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アラビアン・ナイトメア (文学の冒険シリーズ)

感想・レビュー
25

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ネタバレ1999年の本。挿絵がすごくいい。
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ケロリーヌ@ベルばら同盟
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15世紀末、マムルーク朝スルタン・カイートベイの治世に黄昏が忍び寄るカイロ。野心家の若き英国人が陥るアラビアの夢の病。ねっとりと暑い、香料と汚穢と雑音に充たされた小さな箱に閉じ込められ、あちらこちらに転がされ、揉みくちゃにされるような悪夢から、やっと目覚めれば、それはまた新たなる夢の入り口。入れ子の夢。千夜に亘って語られる法螺と魔法の物語。語り部の正体は?夢見ているのは自分か、それとも誰かの夢に囚われているのか?混沌の物語を細密な装画が 彩る。中世アラブ史の碩学である著者の豊かな知見の上に咲く奇想の徒花。
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そのはち
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アラビアの悪夢に罹ったのは誰か。作中、お前かい!と思う人物だったけど、結局のところ皆がアラビアの悪夢を見ていたとしてもおかしくない。読者すらも巻き込まれているかのような感覚。夢から覚めたかもあやしい。
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tsuki2b
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15世紀、マムルーク朝のカイロが舞台。アラビアの悪夢をめぐり、英国人バリアンを中心に、怪しいヴェイン、娼婦ズレイカ、眠りの館の〈猫の父〉、語り部ヨルらが入り乱れる。夢が現実を侵食し、カイロの街を彷徨するように、物語の中を悪夢のごとく迷い歩く。魔法や魔神、人猿などが登場し、雰囲気をたたえた挿画を伴って、もう気分はアラビアン・ナイト。「もしかしたら本当の真の語り手は……」に同意。
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Kouro-hou
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中世アラブ研究者である著者の作家デビュー作。1400年代末期のマムルーク朝のカイロを舞台に陰謀と悪夢の多重構造の物語が展開される、というか細かいあらすじは書けないw話でもある。一応バリアンという英国人の中心人物はいるものの、現実なのか彼の悪夢なのかの境目はわざと混乱させるようになっており、全部悪夢でいいよ的にいい加減に読みました。すみません。バリアン嫌いと堂々と言う仕掛けありな語り手が人を食ってて良いw 風俗描写が細かくて興味深く、当時のカイロが描かれた挿絵もエキゾチックで素敵。
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ネムル
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アラビアの悪夢に罹患したら、夢につぐ夢を見て、そこから覚めると鼻や口から血反吐を撒き散らし倒れ、それでなお夢の入れ子が終わったかどうかわからない。という、虚構まみれ罰ゲームを読み進めるうちに本当に風邪気味になるという、もう一つおまけの虚構まで貰ってしまった。終盤のサラゴサ・オマージュぽいところから、少し体調を持ち直したが、随分シンドい正月を過ごしたことは忘れないよ。不穏な年明け……。
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hal0609
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文章は平易なもので読みやすいんですが、お話が入れ子構造になっていて、現実の話だと思ったら夢の話だったり、夢が覚めたと思ったらまだ夢の中の話だったり…。さらに現実や夢のそれぞれのレベルで似たようなエピソードが繰り返し語られ、次第に目覚めているのか夢なのかわからなくなってきます。途中でノートをつけようかと思ったんですが、この混乱はおそらく作者の意図したものだろうと考え読み進めました。 すぐに読み返す気にはなれませんけどきっとそのうち。 再読したくなる本て、ボクは良い本だと思います。
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aoneko
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わけがわからないものを次々とぶつけられる快感に酔った。ていいますか酔いしれた(わりとツッコミもはいる)。語りの見事さに巻きこまれ、ふらふらとついていったらば、そこはカイロの迷宮で...というのも魅力で、著者アーウィンは中世アラブ史はじめ、中近東の政治史・美術史の研究者らしく、その背景も面白い。<夢を見る者が、別の人間に夢見られている存在である...>というテーマや語り手についてのおおがかりなトリック(こ、これはもしや...本当の真の語り手は......という彼れ)も、興味深くって楽しい。
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IKUNO
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『アラビアン・ナイトメア』(ロバート・アーウィン/若島正訳) <国書刊行会> 読了です。 一つ一つの話は面白いのですが、あちこちに視点がどんどん移って行き、とても読み辛いし筋を追い難いです。 パヴィチの『ハザール事典』を長編小説にして読み難くした感じ。 私は寝る前に少しずつ読んでいたのですが、一気に、かつ、丹念に読むともしかすると面白いのかもしれません。
0255文字
rinakko
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再読。素晴らしくてほれぼれ。悪夢に苛まれ人が内側から蝕まれていく…奇妙な流行り病が蔓延する15世紀のカイロを、夢からうつつ、から夢、醒めたと思っても夢また夢…とさ迷う。秘密の任務を担う(そうは見えぬ)バリアン。謎のイギリス人ヴェイン、眠りの館で力をふるう〈猫の父〉、娼婦ズレイカ、不潔な語り部ヨル…と、一癖二癖ある登場人物が入れ替わり立ち替わり現れ、街には見えない包囲網が張り巡らされ…(バリアンらりってる場合じゃない!)。分身物語の入れ子構造。酩酊と官能も宜しく、後半の脱線から人を喰ったラストまで堪能した。
rinakko

語り手がバリアンを嫌っているのも可笑しい。

12/24 08:00
0255文字
凛
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入れ子の迷宮。話の中の話の中の…と続きながら数個前の話に戻って補足する。その補足話の中の話の中の…と行ったり来たりして何を読んでるのかだんだん朦朧としてくる。かと言って完全に破綻してる訳ではなく時々繋がってる部分が出てくるが正確にどことどこが繋がってるかさっぱり判らない。時々整合性を取ることでより複雑さに拍車がかかる。読者にとっては一体いつが始まりで終わりなのか判らない永遠に続きそうな奇妙な読書体験が悪夢となるだろう。舞台となる15世紀カイロの挿絵がリアリティと味があって素敵。乾いた風の中で夢を見よう。
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ヒツジ
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夢と現実が入り乱れていて、次こそ騙されまいと思っていても騙されてしまう。無限に配置された入れ子構造と挿話の中の挿話の中の・・・と続く挿話に振り回されてページを戻して確認しているうちに頭の奥が痺れてくる。エキゾチシズム溢れるカイロの街の描写も迷宮的で一層混乱する。夢から醒めても夢の中。夢と現実両方で陰謀が進行し、不確かなものだらけで、後半に進むにつれてこちらも一行一行丁寧に読み、恐る恐るページを繰るときに覚えるあの感覚は普通の小説ではなかなか味わえない。
0255文字
三柴ゆよし
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夢は終わらぬ夢を孕み、物語は無限の入れ子構造をなす。最凶の悪夢小説、ここにあり。物語の要約はほぼ不可能、それを語る者の存在すら定かでなく、頁を越えて、私たち読者が安閑と享受することを許された虚構(または夢)の約束事まで破壊し尽くしてしまう。アラビアの夜の悪夢と怪しげな語り部によって織り成される奇怪な物語に誘われ、読者は一体どこへ連れ去られるのか。最終頁まで行き着いても、正直よくわからない。脳味噌を直接鷲掴みにされるような迫力と酩酊感を味合わせてくれる、虚構のなかの虚構というべき、空恐ろしい小説であった。
おおた

これは本当にいい本で、もっとこういうの出してほしいですよね。わけわかんないなりに、読んでいる時のドライブ感があると思うのです。

07/03 21:11
三柴ゆよし

夢の中でまた夢に落ち、その夢の中でまた更なる夢に落ち……という運動が反復されることで、なんともいえないドライブ感が生み出されてますね。本当にいい本です。

07/04 00:39
3件のコメントを全て見る
0255文字
11番
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継ぎ目の見えない夢の世界と底の見えない入れ子構造は俯瞰して眺めることを妨げ、読者はむしろ早々にそういうことを放擲してしまい、螺旋階段を降りていくようにどちらを向いているか分からないままいつ果てるとも知れない悪夢に望んで沈み込んでいく。ただ物語に浸っていたいというのはある意味まさしく千夜一夜物語なんじゃないだろうか。「私の物語の謎のひとつは、アラビアの悪夢にかかっている人間は誰だろうという問題だ」という問いかけに目が眩み、そこから「ひょっとするとあなたかもしれない」なんて言われた日にはもう恍惚としてしまう。
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おおた
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絶好調のボルヘスが長編を書いた! と言われたら信じてしまいそうな勢い。アラブの砂漠で玉ねぎの皮をむき続けるような熱気と酩酊。悪夢を見続ける病をめぐって、イギリス人の二重スパイと“猫の父”との駆け引きが、灼熱のカイロで繰り広げられる。オールタイムベスト10に入る傑作。
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河合部長
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入れ子どころか、箱根細工状態。
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rinakko
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悪夢、そしてまた悪夢――が入れ子になった構造に、ずぶずぶと浸からされて存分なもてなしを受けてしまった。と、今はそんな気分。振り回されてご満悦なのだから世話がない。惑わされ踊らされ翻弄される快感。ちゃんとわかっているつもりで読み進めていたはずが、やっぱりいつの間にやら夢の中に迷い込んでいたよ…と、何度も唇を噛まされる迷宮小説だった。…時々お調子の良さが少々気になった語り手の独白。冒頭にて、これはガイドブック形式のロマンスであるぞと断わってくるくらいなのだから、本当に人を喰っている。
0255文字
クランチ
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悪夢の入れ子構造と描かれるカイロの風景に幻惑される小説。書き手が決して現代からではなく、同じ時代に降り立って書いている感じがするのがいい。
0255文字
nightowl
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カイロの街並みが描かれてる部分だけでも幻惑されてしまうのに、そこに夢と現実が交錯することでさらに混沌振りを増す。夢幻のような雰囲気の作品が好きな人にはたまらないものになりそう。挿話の章は複雑ながらそれなりに不思議なまとまり方をしていて一番好きな箇所だ。
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脂肪分
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終盤の入れ子地獄は笑えたんだけど、前半を目的地がないまま読まされるのがつらい。
0255文字
きゅー
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豊穣な悪夢の世界。読み応えがある内容。ただしストーリーについて説明するのは非常に難しい。
0255文字
未然
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入れ子に次ぐ入れ子、挿話に次ぐ挿話、錯綜する人間関係、悪夢のなかで悪夢を見てその悪夢のなかでも悪夢を見る幻惑的迷宮小説。
0255文字
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アラビアン・ナイトメア (文学の冒険シリーズ)評価85感想・レビュー25