読書メーター KADOKAWA Group

日本近現代史研究会

コメント

辻貴之
新着
(引用続く)  もっとも、そうはいっても、複雑で常に妥協を余儀なくされる現実の外交世界においては、実際のところ西郷の精神(理念)はものの役には立たないであろう。しかし、西郷はこうした純な精神の下に生きた。そして、西郷がこのような精神を形成するに至ったのは、やはり彼が倒幕(旧体制の打破)に成功したという、稀有な経験の持ち主であったことが大きく関わった。換言すれば、この精神は西郷でしか持ちえなかった大局観であったといえる。