冒頭から終盤までは、パラシュートを背負わず空に放り出されたような緊張感があったのに、地上が近づくにつれ急激に重力が弱くなり、緩やかに地上に降り立った。物語の中から夜明けの光を浴びて滑らかに目覚めたような、今まで読んだどの小説とも違う爽やかな読後感でした。全十巻の大作をどのように完結させるか?それはとても難しいことですし、正直それほど期待していませんでしたが、森先生は、想像していた方法とは全く違うやり方で物語を収束させたのです。そうです森先生は、概念の狭間にあって、両極に同時に存在することが可能なのです。
本格推理を期待している皆さんには、辛いだけの作品たちかもしれませんが、私に様に、意味を見つけ出そうとする読者にとっては、とても手ごたえを感じるシリーズだと思います(^^♪
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