君綴る愛物語烈しくて読みながらもう欲しくなってる

水紋のように粟立つ触れられて小さな波が大波を呼ぶ

(2018年秋号「文」ボツ歌)

唾液さえ混じり合わないくちづけは二十年ぶり初恋のひと

(再会してきました。てへ☆)

唇を盗み見られていたことが次に繋がる動作だなんて

短めのあなたの舌を吸い上げてあたしを刻む憶えていてね


欲なんて消滅しちゃえば楽なのに君を欲しがる自分がキライ

朝いちばん数ある新着おはようの君の文字だけきらめいて春

春の陽は笑いかけてる君のよう想いが空を飛び交ってゆく

あまりにも痛くてイの口苦笑いあなたが初めて十七の春

エプロンの脇から見え隠れする裸のおっぱいうまく撮れない


(夜な短４周年記念歌集「笑」ボツ歌)

満開の桜の幹に寄りかかるあたしの罪ごと抱いてくれぬか

濡れそぼつ河津桜の花房に色濃く重ね振り返る倫(みち)

(ももちゃんからもらった雨に濡れた河津桜の写真を詠んで)

魂の共鳴してる音がして唯一無二の人になってく

よーいドン！君に駆け出す音がしたゴールできるか分からないまま

(うたよみん「音」)

唇を避けてキスする二人にはわきまえがある夢の中でも

夢でさえ唇避けてキスをする大人賢い君にジレンマ

(見た夢より)

セックスを断る勇気が欲しくって神主さんに相談してみる

顔の無い人に抱かれているようでだから着けてとお願いしたの

きみがすき
みのほどしらず
がらすまど
すっとけしては
きゅっとなるむね

折句「きみがすき」

ありがとうございます！凄く久しぶりに詠みましたー。

W。「嬉しげ哀しげ」は余韻を持たせる言葉ですね。

どちらからともなく外した銀の輪がおそろいみたい嬉しげ哀しげ

キスをするタイミングだけ狙ってる行ってらっしゃい朝の玄関

気を許してくれてることが嬉しくてまた好きになる恋バナされても

気をつけて歩いていたのに踏み込んだエリアは恋でしかも裸足で

うたよみん題詠「はだし」

ひんやりと冷えた足先押しあてて今年の冬もあなたを試す

うたよみん題詠「はだし」

あなたからもらった恋の御守りは今でも箪笥に忍ばせてある

そう言えば去る者追わないひとだったそれにわたしも入っちゃうのね

追い掛けてすがってくれとは言わないがせめて示してアイミスユーを

悩んでもどうにもならないこんな日は椎名林檎をぐちゃぐちゃに聞く

泣き虫なわたしを壁に塗り込めてもう大丈夫ゆっくりお休み

遮断せよ君に関するキーワード見つけて落涙する回線

抱き合って眠ったときの窮屈な幸せ忘れられずに不幸

あんなことあったなだけどもうないな天国地獄をいったりきたり

たった今素敵なことを思いついたあなたに抱かれてそして死にたい

本当に死にたいひとは明日には予定は入れないランチビュッフェ

思い出の美化作業に入りますうまくいったら赤色点灯

気が狂うほどじゃなくても寂しくて正気はキープできない辛さ

君のいない世界は優しいけど虚しい禁断症状いまさなか

無いことにしなきゃいけない恋なんてしなきゃよかったでもしてよかった

ラストキスラストスマイルラストハグになるならもっと焼きつけたかった

君からの返信なかなか来ないのも太陽フレアのせいにしてみる

ペアカップ割れる頃には君のこと思い出しても痛くないかな

さらさらと砂をかぶせて恋の墓標 確かにここに実はあったと

新しい味がでるたび試したね今も飲んでる？マウントレーニア

君だけはこの恋だけは特別と思っていたのに消えそうで嫌

あのひとの記憶と記録に残っただけ良かったじゃないの泣くのはやめだ