これは忍者小説ではありませんww
ある一人の女性先生が、女の子だけで野球チームを作って甲子園を目指したいという気持ちになりました。そして、集め始めます。男子の野球チームに負けない、むしろ十分に勝つことのできる女子野球チームのメンバーを。
人は彼女たちをくノ一と呼んだ!
というお話です。
途中まで書いてて放り出しちゃってましたので、ここでみんなといっしょに続けられればうれしいです。
いま、
佐竹深雪(先生)
羽島結花
三星杏菜
藤原雪絵
慈崎みわ
赤坂優美
という登場人物がいます。
先生と結花、雪絵は私が書いています。
杏菜と優美をベガさんが書いています。
みわを沙絵子ちゃんが書いています。
野球をするには最低9人いるので、どんどん飛び入りで参加してもらえるとうれしいですm(__)m
「まだ一塁に到達していなければ、ファーストを守る子がボールを受けて、一塁ベースにしっかりと体を接触させていればそれでいい。一塁ベースは、ボールを持った守備者によってガードされ、ランナーはもうそれでアウトになる」
深雪は説明を続けた。
「でも、すでに一塁を走り抜けていたら。その時点で一塁はランナーに制されていることになる。ランナーが二塁に到達するより先に、ボールが二塁手セカンドの手に届いたら、さて、ランナーはどうなるか?」
「もう、二塁は二塁手によってガードされたのだから、ランナーはそれ以上二塁に対してはどんな手も打てないということですね?」
と、雪絵が考えながら言う。
「そうそう」
「一塁に戻ることはできるんですか?」
「そう、それ。それが肝心。一塁は一度ランナーに制されているのだから、二塁手にボールが渡った時点では、まだ一塁はランナーの居られる場所として存在している」
「じゃあ、二塁手は今度は一塁にボールを投げる?」
「そうそう。懸命に一塁に戻ろうとしているランナーを刺す、つまりアウトにするには一塁をランナーから奪い去ればいい。二塁手セカンドは一塁手ファーストにボールを投げる。でも、ランナーが一塁に戻る前にファーストがボールを手にしたとしても、それだけではまだランナーはアウトにはならない。なぜか?」
「ボールがファーストに渡った時点で、今度はセカンドの権利がガラ空きになっているから?」
「そう」
何て賢い子だ。
「じゃあ、セカンドがファーストにボールを投げたら今度はランナーはすかさずまた二塁に走ればいい? 何となく、いつまでもその繰り返しになりそうですが?」
「ここで、タッチアウトというものが存在している。ボールを手にしたファーストなりセカンドなりは、いつまでもランナーがウロウロ走って逃げ続けるのを阻止するのに直接行動を取れる。つまり、ボールをランナーの体に触れさせる、タッチさせる。これはボールそのものでなくても、ボールを持った手を、グローブ(このおっきなおっきな手袋ね)越しでもかまわない、ランナーにタッチすれば、その時点でもはやランナーはアウトになる」
「なるほど」
と、雪絵は言ったが、他の子たちの反応はどうだろうか。
「それはさておき」と苦笑いに紛らわせておき、野球について簡単に解説する。
野球は、九人対九人で競い合うゲームだ。ただし、交代要員は認められている(予め登録されている必要はあり、飛び入りはできない)。
それぞれのチームは攻撃と防御を交互に繰り返すが、どちらが先攻となるかは事前にルールによって決められる。
ゲームでは、防御側の九人がそれぞれの九つのポジションで守りにつき、ピッチャーと呼ばれる投手がボールを投げ、それを攻撃側の相手チームのバッターと呼ばれる打者が打つ。ボールを打つことができれば、打者はそこからはランナーと呼ばれる走者となり、一塁(ファースト)・二塁(セカンド)・三塁(サード)という三つのポイントを順番に走って行く。ボールを打った本塁(ホーム)に戻ってくることができれば1点が入る。ホームを含むそれぞれのポイントにはベースと呼ばれる四角いマットが設置されていて、ベースに体のどこかを触れさせなければそのポイントに至ったとは認められない。
打者が打ったボールは、地面に落ちる前に、守備についた誰かによって受けとめられればそれで打者の敗北(アウト)となり、仮にボールがとられる以前にどこかの塁までたどり着いていたとしても、本塁に戻ることができていたとしても(これをホームインという)、すべて無効であり、ただのアウトに過ぎない。
守護につくものは、打たれたボールが一度地面に落下した後はとにかくそれをできるだけ速やかにキャッチし、どこかの塁に送球することになる。かりに、まだランナーが一塁にたどり着いていなければ一塁に、すでに一塁を通り過ぎて二塁に向かっていれば二塁に投じる。それぞれの塁を守る選手はそのボールを受け取るが、ここで、まだ一塁にたどり着いていないか、それとも一塁を通り過ぎて二塁に向かっているかで違いが生じている。
「説明しよう」と、富山敬(声優・故人)が言った。と、深雪は頭の中で思いながら声に出した。「説明しよう」。あー、このギャグは或る特殊なアニメファンにしか通用しないかもしれないな、と思った。だから、口に出さなかった。
「いきなり無理をしなくてもよろしいのではないでしょうか?」
と、おっとりとした口調で藤原雪絵が口を開いた。相変わらず柔らかな微笑みを絶やしていない。
「九人揃わないとできないのは試合そのものなのでしょう? 練習とか、基礎的な運動とか、そもそも野球とはどのようなものなのかについてのお勉強は、別に今の私たちのままでできることではなくて?」
「結花ゲットだね!もちろんやるんでしょ?」
疑問系になっているが、どうせやるだろうと結花の返事を待たない杏奈。
「さっきも話したんだけど、あと4人、心当たりない?」
「あるに決まってる。だから結花をスカウトするのよ」
深雪は断言した。
「えっ」
結花が過敏に反応する。
「野球をやれば、羽島結花さん、あなたはまたバレエが踊れるようになるわ」
「ほ、本当に?!」
「ええ」
深雪はにっこりと天使のような(と結花には思えた)微笑みを浮かべてうなずいた。
「そして、あなたのバレエのセンスは投手としてたぐいまれな投法を生み出すことにつながる。バレリーナ投法……くノ一忍者野球第一の秘密兵器になれる」
んなこと聞こえちゃいなかった。またバレエが踊れるようになる・・・その言葉だけが、ぐわあんぐわあんと耳の奥でとどろき渡っていた。
うん、うんと(悪魔のような)微笑みを浮かべて、佐竹深雪はうなずきまくっていた。
「そっか、そうですね」
野球部を始める話…。
「私は、優美は絶対に入れたいと思うの。どんなに時間がかかっても絶対に入れてみせる。だから、結花と雪絵とみわと私と優美。あと最低4人必要なんだけど…。どう?誰か心当たりはない?」
この機能をご利用になるには会員登録(無料)のうえ、ログインする必要があります。
会員登録すると読んだ本の管理や、感想・レビューの投稿などが行なえます