「怪談」の又聞きをどこまで遡行するかは、著者たちの「物語作者」によって違いが出る点だと僕は思います。ちなみに、『黒衣聖母』の冒頭と終盤で、芥川の「物語作者」は現在の語り手と田代を常識的に描写して、「現実」へ読者を誘導していました。
マリア観世というのはキリシタン弾圧の時に拝されたようですね。黒衣というのは、本当に黒いようです。本書では「黒檀を刻んで」となっていましたけど。
はじめまして。ご感想から、たいへん興味深い読書をさせていただきました。ありがとうございます。このへん、隠れキリシタンについての、ちょっとご参考になりましたら。 http://artworks-inter.net/ebook/?p=139 また芥川ではなくギリシア神話周辺だったかと思いますが、何かの像か神殿を造り上げ、「さぁ、祝福(お恵み)を!」と願ったところ、翌朝に死んでいた……という話もあったと思います。そのころは「生は苦、死によって開放」のような思想があり、何よりの祝福=お恵みが「死」だったという……
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