、福子、それぞれの思いが、ちょっと面白可笑しく描かれる。谷崎作品に、こんなテイストの作品もあったのかと、思いも新たに。これからどうなると思ったところで完。この先を考えさせる余韻の妙。
0255文字
ひさこ
新着
633
0255文字
熊尾はなつ
新着
ネタバレ終わり!?続き読みたいよ潤一郎!庄造はもしかしたら本当に宿無しでいちばん可哀想なのは自分かも…って思ってたけど、本当にそうかも…!?序盤の、リリーと庄造の晩酌…猫なのに艶かしい筆致で…なんか…えっちで…禁じられた扉な感じが良かった。リリーと品子が仲好くなってくの良かった。やはり人間よりネコチャンのほうが上…。あと谷崎潤一郎がネコチャンの行動を解ってる上で、可愛い少女とか艶かしいおんなのひとみたいにリリーを描くのうまい。鼈甲猫って言い方好き。私が家庭小説好きなのもあるけどとっても面白かった。
0255文字
貴
新着
どんなに愛情を傾けても、すぐには心を開いてくれない。 心を開いてくれるまでは、なんとなくそっけない態度をとってしまう。でもそんな猫がとても好きです。
0255文字
全759件中 1-40 件を表示
猫と庄造と二人のおんな (新潮文庫)評価68感想・レビュー759