芥川龍之介『河童』を読むトピックです。
各々の読みを共有し、互いの読みを深めましょう!
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「世に従へば、身苦し。従はねば、狂せるに似たり。」は「河童」にふさわしい文ですね。方丈記よみたくなりました。
最後のトックの詩は難しいですね。ブッダが眠りキリストが死んだ世界で、芝居と分かっていながら、眠らず死なず、休み、また活動しなければならない、ということでしょうか?
たしかに、河童の世界はむき出しの本音の世界ですね。そこで生きる河童は、人間世界を知っているのに、人間側から河童の話をすると狂人扱い。
最後の詩、「しかし我々は休まなければならぬ」が引っかかっていました。「方丈記25.もし、おのれが身(住みにくき世)」http://hojoki318.seesaa.net/article/396409563.html を読むと、救いのない世の中でできることは狂ってしまうか、休んでしまうことしかない。芥川にとっての休息が、自殺だったのか?と感じました。
日常では皆が見ぬふりをして覆い隠しているが、本当のところはこう思っているんだろう、こうなっているんだろう、というふうに暴いている。隠されていることを白日にさらすこと。正直になること。これは芥川の理想なのではないか。検閲は出鱈目なんだろう、女性は虎視眈々と男性を狙っているんだろう、簡単に死ねたらいいと思っているだろう、宗教は嘘っぱちだろう、などと。一つ一つのテーマを取り上げて話し合うと楽しいに違いない。反出生主義なんて語りつくせないだろうし。
トピックに気づかず、遅れてしまった。
この作品、一般的には晩年の陰鬱さが云々と言われていますが…ブラックなユーモアということで笑い所もあるし、多分現実にあまり期待して生きていないとそうなるのかも。
胎児が生まれてきたいのかと聞かれて、生まれてきたくないから生まれてこないという辺りは芥川の本音というか…だから自殺してしまったんでしょう。
政治家の演説については皆が嘘だと知っているなら畢竟正直と変わらないとは、痛烈ですが、それすら分かっていない人が結構いる現実。
perLod(ピリオド)さんのおかげで、重厚な作品に触れられました。多くの解釈が可能そうな作品で、私はまだ読み足りないという思いが強いです。皆様の感想が楽しみです。
すると自殺した河童のトツクの問いは、芥川本人の問いでもある。名声を気にしたり、全集が出たかという質問には芥川の自虐が込められているようで悲しくもおかしい。そして芥川からのなぞかけのような「どうか Kappa と発音して下さい。」私の推測では、労働者や庶民の河童には促音が使われ(チヤツク、バツグ、ラツプなど)、資本家側には促音がない(ゲエル、クイクイ)ことを考えると、批判の焦点は資本家。政治家ロツペはひねり。政治家は支配者側のようでありながら、この話ではロツペの上に新聞社があり、その上にゲエルがいる構造。
次は『河童』だなあ~と思っていたら、トピックできてた!作成ありがとうございます。中学か高校の国語資料集に芥川龍之介が描いた河童が乗っていました。その印象で既読かと思えば、未読でした。読みながら、あの河童の絵がずっと浮かんでいました。太宰も芥川も、この読書会のおかげで久しぶりに読むことができました。感謝。さて感想ですが、まず思ったのはユートピアを描いているのかな?理想郷を描きながら社会を批判している?でした。太宰と同じく、芥川も自殺していますが、この『河童』を執筆中も芥川の頭の中には自殺の考えがあった。続→
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