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小説家になろ…ならんでいーけど、1頁分ぐらいなら書いてみたい!

とりあえず一本書いてみた。ー宇都宮歩佳
トピック

あああ
2018/03/19 19:41

とりあえず一本書いてみました。シリーズものの二作目です。一作目は賞に応募中なのであげられません。小6のミスヲタが書いた作品です。構成も文章もトリックもへたくそですが、もしよろしければ覗いていって下さい。感想つけてくださると嬉しいです♪キャラ紹介載せときます。

佐野 祐介(さの ゆうすけ)
歌川市警察署の刑事。階級は巡査。現在二十五歳。姫香とコンビを組むことが多い。
小柄で童顔、声が高く、誰がどう見ても中高生にしか見えない。しかし、見た目とは裏腹に、精神年齢は高く(署内では)基本的にツッコミ役。性格は内気で気弱、控えめでおとなしく、優しい。少しズレていて、妙なところにツッコんだりする。

足利 姫香(あしかが ひめか)
祐介の三歳年上の先輩刑事。現在二十八歳。祐介とコンビを組むことが多い。
背が高く、スタイルがいい。大人っぽい美人で、切れ長な目をしているが、性格は子供っぽいと言うか、むちゃくちゃである。暴虐無人で慇懃無礼、上から目線のバカ。常にボケ役。





本文


ある夏の暑い日、とある一軒家で中年の女性の死体が発見された。回覧板を回しに来た近所の主婦が見つけて、通報したのである。発見が早かったため、死亡推定時刻の割り出しは簡単だった。
「――被害者は五十七歳の主婦、大倉和子だそうです。夫には五年前に癌で先立たれていて、息子が三人いますね。夫に先立たれたあとは、あの家に一人で暮らしていたようです。夫が元会社の重役だったこともあり、結構な資産家だったらしいですね。と言うことで、それを相続する三人の息子たちが怪しいと睨んでいます」
「ふぅん……」
「いや『ふぅん』って先輩。せっかく説明してるんですから、ちゃんと聴いてくださいよぉ」
 僕は、ハンカチであせを拭いながら言った。その横から姫香先輩は、
「……で、凶器と死亡推定時刻はどうだったの?」
 と、気だるげに訊いてきた。
「凶器は、死体の傍に落ちていたナイフです。被害者の家の台所にあったもので……って、先輩、聴いてますか?」
「……え、うん。聴いてるわよ……」
 見るからに聴いてなさそうな顔で、先輩は答える。絶対聴く気ないな、この人。
 僕と姫香先輩は、これからこの事件の重要な証言者に会いに行くところだ。仕事だから、行っているだけなのである。そうでもなきゃ、誰がこんな真夏の真昼間に、スーツ姿でアスファルトを歩くものか。ここは一応街の中心部のはずだが、歩いている人はろくにいない。って言うか、この長い通りを見渡す限り、僕たちしか歩いていない。まぁ、それもそうだろうけどね。こんな暑さの中で歩くなんて自殺行為だから。
「……で、死亡推定時刻ですが、大体三日前の午後七時から午後九時と推測されていて……」
 とそこまで言ってちらりと横を見た時、姫香先輩の姿がないことに気づいた。
「あれッ……?先輩?」
 ふと隣のコンビニを覗いてみると、先輩がレジでアイスクリームを買っているところであった。
「あぁ~、先輩!」
 そう言うと、先輩はいたずらが見つかった子供のように、『しまった』と言う顔をする。
 自分一人だけアイスを買おうだなんて……!
「ずるいです!先輩が買うんでしたら、僕だってアイス食べたいです!」


 結果、僕もアイスを買って、僕と先輩は木陰にあったベンチに移動した。
「あぁ~、冷たい。生き返りますね~!」
「うん、おいしい。アイスでも食べなきゃ、やってけないわよね~」
 と、アイスを頬張りつつ言う僕と先輩。体が楽になって来た頃には、アイスは棒だけになっていた。
「さて、先輩……。行きますか」
「行くって、どこだっけ?」
「忘れたんですか……。重大な証人であるシー・ハオ・ユーって言う中国人に会いに行くんでしょう?」
「え~……。でも、今休憩しちゃってるし、約束の時間に間に合わないんじゃないの?」
 だとしたら行かなくていいでしょ、とでも言いたげな先輩の瞳を見つめ返して、僕は言った。
「大丈夫です。こんなこともあるかと思って、ちょっと早めに出て来たんですから」
 僕がそう言うと先輩は、まるでシロアリ駆除業者に、長年暮らしてきた家がもう崩壊寸前だと言われた家主のような顔をして、
「えぇ~……。面倒くさぁ~!」
と抗議した。しかし、それを無視して僕は立ち上がった。
「ほら先輩。文句言わないで行きましょうよ。……待ち合わせ場所は喫茶店ですから、もしかしたらアイスか何かがあるんじゃないですか」
 僕がボソッと呟いた後半の言葉に反応して、姫香先輩は慌てて立ち上がる。扱いやすい人だ。


「ドモドモ。ワタシ、次男のジロウサンと三男のサブロウサンの同僚のシー・ハオ・ユーアルよ」
 と、いかにも中国人と言った言葉遣いで話し出したこの男こそが、シー・ハオ・ユーである。
「こんにちは。本日はどうもありがとうございます。刑事の佐野祐介です」
 と言って、隣に座る姫香先輩を見るが、先輩はバニラアイスを口に運ぶだけで何も言わない。僕は小さくため息をついてから、
「こっちが、足利姫香巡査長です」
 と紹介した。
 ここは待ち合わせ場所の喫茶店の中。冷房が効いていて、とても涼しい。外とは大違いである。
そして姫香先輩は、席に着くなり、バニラアイスとチョコアイスと抹茶アイスを注文していた。元から事情聴取なんてやる気はさらさらないのである。今は、バニラアイスをおいしそうに食べている。羨ましい、僕も食べたいなぁ。
いけない、いけない。今は事情聴取だ。姫香先輩がおいしそうに食べるアイスへの誘惑を押さえ、僕はシーの方に向き直った。
「え~と、確認しますが、次郎さんと三郎さんは双子なんですよね。で、二人はあなたと同じ会社に入って来た」
「そうアルよ。どちらとも結構仲良くお付き合いしてたアル」
 シーが鷹揚に頷いた。たしか次郎と三郎は二十八歳だから、それと同年代か。丸顔で、人懐っこそうに笑っている、ちょっと太めの男性だ。
「それで、三日前なのですが、七時から十時まで、大倉三兄弟と一緒に酒を呑んでいたんですよね?」
「そうアル。ジロウサンが言ったアルか?それともサブロウサンアルか?」
「次郎さんです」
 僕は透明なコップを手に取りながら言った。
 警察では、三人の息子が怪しいと考え、長男の一郎(30)、次郎、三郎を任意で聴取した。すると、次郎が『その時間なら同僚のシーと酒を呑んでいた』と言ったので、僕らは確認にきたのである。ちなみに、三人とも何やら挙動不審で、事件の事についてはまったく触れようとしていない。
「あの日はタシカ、仕事の関係で近くまで来ていた二人のお兄さんのイチロウサンを紹介してもらったんでアル。それが、大体六時半くらいアルね。そのあと、ワタシとオオクラサンキョウダイで、居酒屋に行って呑んだアル。別れたのがタブン、十時くらいでアル」
 ところどころイントネーションがおかしく、聞き取りづらい部分もあるが、概要はつかめた。しかし、とすると、犯人はいなくなってしまうではないか!
 僕は、身を乗り出しつつ訊いた。
「どこの居酒屋ですか?ウラをとりたいんですが」
 シーは笑いながら、
「『屋家財』って言う店アル。店の主人とも結構話したから、絶対覚えてるアルよ。オオクラサンキョウダイが犯人なんてありえないアル」
「なるほど、イザカヤ『ヤカザイ』ですか……」
 もしこれが本当のアリバイなら、犯人はいなくなってしまう。だとすれば、犯人は一体誰なんだろうか――?


 アリバイは、本物だった。しかし――。
 あれから一日経った。僕は、この前来た時と同じようにアイスを頬張っている先輩を横目で見ながら、目の前に座るシーを見据えた。
「シーさん。あなた、どうして嘘をついたんですか?」
「ウソ?ついてないアル。ちゃんと本当のことを言ったアルよ」
 シーが、何が起きているか分からない、と言った顔で言う。
「嘘……ええ、たしかにこの言い方は正確じゃないかもしれませんね。……言い方を変えましょう。なんであんなに紛らわしい言い方をしたんですか?」
「紛らわしい?なんのことアルか?」
「まぁ、これに関しては、ちゃんと訊かなかった僕も悪いんですが……。シーさん、あなたの言う『オオクラサンキョウダイ』とは、誰のことですか?」
 僕の問いに、一瞬きょとんとした顔をしながらも、シーは答えた。
「誰、って……。モチロン、ジロウサンとサブロウサンのことアルよ」
 今さらっと重大なことを言ったシーに見向きもせず、先輩は黙々とアイスを食べ続けていた。少しはまともに仕事してほしい。
「あぁ、ですよねぇ……やっぱり」
 僕は嘆息しながらちょっと俯いた。それを見て、シーが話を補足する。
「イチロウサンとは、会ったあとすぐ別れたアルよ。そして、ジロウサンとサブロウサンの三人で酒を呑んでたんでアル。それが……何か?」

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