所感、愚痴の様なモノ
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米SEVERINのフォークホラーボックスAll The Haunts Be Ours: A Compendium Of Folk Horror Vol. 2の「SUNDELBOLONG」のBDに収録されていた主演SUZZANNA(前回の記述ではZが一つ足りませんでした)のドキュメンタリーに引用されている映像がとても面白い。
ハマーの「妖女ゴーゴン」のメイクで名メイクアップアーチスト、アシュトンが考えたが諦めた、『生きたヘビをヘビ女の頭部に巻き付ける」方式をインドネシア映画とSUZZANNAはやっていたのだ。
本ドキュメンタリーはseverin製(2024)なので、いずれSUZZANNA主演ホラーのボックスが同社から出るのでは無いか。
『アメリカ、夜明けの刻 American Primeval(2025)」
1857年、南北戦争前夜にユタ準州では末日生徒イエスキリスト教会、通称モルモン教の私兵と米国騎兵隊が一触即発の状態で対峙していた。
モルモンが安住の地としていた彼の地には新しい入植者や、モルモン教徒同様米国の各地から追われてきた先住民、そして都会で罪を犯して流れて来た物も混在していた。
先住民の一部とは良好な関係を結んでいたモルモン教徒のカリスマ指導者、ブルガム・ヤングには先住民を隠れ蓑に新入植者を排除する陰謀があったのである。
過去の映画ではマカロニの『殺しが静かにやってくる」やジョン・フォード映画では好意的、同情的に描かれていたモルモンを現在のISまたはイスラエルの様に度重なる迫害(創始者アダム・スミスをリンチで失っている)に被害者意識と信仰の篤さを拗らせた恐るべき戦闘集団としてと描いた異色の米国開拓史。
力の無い物には容赦ない米国が現在でもモルモン教徒に一目を置いているのは、彼らが内戦一歩手前の米国政府との闘いに引き分け以上の決着に持ち込んだからだ。
本作はそのユタ戦争の序盤までしか描かれて居らず、主人公は都会から訳ありでユタ準州に逃げてきた美しい子連れ女性と先住民に育てられた白人ガイドの逃避行物である。
出演俳優でコンテンツを観る悪癖がある私だが、本作は知っている俳優が一人も居ない状態で観賞。
脚本は『レヴェナント:甦りし者」等のマーク・L・スミス。
『オクラホマ巨人』で描かれていた暴力的な米国をオブラート無しで女子供も容赦無く殺す野蛮な様子をこれでもか、と描写。
先住民が「なんで白人どもはこんなに暴力的で殺しが好きなのか。」と嘆くのももっともの血と硝煙に塗れた西部開拓史である。
都会育ちの主人公女性が、幼いフランス系の迷子を助けようとして、極めて凄惨で生理に訴える目に遭う描写はサブスクリプションならでは、であった。
あまりにも残酷なのでこの手の描写が苦手な方にはお薦めできないが私には観やすいミニシリーズの長さだった為、大変楽しめた。
ただ、昔付き合いが有ったモルモン教の宣教師(と言っても大学を出て直ぐ数ヶ月の語学研修を受けただけで海外に布教に来た青年)に、なぜ日本人を下に観ないで宣教するのか、聴いた所、日本人と同じ民族のアメリカ先住民には流浪中に親切にして貰ったので東洋人は仲間だと思っている、との事だった。
反面、黒人は神の呪いを受けて肌の色が黒くなってしまったので、その点を反省してモルモン教の入りたいと言ってきた方は入れて上げる、との余り賛同出来ない事も言っていたので入信しなかった(母はしたが)。
その宣教師が言っていた事を完全にひっくり返す本作の内容はフィクションもあろうがその部分だけは鉛を呑まされた様な気がした。
「SUNDELBOLONG(1981.インドネシア)」
インドネシアのホラー・クィーン、スザンナが初めて伝承妖怪のスンタル・ボロンを演じた作品(1981)。
読み友様にご紹介頂いた米SEVERINのフォークホラーボックスAll The Haunts Be Ours: A Compendium Of Folk Horror Vol. 2収録。
タイトル名のスンダル・ボロンは妊娠中に非業の死を遂げた売春婦が変化する妖怪であった。
特徴は美しいが背中に大きな穴が空いて居り、その為いくら食べてもそこから出てしまうのでいつも飢餓感になやまされており、また、背中から出産する等言われている。
本作内で前者はばっちりと描写されており、多分後の作品にも座頭市の賭場破りのシーンの様に繰り返されたてあろうと推察される。
これは元から有った人狼伝説に1940年代のユニバーサル映画で脚本家のシオドマク等が映画様にした様に、映画化されたスザンナ主演作からの後付けの設定も有るかも知れない。
性産業で働いていた女性や、婚前交渉に対する風当たりが強い80年代初頭のインドネシアで、非業の死を遂げた女性が復讐の為に妖怪化するという設定は魅力が有り、大ヒットし、続編も作られたそうだ。
元は娘役で人気を博し、セクシー女優を経て30代後半からはホラー映画で主演級の妖怪を演じた事で好事家の人気を経たスザンナのカリスマ性が際立っている。
特撮は手作り感が溢れすぎているが、「首だけ女の恐怖」よりは大分進歩しており、一見顔色の悪い美女にみえるスンダル・ボロンが背中を向けると脊髄が剥き出しになっている様子はえげつなく、かなりショッキングである。
悪人男どもの醸し出す泥臭い卑小さは相当の物である。
時代性を感じ、人物の掘り下げが浅い部分は俳優が持つ説得力で補っている。
前半はメロドラマ、後半はホラーと言う構成も前半の美しきヒロインが死して怪物に変容する悲劇性を際立たせている。
巻頭、劇中、スンダル・ボロンが登場するシーンにムソルグスキーの「禿山の一夜」が流れるが、「悪魔の毒々モンスター」に影響を与えたのかどうかは不明。
特典としてスザンナの人生を追った見ごたえのあるドキュメンタリーが収録されており、そこには私が好きな内蔵お引き摺りの女性抜け首が出て来る映画からの引用が有り眼が眩んだ。
私が「抜け首が食道から直腸まで内蔵お引き摺りで飛ぶ」と思っているポンティアナックは場所により青白い顔の美女型の蘇った死者で、人を襲うがうなじに簪状の釘を刺すと善人になる、という設定だそうだ。
2019年製のシンガポール・マレーシア合作「ポンティアナックの復讐」にはそれを丁寧になぞって映画化されていた。
近年、スザンナにオマージュを捧げたスンダル・ボロン物「よみがえったスザンナ」がNetflixにて視聴可能なので観る予定です。
新年明けましておめでとう御座います。
今年はもっと本を読む回数を増やしたいと思います。
映画は観る本数を絞ってしっかりみたいと思います。
そして大谷翔平に最悪の事が起ってもダメージを受けないようにイメージトレーニングに励みます。
前略。
…ご返信恐れ入ります
…無気力/無感動は、何だか「老人性うつ」の入り口の様で怖いですね…
…動画も作られており、チャイナ・フィギュアの開拓もされておられることから、まだまだ好奇心の灯は消えていないものとお察ししますが…
…Amazon、たしかにランキングとかの数値が消えてますね…日頃見ないのでよく分かりませんが、プロフィール欄の見にくさだけは困りますよね…
…レビュー廃止は、確信が持てませんが、インフルエンサーを雇うとなると、好意的なレビューが意図的に増えて、公平なものが失われる危機を感じます…
…何もレビュー記事だけじゃなく、有意義な資料やデータはアナログでも残しておくべきだと痛感しますね…プリントアウトしてファイルした方が良いですね…
…どうも失礼を致しました…
ついにamazonのプロフィール・ページから全ての数値が消える。
代わりにインフルエンサー用の新たな展開をするようで、そこでamazon製品の宣伝をさせる腹なのか。
本格的にレビューを廃止するのかもしれない。
10年前は考えもしなかったが…。
レビューの引っ越しが出来る様に準備せねば。
なんか世界がグレイスケールの油絵の様に境界線がはっきりしなくなっていく印象です。
特に寂寥感は無いのですがフラットで無感動な状況となり、ゾンビに近づきつつあります。
ただ、母を観ているとこう言う世界や状況を乗り越えて(ただ受け入れただけかもしれませんが)普通に生きているのでと一抹の悲しさはありますが、そこもフラットな感覚でいます。
これが老人って物なのでしょうねえ。
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