真緒は、幼稚園からの知合いで腐れ縁のような岳と彼の愛犬の弁慶とパリのアパートで暮らしていた。ある日、岳は日本人の新婚カップルを連れて帰ってくる。二人は空港で置き引きに遭ったのだった。真緒と岳は、パスポートが再発行されるまで浩之と睦美を部屋に泊めることにした。ほんの数日の同居生活は、気だるい毎日を過ごしていた真緒と岳だけではなく、旅先での不運に傷ついた浩之と睦美の心にもさざ波をたてるのであった。
正直、感受性が枯れたオジサンには分かりにくい男女の関係だが、人の心が動かされる時ってそんな感じなのかもしれないな。上手く行く男女と上手く行かない男女の決定的な違いは、自分たちの未来に対する想像力の有無なのではないかと思う。人間的な知恵があれば、動物のように刹那的に生き、未来を閉ざす事もないのではないだろうか?
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