形式:単行本
出版社:鳥影社
とは云え、読む価値のない内容かといえばそんな事はなく、例えば『アレクサンダー大王』などは、自分が初見時いかにこの映画への理解が浅かったかを教えられた秀逸な評論だと思った。特に、この映画にまつわる「円」のイメージから英雄論を読み解いてゆくメタ解釈はかなり刺激的で、執拗に繰り返される360度PANの意味が判ったし、「円」のイメージによって大衆を支配していた英雄が、ラストで自分を取り囲んだ(=円)大衆によって「円形の広場」で滅ぼされる、という解説はかなり面白い思う。
ただ難点は、夢中になって読み進めない・・・一種の読みづらさが伴う文章で、続けて読んで行きたい、という気にさせてくれないのだ。例えば高山宏の文章なんて、メッチャ難しくて何が書いてあるのかよく判んなかったりするけど(笑)、その一方でムッチャ面白くてなぜか「読まされちゃう」でしょう。そこはやっぱり書き手の遊び心なんだと思う。自分が面白いと思った事を、いかに相手に面白く感じてもらうか。ただ言いたい事を主張するだけじゃ、誰も耳を傾けてくれないんだよね。まあ、本書はいずれ体勢を立て直していつの日か再挑戦したいと思う。
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とは云え、読む価値のない内容かといえばそんな事はなく、例えば『アレクサンダー大王』などは、自分が初見時いかにこの映画への理解が浅かったかを教えられた秀逸な評論だと思った。特に、この映画にまつわる「円」のイメージから英雄論を読み解いてゆくメタ解釈はかなり刺激的で、執拗に繰り返される360度PANの意味が判ったし、「円」のイメージによって大衆を支配していた英雄が、ラストで自分を取り囲んだ(=円)大衆によって「円形の広場」で滅ぼされる、という解説はかなり面白い思う。
ただ難点は、夢中になって読み進めない・・・一種の読みづらさが伴う文章で、続けて読んで行きたい、という気にさせてくれないのだ。例えば高山宏の文章なんて、メッチャ難しくて何が書いてあるのかよく判んなかったりするけど(笑)、その一方でムッチャ面白くてなぜか「読まされちゃう」でしょう。そこはやっぱり書き手の遊び心なんだと思う。自分が面白いと思った事を、いかに相手に面白く感じてもらうか。ただ言いたい事を主張するだけじゃ、誰も耳を傾けてくれないんだよね。まあ、本書はいずれ体勢を立て直していつの日か再挑戦したいと思う。