形式:単行本
出版社:二見書房
集団思考、カルト問題、学習性無力感などの項目は特にタイムリーになると思う。例え「人間はそんなに賢くない」としても人間には運命や状況を受け止める態度を決める自由が残されていることを大切にしたい。
否定のための論拠が薄すぎる もうちょっと総括的に物を見ろよ
(メモ2)「ダニング=クルーガー効果」自分の能力を評価するのが人はあまりうまくない。(例)初心者よりちょっとできる人は、自分はすごいと自惚れる。技術が高い人は訓練を積んでいるので、自分の弱点がよくわかりすぎて、自分の実力を過小評価する。愚かな人ほど思い上がり、賢い人ほど自信を喪失している。
(メモ3)「現在の自己と記憶する自己」現在の自己は楽しいことを経験しているときが幸せ。記憶する自己は過去をふりかえって楽しい記憶を引っ張り出せるときに幸せを感じる。ケーキを食べるのは数分間の幸せを味わうため。重要なことは記憶する自己が決めている。
人間以外の生物はおそらく自分がこう感じているのは自分がこういう生物だからだなんて考えはしない。メタ的な思考で世界を再構成してみようと試みるのは人間だけのはずだ。感覚を無視して理性で世界を把握する、そのためのツールボックスのような本ではあるのだが使い方はほんの一部しか教えてくれない。まずは丘の上から地形を把握しよう。そのあと地図を頼りに歩き回ればいい。
「人はそんなに賢くない」と繰り返し書かれているけど、それは「お前バーカ!」ということじゃなくて、トホホ感のようなもの。残念ながら、こう考えちゃうよね。恥ずかしながら、こんな傾向にある。というのを論文を引き合いに出しつつ俗な例え話でユーモラスに紹介していく。心理学コラムのような感覚で毎日読み進めるのも楽しい。理解しても、やっちゃうのが人間。自戒もあるが、あの人のそれもこれかと許してあげようという気にもなる。忘れないよう、時々読み返したい。
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