当事者200人への500時間のインタビューと巻末の夥しい資料で、CDSを巡る2006年~2008年の世界金融危機をウォール街を舞台とした悲劇の中、ゴールドマンの「陰謀説」という言葉がさらりと記され、感情移入を旨とする悲劇に喜劇的人物として描かれるリーマンのCEOファルドが違和感を持たせる。邦題をコンフィデンシャル(内密)とした理由は不明だが(原題「Too Big To Fail」)、どのように金融危機が起こったかを描く悲劇の中、なぜそれが起こったかという問いが浮かぶと、物語はドタバタ喜劇へと反転しそうだ。