形式:新書
出版社:文藝春秋
形式:Kindle版
戦争とは、自らの意思に関係なく巻き込まれることがある――。今をさる100年前、サラエボで数発の銃声が鳴り響いた。オーストリア・ハンガリー二重帝国皇太子フェルディナンド大公がセビリア人テロリストに暗殺された「サラエボ事件」。これをきっかけとしたオーストリアとセルビアによる「ちっぽけな限定戦争」のはずが、4年3カ月におよぶ戦火に発展する。脅しをかけるつもりにすぎなかったロシア、引き金を引くことになったドイツ、当事者であるオーストリア、そしてフランスとイギリス。「コンサート・オブ・ヨーロッパ」と呼ばれる国々は、当初、貴族的な外交手段で、あくまで戦争回避に動いたが……。この「誰もがやりたくなかった戦争」が、なぜ860万人の若い兵士の命を奪い、ヨーロッパを崩壊に導く大戦争に至ったのかを軍事史の鬼才が存分に分析。第二次大戦と比べて、日本人には時代的、地理的に「遠い戦争」として馴染みの薄い第一次大戦だが、尖閣、西沙諸島における中国との緊張、ロシアとウクライナの衝突を目の当たりにした今、日本の外交、安全保障を考えるうえで多くの示唆に富んでいる。
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