近藤史恵さんが綴る物語りは、いつも私の期待を裏切る展開だ。その中でも『凍える島』は、極めつけだった。金のためでも、憎悪のためでも、保身のためでもない殺人事件と、私の理解できる領域を超えた、打算のためでも、欲のためでもない男女の関係があった。
だから、識者に否定されるのを恐れずにに言えば、ミステリーでも、サスペンスでもない純文学なのではないかと思った。近藤史恵さんは、読者ではなく、自分自身に問いを突きつけているのではないかと感じた。読者を翻弄したり、蹂躙したりするためではなく、自分自身の考えをまとめるために…
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