形式:ライトノベル
出版社:小学館
が間違っていたのか、悔いが残る。最後に残っていたのは紅茶の香りがしない部室。平塚先生の言葉が的中した形。仲のいい奉仕部が見れることを祈って見守ります。
→しかし「奉仕部を存続させる」は本当に彼の望みだったのか?それは彼ではなく、由比ヶ浜の望みではなかったか▼もし奉仕部が雪ノ下と八幡の二人だけだったら、八幡は間違いなく雪ノ下の立候補を推しただろう。「うわべだけのものに意味はない」それが八幡と彼女が唯一共有していた信念だったろうから▼そもそもが「奉仕部」という部活動は矛盾をはらんでいるのだ。野球部もサッカー部も、他の部活動は自分たち部員自身のために活動する。しかし奉仕部に「自分たちのための活動」はない。他者のための活動だからだ。→
→それを突き詰めれば必ず部は瓦解する。それが存在理由なのだから。八幡にそれがわからないはずはない▼本巻で八幡のトラウマの一つが明らかになる。これまで彼は好きになった女の子に手酷く裏切られたことから極度の人間不信になったと思っていた。しかし本当の理由はこうだ。「辛いのは、自分が好きだと思っていた子に、そのくらいのことで失望している自分に気づいてしまったことだ。そんなことすらわからなかった」もしかすると雪ノ下もその時の八幡と同じ気持ちを味わっているかもしれない。
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