形式:単行本
(3)そして、ますますその可能性が高まってるとすれば、破滅は必然的かとも思える。このような状況を克服する力が人類にはあるのだろうか。今現在はないとしても、将来変われる可能性があるのだろうか。そのような疑問に対して、生物学的進化だけでなく、社会的、文化的進化といった面からも、考える材料を提供してくれた。生物進化が環境からの淘汰圧に対する適応によってのみ為されるものならば、破滅へのカウントダウンに進化的適応が間に合わないということになるかもしれない。しかし、進化とは外的要因への適応だけでなく、→(4)
(4)内的要因による構成によっても成し遂げられる。確かに、人間の権利の範囲の拡大を見ても、奴隷の権利、原住民の権利、労働者の権利、女性の権利、身体障害者の権利、性同一性障害者の権利、動植物の権利等々へと徐々に拡大していることは間違いないだろう。このような、他者への共感の拡大とも言える進化は、環境への適応といった進化論だけでは説明がつかない。人間のこのような内的構成力による文化的進化力に期待するしかないような気もする。
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(3)そして、ますますその可能性が高まってるとすれば、破滅は必然的かとも思える。このような状況を克服する力が人類にはあるのだろうか。今現在はないとしても、将来変われる可能性があるのだろうか。そのような疑問に対して、生物学的進化だけでなく、社会的、文化的進化といった面からも、考える材料を提供してくれた。生物進化が環境からの淘汰圧に対する適応によってのみ為されるものならば、破滅へのカウントダウンに進化的適応が間に合わないということになるかもしれない。しかし、進化とは外的要因への適応だけでなく、→(4)
(4)内的要因による構成によっても成し遂げられる。確かに、人間の権利の範囲の拡大を見ても、奴隷の権利、原住民の権利、労働者の権利、女性の権利、身体障害者の権利、性同一性障害者の権利、動植物の権利等々へと徐々に拡大していることは間違いないだろう。このような、他者への共感の拡大とも言える進化は、環境への適応といった進化論だけでは説明がつかない。人間のこのような内的構成力による文化的進化力に期待するしかないような気もする。