形式:Kindle版
出版社:新潮社
この本家・分家の話で作品に不気味な色を出そうとしているのだが、そもそもの設定が破綻しているように思えるし、何というか本家の怖さが、薄く、描写の数も少なくてあまり感じられない。伝わってこないのに本家・分家の単語だけが頻出して少し辟易。治る見込みのない島民がいたら寝込む前に薬殺する、というのが健康長寿を謳う島の正体だと希世は見込んだらしいのだけど、その予見の描写もとても弱いと思った。希世の思い込みレベルのままで話が進んで気持ちが入りにくい。新聞記者の友人、春美は殺された、というのもどうも希世の思い込みが
強い印象だ。島民の希世への誹謗中傷と人体実験を巡る本家や長島研一筋からの圧力もうまく噛み合ってない。大量の点滴バッグがなくなっていたのは結局何だったの?? ラストシーンも残念。強烈な一行(ひと言)としたかったのかもしれないが弱すぎると思った。この次にもう一行、場がざわつく描写を入れればまだ場の情景が見えたのに。
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この本家・分家の話で作品に不気味な色を出そうとしているのだが、そもそもの設定が破綻しているように思えるし、何というか本家の怖さが、薄く、描写の数も少なくてあまり感じられない。伝わってこないのに本家・分家の単語だけが頻出して少し辟易。治る見込みのない島民がいたら寝込む前に薬殺する、というのが健康長寿を謳う島の正体だと希世は見込んだらしいのだけど、その予見の描写もとても弱いと思った。希世の思い込みレベルのままで話が進んで気持ちが入りにくい。新聞記者の友人、春美は殺された、というのもどうも希世の思い込みが
強い印象だ。島民の希世への誹謗中傷と人体実験を巡る本家や長島研一筋からの圧力もうまく噛み合ってない。大量の点滴バッグがなくなっていたのは結局何だったの?? ラストシーンも残念。強烈な一行(ひと言)としたかったのかもしれないが弱すぎると思った。この次にもう一行、場がざわつく描写を入れればまだ場の情景が見えたのに。